「ゆうき」という名前がはやっていますが、その「字」に違いがあるようです。
巻 佑樹 (熊本県→名古屋グランパス)
斎藤佑樹投手(群馬県太田市→早実→日本ハム)
松井裕樹投手(神奈川県横浜市→桐光学園→楽天)
先日の2軍オールスター戦で先発しました。
松本裕樹投手(岩手県盛岡大付→ ? )
最後の裕樹は、今年2014年夏の高校野球を目指している岩手県の高校3年生ですから、知らない人がいても不思議ではありません。例によってマスメディアが「大谷を超える逸材」と持ち上げておりますが、さてどうなるやら。
とくに紛らわしいのが、松井裕樹と松本裕樹。
この他にも。紛らわしい文字「佑」と「裕」と「祐」とがあります。
九重佑三子(ゆみこ 東京都→ )
室井佑月(ゆづき 青森県八戸市→)
本田圭佑(けいすけ 大阪府→名古屋→フェンロー→モスクワ→ACミラン)
長友佑都(ゆうと 愛媛県→FC東京→ACチェゼーナ→インテル)
井山裕太(ゆうた 大阪府→囲碁棋士)
石原裕次郎(ゆうじろう 兵庫県→ )
松井裕樹投手(ゆうき 神奈川県横浜市→桐光学園→楽天)
松本裕樹投手(ゆうき 岩手県・盛岡大付3年生→ )
天海祐希(ゆうき 東京都→宝塚歌劇→ )
固有人名では読み方が、「ゆ」「ゆう」「すけ」のどれなのか、知らないと分りませんね。
岩波新漢語辞典第二版によれば
「右」がつく「佑」も「祐」も「ゆう」と読み「助ける」の意味。
「祐筆(ゆうひつ)」は
- 「右筆(ゆうひつ)」とも書き
- 貴人のそばにいて文筆にたずさわる人。記録係。
としております。
一方「谷」がつく「裕」(衣+谷)は
衣服がゆったりとしていて、からだとの間にすきまがある意。
としております。
よって、裕福、余裕、富裕層などの熟語の意味を理解できます。
ついでに京都市では、伝統に従って北からみた左右で行政区割りをしており、次のような地図になっています。
律令制度のころには
右大臣(うだいじん) 右近衛府(うこんえふ) 右近の橘
左大臣(さだいじん) 左近衛府(さこんえふ) 左近の桜
があったようで、序列が大切な制度でしょうから、どちらかが上だったのでしょうが、私は、どちらでもかまいません(笑)。
またgoo辞書では
さ【佐】
[音]サ
[訓]たすける すけ
1 わきで支え助ける。「佐幕/王佐・補佐」
2 将校の階級の一。「佐官/大佐」
3 佐渡(さど)国。「佐州/越佐」
とあり、「さ」と読ませるものの「たすける」意味らしいので、結局
「佐」も「佑」も、重要人物のそばにいた人あるいはその役職名なのでしょう。
しかしこの説では高知県の旧名が「土佐」というのがまだよく分りません。京都からみたら西(右側)ですし、「土」の「左」の意味なら、九州あたりにあるはずの「土」がつく場所も見られませんし・・・・・・。
名前に右がつくのは
高山右近(1552-1615)
戦国時代のキリシタン大名。
市川右太衛門 中村歌右衛門
歌舞伎の名跡(みょうせき)。
片山右京
大阪産業大学には縁があるそうですが、京都には関係がなさそう(笑)。
桂右團治
落語芸術協会女性初の真打ち
名前に左がつくのは
市川左團次(いちかわ さだんじ)
歌舞伎の名跡(みょうせき)。
左卜全(ひだり ぼくぜん 1894-1971)
という役者もいました。
丹下左膳
架空の剣士で、赤い女物の下着を派手に見せるので丹(赤の意味)下(下着)、そして右目が不自由で右手がないため左手で膳を扱ったのでしょうか。
立川左談次(1950- )
立川流の落語家。談志なきあと、師匠とはまったく違ったちゃんとした弟子たちがぼちぼち表に出始めていますね。
ついでに「佐」がつくのは 「左」ではありませんが・・・・・・
大佐
軍人の階級では、リビアのカダフィ(カッザーフィー 1942-2011)大佐を思い出します。なぜか「大佐」という翻訳役職名でしたが、リビアの最高位にいた毒舌家でしたね。
佐賀県
古くは佐嘉とも。