カンムリワシ、ワシは名ばかり、言うばかり

20年前探せばカンムリワシがいて、10年前そこにはカラスがいて、いま両方ともいません。よって最近ではそれ以外の話題に。

テロリスト

2018年04月14日 11時25分25秒 | 社会

とにかく、自分に逆らう人間のことをテロリストと叫べばいいのですから、つくづく便利な言葉だと思います

▲ロシアの為政者にとっては

自分たちの無慈悲な弾圧に反抗するものは「テロリスト

中国共産党の為政者にとっては

自分たちの支配に反発するものは「テロリスト」 

なんですね(笑)。 


ユダヤ人とパレスチナ人はともに自らの特性を誇り、相手方は常に帝国主義かテロリストと見る。:P.55 ジミー・カーター「アブラハムの血」 講談社  


カーターは、的確に見ているようです。

  • ユダヤ人は、パレスチナ人のことを帝国主義者かテロリスト
  • パレスチナ人は、ユダヤ人のことを帝国主義者かテロリスト

とみているので、まずこの現実を双方に理解させることから、始めなければならないのでしょう。

これは「自分はいつも被害者で、相手はいつも加害者」という信仰を捨てることができるかどうかであり、たいへん難しい問題です。

韓国人の対ベトナム関係も同じで、常に自分以外に責任を転嫁する「奇妙な愛国心」に打ち勝てるかどうか。

もしも韓国人がこの誘惑に勝てるようだったら、こんなにひどくはなっていないはずで、もう手遅れかも・・・・・・(笑)。 


--7年前の同時多発テロで感じたことは。 

◆当時、米国人は「本土への攻撃だ」といきり立った。しかし、我々先住民は欧州から来たキリスト教徒に攻撃され、大勢が殺害された。この大陸は何度も攻撃されてきたのだ。「初めて」と主張する思考に改めて白人中心の視点をみた。 

◆事件当日、私たちは大統領に手紙で「テロリストと同じやり方で仕返しすべきではない」と忠告した。テロは米国の政策に対する攻撃だったのに、犯人捜しばかりで、攻撃の理由を問う議論は無かった。「誰」よりも「なぜ」を考える必要があった。 

◆ブッシュ政権の「対テロ戦争」は誰をテロリストとするか定義していない。我々はかつて自らを守るため、欧州からの侵入者と戦った。だが、侵入者の中には我々の行為を「テロ」と呼ぶ者もいた。国民は「テロ」と聞けば恐怖心を抱く。政府は政策遂行のため恐怖心を利用している。

:オレン・ライオンズ氏(米先住民指導者、78歳) 毎日新聞 2008年9月13日 東京朝刊 


ここには、アメリカ先住民たちの見方がありました。

つまり「アメリカが初めて外部から攻撃された」とするのは、「欧州からやってきたキリスト教徒たちがアメリカ先住民を攻撃した」と考えていないことの証拠でした。

アメリカ先住民たちが考える順序としては

    1. キリスト教徒がアメリカ先住民を攻撃した(米の建国)
    2. イスラム教徒がキリスト教徒を攻撃した(同時多発テロ)

でなければならず、決して「初めて」ではなく、「2回目」だったのです。 


アメリカが反カストロ派テロリストをかくまおうとしていると知るや、キューバ政府諜報員は、テロリスト組織への潜入をはかった。そして1998年には、連邦捜査局(FBI)の高官をハバナに招き、組織のフロリダ支部が計画するテロ活動に関する何千ページもの調査書類と何百時間分にわたるビデオテープを提供した。 

FBIは、その恩を、情報提供者たち(現在キューバ・ファイブとして知られるグループもその中にいた)を逮捕するという仇で返した。: P.93-96 ノーム・チョムスキー「お節介なアメリカ」大塚まい訳 ちくま新書 2007/09/10 第一刷発行 


これからも明らかなように

  • キューバ為政者にとっては、反カストロ派が「テロリスト
  • 米国の為政者にとっては、キューバ為政者が「テロリスト」 

こうした行き違いがあるため、相互に不信感が残るのです。  


(ウラジミール・イシコフ)プーチンは、ロシアの破壊をもくろんでいる勢力について、語りました。かれは2度にわたるチェチェン紛争に、欧米諸国が介入し、裏でテロリストを支援していたと確信しているのです。:「プーチンの反骨精神」1前編 世界のドキュメンタリー NHKBS1 2018/03/18 


ロシアの野党政治家が、こう述べています。

チェチェン紛争は、1990年代~2010年の長きに渡って続いたロシア内戦でしたが、しょせん中国と同じで、「広大な多民族の領地を武力で支配することの非」を示しております。

自分の領土野心を棚に置いて、「テロリストである外国勢力が裏でチェチェンを支援していた」とみるのがプーチンであり、そのプーチンがテロリストなのかも知れません。


これは「内部結束をはかる」ために「外部に敵をつくる」という古典的な手法にもつながります。

  • 報道規制でもって外部に敵をつくる中国やロシアの手口
  • 社会的抹殺で内部結束をはかり、異端者を排除する韓国
  • 同時多発テロ後のアメリカでは、内部結束をはかるために外部イスラム教を敵視するようになりつつあり、それが国内イスラム教徒への警戒につながった 

先ほど2018/04/14 10:08 頃NHKBSの字幕臨時ニュースで

「トランプがシリアへの軍事攻撃を発表した」という字幕が出ました。

  • シリアのアサド大統領がテロリストなのか
  • それを支援するロシアのプーチンがテロリストなのか
  • はたまたトランプがテロリストなのか

こちらでもそのニュースが見られます。 


さてさて、皆様はどう思われますか。


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