本日(2015/06/30)がIMFなどへの返済最終期限で、財政再建の方針を打ち立てられない政権に対して、もう何回もだまされ続け脅され続けたIMFなどが、追加の財政支援・支援限度上限の拡大を拒否し、いよいよ本日デフォルト〔債務不履行〕が確実となったギリシャ。
なぜ遠い日本に住む私がギリシャにこだわるかと言えば・・・・
- 似た問題が、韓国や中国でも、あり得るからでした。
ニュースを引用してみましょう。
ギリシャ首相「返済できない」初めて明らかに
ギリシャの債務問題でチプラス首相は、30日に期限が迫ったIMF=国際通貨基金への債務の返済について、「実現可能な合意に至ることができなければ、返済はできない」と述べ、ギリシャはおよそ2000億円の債務を返済できないという見方を、みずから初めて明らかにしました。
ギリシャの抱える多額の債務のうち、30日はIMF=国際通貨基金からのおよそ2000億円の返済期限となっていますが、ユーロ圏各国は27日、今月末の期限を延長せずに金融支援を終了する方針を示しています。
このため、ギリシャ政府は必要な資金を確保できず、債務を返済できない見通しとなっていましたが、期限を翌日に控えた29日、チプラス首相はテレビに出演し「返済できる唯一の方法は30日までに実現可能な合意に至ることで、それがなければ返済はできない」と述べ、IMFへの債務の返済はできないという見方を、みずから初めて明らかにしました。
その一方で、チプラス首相は「ユーロ圏各国などの債権者が、ギリシャをユーロの外に追い出してしまいたいわけではなく、そうすることもない」と述べ、ユーロ圏への残留に強気の姿勢を見せました。
また、ギリシャ政府が来月5日に実施する、財政緊縮策の賛否を問う国民投票については「結果を尊重する。何が何でも首相でいたいわけではない」と述べ、ユーロ圏各国が金融支援の条件として求めている緊縮策を、国民が受け入れる結果が出れば首相を辞任する可能性も示唆しました。:NHKオンライン 2015〔平成27〕年6月30日 5時58分
国民投票の結果、公約に反すれば首相を辞任する・・・・
とニュースは言いますが、これがチプラス首相の常套手段だと思われ、国民投票をするという強硬手段さえ、締め切りぎりぎりになって打ち出し、「必ず期限までに資金援助されるはず」と楽観していたチプラスだったようです。もうダメでしょうね。
7月5日に実施されるギリシャ国民投票の結果
- 国民が財政緊縮を受容した場合
これはギリシャ国民が、EU残留を望み財政緊縮に同意〔チプラス首相の公約を拒否〕した場合ですが、それはつい最近の選挙でチプラス左派政権を選んだことに明らかに反します。「財政緊縮」を拒否する首相を選びながら、資金援助中止と威嚇されると「財政緊縮」に鞍替えするとは思えません。
しかし、実際にギリシャ国民が豹変してチプラスを見限ったとするなら、チプラスの「心地よく巧みな」弁説に国民がだまされたということでしょうか。5ヶ月間で大きな痛みを伴う学習をした、と言えます。
この決定はもちろんギリシャ国民の意志によるものですが、ギリシャのEU残留意志表明とは関係なく本日デフォルト〔債務不履行〕となり、ギリシャ国内はもちろんのこと、ヨーロッパ全体に、いや世界的に相当大きな影響を及ぼすと思われます。
ここではあくどい急進左派チプラスのやり口が、どうしてもひっかかります。
- 国民が財政緊縮を拒否した場合
ギリシャ国民が過激左派チプラス首相の公約に賛同した場合で、つい5ヶ月前にチプラス首相を選んだことと整合性がありますが、本日デフォルト〔債務不履行〕に陥ると同時に、ギリシャのEU離脱が現実味を帯びてくるようです。
チプラスとともにギリシャは去りぬ、となるのでしょう。
この場合、チプラス首相には続投する根拠があります。独自の政治手法で、場合によってはロシアから援助を受けるかも知れませんが、ギリシャがEUとNATOから離脱し、ロシアとの同盟に至るならば、軍事基地を認めざるを得ず、ギリシャ国民にとって相当重要な決断が必要です。同時にEUやNATOとしては再編成を求められることでしょう。場合によってはトルコのEU加盟に拍車がかかるかも知れません。過激な左派政権よりも穏健なイスラム国を選ぶという意味で。
ただし財政破綻したギリシャが、財政破綻に近いロシアに接近するとは、これまた落語のようにおもしろいですね。
ですがギリシャには、ロシア以外に経済破綻寸前の中国という相手も存在します(笑)。
破綻仲間で、どうぞお幸せに、とは言えない、険悪な国際情勢になってまいりましたが・・・・。
就任5ヶ月とはいえ、なぜチプラス首相〔在任 2015/01/26- 〕 はもっと早く国民投票をしなかったのか、その政治手腕に疑問があります。
とにかく本日深夜〔日本時間〕のギリシャのゆくえに注目して下さい。
補足:つい先ほどですがNHKニュースから〔07:20ごろ〕
チプラスが、本日30日に、双方が「実現可能な合意」にいたれば回避できる、という意味のことを言っておりました。
私は直感的にロシアのプーチンを思い出しました。北方領土問題でも同じ表現を使っています。ただしロシアの、双方が「実現可能な合意」とは、ロシアの意図を相手が認めたら、という意味であることがもう既に知れ渡っております。左派社会主義独裁に憧れる人間には自分中心の思考しかない、ことが明かですね(笑)。