自然災害が次から次へと起っています。ここでは最近ヨーロッパで起っている「洪水」を中心にまとめてみました。
日本での洪水としては
鬼怒川の堤防決壊〔千葉日報 2015/09/12〕
が思い出されます。あれもひどかったですね。周辺が水浸しになった映像がまだ脳裏に残っています。
そして、同じような浸水が、いま世界各国で起っています。
アメリカ西海岸で今年(2015年)に入って、各地で山火事が相次ぎました。500年に1度という大干ばつが起きていたのです。深刻な水不足によって、農業は大きな打撃を受けました。本来西海岸の冬は雨が多い季節です。(例年毎月60mm程度なのに)今年はほとんど雨が降らず、1月の降水量は0mm。乾燥に強いはずのアーモンドの木も、次々と枯れていきました。・・・・
おなじころ、アメリカの中部から東海岸にかけての地域は、まったく異なる異常気象に襲われていました。記録的な寒波です。シカゴでは平年を20℃下回る氷点下30℃を観測していました。ニューヨーク州は大雪に見舞われ、非常事態を宣言。各地で交通網が寸断され、都市部は大混乱に陥りました。
異変はアメリカだけではありません。イギリスでは、250年ぶりの大雨により大洪水が起きていました。平年の2倍から3倍という雨が3ヶ月にわたって降り続きました。ロンドンの近郊では、テムズ川がはん濫し市街地が浸水。多くの人が孤立しました。
:巨大災害第1集「異常気象」NHK総合 2015/06/14
1年前の特集でも「異変」が報じられていました。
アメリカ西部の干ばつ・山火事で農作物に影響があったかと思えばアメリカ東部での異常寒波、イギリスでの大洪水とテムズ川の氾濫。
そして今年2016年に入ります。
ウラル地方では、過去30年間で最悪の春の洪水被害に見舞われています。:ロシアTV ワールド・ニュース NHKBS1 2016/04/21
ロシアでも最悪の洪水が報じられました。いくぶんかの脚色はあるかも知れませんが、外交ニュースではないため、まぁまぁ信頼できる情報と言えます。
米ヒューストンで洪水、7人死亡 多数が救助待ち:2016年04月20日 12:47 発信地:ワシントンD.C./米国
テキサス州あたりでの、広範囲に渡る豪雨・雷雨が原因とされますが、なぜそんな事態に陥ったのかについては、まだわかっていないようです。
ロシア空軍が新たな「空爆」を開始 洪水対策で:2016年4月19日 10時36分配信
今年春の気温上昇が原因なのでしょうか、ロシアでも春の雪どけ時の氷塊が原因で洪水が起るとして、戦闘機による空爆を始めたようです。
氷塊を空爆することで川の水が汚染される影響と、防波堤が決壊して受ける影響、とを比較したのでしょうが、やや心配な対策だと思われます。
ドイツ南部で大洪水、4人死亡 「数時間で数か月分の雨」
5月31日 AFP】(写真追加)ドイツ南部で暴風を伴う集中豪雨で大規模な洪水が発生し、4人が死亡、約10人が負傷した。当局が30日、明らかにした。:afp 2016年05月31日 08:11 発信地:ベルリン/ドイツ
豪雨で4人死亡=堤防決壊、車流される-ドイツ南部
【ベルリンAFP=時事】ドイツ南部で暴風雨に伴う洪水が発生し、バーデン・ビュルテンベルク州の警察などは30日、4人が死亡、約10人が負傷したことを明らかにした。:時事通信 2016/05/30
ドイツ南部でも
数時間のうちに数ヶ月間の雨が突然降り、かなり大規模な洪水が発生したようです。こんな豪雨ならば、人は逃げられませんね。
- つまり海の近くでは常に津波の心配をしなければなりませんが、それを怖がって山の近くに住めば土石流(山津波)の心配があり、川が近くにあれば突然の豪雨で堤防が決壊する心配もあります。
- そして、海や山や川からずっと離れたところに住めば、今度は飲み水や灌漑水の心配があります。
- つまり、日本ではどこへ逃げても地震災害から逃れることはできず、世界中どこでも自然災害のない安全な場所はない、のでした。
地震・津波・豪雨・落雷・竜巻などの発生は避けられないとして、「いかに被害を少なくするか」を考えるほうが大切なのでしょうか。
「人が住める地球外の星を探索する」人たちもいます
近い未来にはありそうに思えませんが、万が一、そんな場所が見つかったとしても、そこが安全な場所なのかどうか、わかりませんね。
それでも地球脱出を試みる人は、あの悲惨な中国を脱出しようとする富裕難民、あるいは内戦と空爆におびえ母国を脱出する中東難民に、似てませんか。
もしも無事脱出できたとしても、みつかった定住地が安住の地である保障は、どこにもないのです。ちょうど難民たちのように。
「地球外生命体を探索する試み」もそうですね。
地球上に住む私たちですが、いまだに生命体に違いないライオン・野鳥・ヘビ・ミミズ・魚などとも、対話ができないままなのに、はたして「地球外生命体探索」の意味があるのか、ということですね。
もっと言うなら、同じ人類のはずだった中国共産党や朝鮮労働党とも、世界各国が対立したままで「対話など不可能」に近い状態ですね(笑)。
かつてほとんど顧みられることがなかった
チンパンジーなどの研究が数十年前から続いていて、ようやく近年その研究が「人間に役立ちそうだ」とわかりつつあるようです。
よって、地球外に住む場所を探したり、地球外生命体を探す試みが「まったく無意味か」と言われると、私にもまだ自信がありません(笑)。
人間が試みることの中には、今すぐに役立つかどうかわからず、かなり年月が経過して初めてわかることがあるのかも知れず、またそれを装った「研究費だけを狙うサギのような擬似基礎研究」もあるでしょうか(笑)。
欧州各地で豪雨、パリではセーヌ川が氾濫
【6月1日 AFP】欧州でフランスやドイツにかけての地域がここ数日豪雨に見舞われ、フランスでは首都パリ(Paris)を流れるセーヌ(Seine)川が氾濫したほか、地方の道路や村で浸水被害が出た。:afp 2016年06月01日
ごく最近のはなしです。
ただし 2016/06/03 05:00 のテレビニュースでは、パリの地下鉄の一部が運行を中止しルーブル美術館内の浸水可能場所から「疎開」を検討し、オルセー美術館でも危険だとされるものの、「セーヌ川が決壊・氾濫した」とは言っておりませんでした。この情報錯綜そのものが、当地での混乱を意味しています。
こちら〔時事通信 2016年6月3日(金)7時18分配信〕ではセーヌ川の一部が決壊した、となっています。とにかく危険水位に達していることだけは、間違いないのでしょう。
洪水以外の自然災害には、次のようなものがあります。
ヨーロッパのほぼ地震のない地域で相次ぐ地震:フランスでM5.2の地震、オーストリアではM4.4の地震
どちらも日本の地震の概念から見れば、大きな地震ではないですが、フランスのマグニチュード 5.2 というのは、フランスにとっては「大地震」のレベルです。
たとえば、フランスがいかに地震がないかというと、これ以前にマグニチュード 5以上の地震が起きたのが、1972年のマグニチュード 5の地震。
マグニチュード 4以上でも、2005年にマグニチュード 4.5の地震があったのが最後のようです。なので、相当に希なことではあります。:2016/04/29
ヨーロッパの「地震がほとんどないとされた場所」で、それほど大きくはなさそうな地震が、起っているようですが、住んでいる人にとっては笑い話のように聞こえますが、それはそれは恐怖でした。
もちろんそんな地域で「耐震構造」など考慮されていないでしょうから、大きな地震が起れば、ほとんどの高層建築が崩壊しそうです。
さて大丈夫なのでしょうか。
これらの話を引用していると
この世が災害だらけだと思わせ、何か厭世観を植え付けようとしているのではないか、と疑いをもったかたがいらっしゃるかもしれません。
しかし、考え方次第で人の考えは大きく変わるものです。
自然災害を避けることはできませんが、事前に準備さえすれば、被害を少なくすることはできる、はずです。
地球物理学的な地震研究という「お門違い」の基礎研究分野に「地震予知」を期待して研究費をムダに費やすような愚さえおかさなければ、これは十分に可能な範囲にある、と思われます。
地震などの基礎研究も大切ですが、それに全面的に依存するのではなく、地震・災害の予知に絞った研究にもっともっと予算を充てるべきだと主張します。
これについては当ブログ 「熊本・エクアドル」の地震〔2016年05月20日〕 を、そしてそこで引用したインタビュー記事についてはこちら〔2013年8月27日時事ドットコム 上田誠也東大名誉教授に聞く 〕を御覧下さい。
予測し被害を抑える研究と、基礎的な研究とを
- 明確に分離することが困難な分野もあるでしょうが
- 私たちの生活に直結する分野では、明確に分離する勇気が、いまこそ必要
私は、そう考えています。