EUが財政支援することで、しばらくは落着したかに見えるギリシャですが、根本的な問題がEU全体に広がる兆候をみせ始めています。
最近のギリシャ危機は、ユーロ圏内外の随所に広がる亀裂を露わにした。早く手を打たなければ通貨統合の崩壊につながりかねない状況だ。欧州の指導者にとって最も憂慮すべき兆候は、世論と国内政治の方向性がますますかい離していること。これはギリシャとドイツの関係に限ったことではない。
ドイツ、フィンランド、オランダ、バルト諸国、スロバキアの国民はギリシャ支援にこれ以上公的資金を費やすことを望んでいない一方、フランス、イタリア、ギリシャの国民は、ユーロ圏は緊縮と懲罰ばかりで連帯と景気刺激が足りないと感じている。:ロイター 2015年7月21日
とにかく、統合に向かっての意見対立を解消することが優先されたため
- 決めていなかったEU離脱条項を早期にまとめること←自分が離脱するかも知れないことを真剣に考えられるかどうか
- EUの政治組織として「議会」・「閣僚理事会(各国閣僚による会合)」・「欧州理事会(各国首脳による会合)」などがあるものの、EU加盟国がすべて通貨ユーロを採用している「ユーロ圏」とは限らないので、融資の条件を決める作業のためにもまとめ役としてのユーロ圏の財務官庁〔EUとは異なる〕も必要らしい
- EUの民主的運営を更に進める
分りにくいことなので、Wikipediaから引用してみます。
- EU誕生:1993年〔2014年現在満21歳〕
- EU加盟:28カ国〔2014年現在〕
- EU加盟国で通貨ユーロを使用:19カ国〔独・仏など〕
- EU加盟国なのに通貨ユーロ非使用:9カ国〔英・デンマークなど〕
- EU非加盟国なのに通貨ユーロを使っているのがモナコ・バチカンなど
経済統合の経緯から
- EU域内の富める地域からそうでない地域への、一定の割合の資金移動は避けられない
- なぜならば、経済統合の一番の受益者は富める地域のはずだから
という考え方もあるでしょう。
もしもEUが一部でも瓦解すれば、
- イスラム圏からの移民問題も含めて、再び対立が蔓延する混迷地域に転落し、ある地域にピンポイントで深刻な問題が浮上するかも知れません。そしてその芽は現在すでに一部で見られます。
- ギリシャのEU離脱が当面なくなったとしても、仮にドイツがその尊大さを理由に離脱に至ったとすれば、残りの中から再び「次のドイツ」を探して離脱させかねず、EUは自然崩壊の道をたどることでしょう。
ということで私は
巨大な経済圏をつくり日本などのアジア勢やアメリカなどに対抗してきたEUですから、なんとか重大な困難を乗り越えて、継続・発展してもらいたい
と願っております。