泥沼の悲惨な内戦状態が続き、無数の難民が輩出されるシリア。
政府が「統治能力」を失い
- 外国の支援などで国内を鎮圧できると考えたシリア
- 中国共産党の弾圧で国内を鎮圧できると考えた中国
ともに、それどころではない世界情勢をより不穏にしています。
- シリアは、外国やISを利用しようとして失敗
- 中国は、外国に頼らずに国内の弾圧をして失敗
両国は似て非なる国ですが、共に「愛国」に名を借りた「全体主義」「独裁国家」という点で共通しています。
ご存じの通りシリアでは
- シリア政府軍・・・・・・露が支援
- 反「シリア政府」軍(いろいろありますが)・・・・・・米有志連合が支援
- IS・・・・・・これが米露共通の敵のはずですが
- クルド人勢力・・・・・・これがやっかいらしい
- これに近隣の大国が干渉〔シリアは、サウジアラビアと対立、イランと協力。(サウジを支援する米、イランを支援する露)〕
- まるでシリアは、朝鮮半島の瀬戸際外交そっくりですね
- これらの対立は、派遣の戦いであり宗教上の戦いではないとされますが、それがいいのか悪いのか
- まとめるとシリア内戦は、米やサウジアラビア・露やイランを巻き込んだ(巻き込まされた?)派遣争いの結果であり、その原因を互いに相手側にあるとしています。
- ここに「反イスラム」でより一層あやしい情勢をもたらしたのがトランプ
シリアとロシアは、似たもの同士ですか(笑)。
先日(2017/04/06)
「シリア政府軍が化学兵器を使用した」として初めてアメリカ軍が「初めてシリア空軍基地を空爆」しました。
一方シリア政府関係者は、「化学兵器使用を否定」しております。たまたま空爆したのが化学兵器保管場所だったのかどうか。
どちらが信用できるのか、私には分かりません。
以前から、シリア内戦や、政府軍・外国軍の空爆が原因で、数百万人もの難民が発生し
かれら国外へ脱出して大挙ヨーロッパへ向かい、ドイツが当初受け入れを表明したため、EU内は途中通過するだけで、多くがドイツへ向かったようです。
しかしその数があまりにも多すぎたこと、そして難民の中には受け入れ先になじもうとしない人がいたり、難民の中にはヨーロッパ各地でテロ事件起こす人も現れ、各国で難民受け入れを制限し始めています。
しかしヨーロッパでは、何のことはない「同地で生まれた移民2世が差別されたと感じてテロを起こす」ことが多く、移民を制限しても意味がなくなっております。
またEUあっちこっちで、中東移民に対して「情緒的に反対する政党」が支持を集め、結局「難民を受け入れる」というのがEU共通の路線とは言えなくなってきて、そもそも当初の「移民受け入れが何のためだったのか」が疑問になってきました。
フランス大統領選挙(2017/05/07)で、移民排斥を唱える極右翼政党出身のルペンが決戦投票へ進出して危ぶまれましたが、結果的に若いマクロンが新大統領になりました。
難民を受け入れた結果、EUが大混乱に陥ってしまっては何にもならないのですが、そもそもなぜ受け入れようとしたのか、なぜ空爆をしたのか、今でもわかりにくいですね。
アサド政権高官「テロ組織を利する」 米国に失望と反発
しかしながら
シリア政府が、残虐に自分の国の国民を殺害していること自体、「中国人民解放軍と同じような罪」をおかしていることになるでしょう。
さらにシリア政府から支援を依頼されたロシアが、複雑な周辺事情を考えずにただ要請に従って反政府軍を「単純に空爆」していると、ISを攻撃している反政府軍まで空爆して「ISを利している」のかも知れません。もともとシリア政府がISを利用しようとして失敗したのかも知れませんが、そのシリアを利用しようとしたロシアがさらに失敗したのでしょう。
よって上記引用では「IS」とは言わずに、注意深く「テロ組織を利する」としています。
しかしこれらの混乱状態が、シリア内戦の深刻さをはっきりと表わしているようです。
さらにロシアが「米軍のシリア政府空爆は侵略行為だ」というのですが
- ロシアによる2014年03月のウクライナ領クリミア半島の武力併合は侵略ではないらしいし
- 中国が「埋め立ては近く完了する・軍事拠点化しない」といいながら着々と埋め立てを続行し、いつの間にか埋め立て地に飛行場を作り軍事拠点化しているのも侵略行為ではないらしい
- 「侵略」に関しては、みんなこのように、好き勝手に言っているだけのことで、アメリカはロシアの介入を「侵略」とし、ロシアは「アメリカのシリア政府軍空爆を侵略」とします。
シリア問題「政権交代起こる」、米国連大使が明言
トランプ政権内部でも様々な意見があり、シリアの政権交代にまで言及していなかったのが、部分的に「退陣があり得る」と言うようになってきたのでしょうか。
対シリア攻撃、米がロシアに事前通告
あとでロシアが難癖をつけるのが常態化していますが、これを避けるために事前通告していたのでしょう。
いずれにしてもシリア問題は、米露を巻き込んだ醜い争いに発展しているようで、ベトナムやアフガニスタンにならないよういつでも手を引けるようにしながらも介入する・或いは介入せざるを得なくなっているようです。
さてさて、皆様はどう思われますか。