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小さく始めて農業で利益を出し続ける7つのルール - 家族農業を安定経営に変えたベンチャー百姓に学ぶ -

2011-01-19 23:55:34 | 書籍

Agriculture_2

久々の農業本です。農業法人 野菜クラブ、サングレイス、四季菜代表の澤浦彰治氏の著書です。しかし、農業技術ではなく、農業経営について。氏が、農業法人を興し、成長する過程で直面した、農業経営者としての悩みと、それを乗り越えた秘訣が書かれています。

ただ、本書を目次だけ読むと、完全なる起業本。

ルール1: はじめての人が利益を出すために、成功者に共通するコツを学ぶ
ルール2: 作物を商品化することで、利益は生まれる
ルール3: 農家ならではの食品加工をすることで、利益率を高める
ルール4: 経営規模に合った自分のお客様をつくる
ルール5: できる農家は毎日欠かさず日記をつけている
ルール6: 手元資金があっても、設備資金は借金をする
ルール7: 個人と組織を活かす「方針管理手帳」で、利益を出し続ける

事業計画やマーケティング、組織論など、どれも普通の中小製造業に当てはまる話です。つまり、いかに農業がこれまで、国や農協に管理され、自ら考えることを奪われてきたか。ということの裏返しだと思います。これは農業だけではなく、旧通産省の指導下、護送船団方式でやってきた結果、国際競争力を失った日本の製造業と一緒なわけです。

確かに農業は、自然相手の待ったなしの産業で、2次産業とは違います。また、圧倒的に個人経営が多く、組織的、包括的な取り組むは難しいのは確かです。よって、氏が仰るように、最後はどれだけ農業に情熱を注げるかであり、単なる数の力、経済力だけでは継続は難しいとは思います。

ただ、国の農業政策が変わり、農協一極管理が壊れる中、傾斜産業と呼ばれて久しい、1次産業にも、まだまだ夢と使命感を持った、成長の可能性はたくさんあるのだと思います。