カンムリワシ、ワシは名ばかり、言うばかり

20年前探せばカンムリワシがいて、10年前そこにはカラスがいて、いま両方ともいません。よって最近ではそれ以外の話題に。

ギリシャの醜聞 05

2015年07月01日 04時55分43秒 | 海外

ただいま、日本時間では2015年7月1日になっております。

  • ヨーロッパでは、6月30日が終わろうとしている時間帯ですね。
  • さてギリシャの債務問題はどうなったのでしょうか。深夜ゆえに情報が少ないのが心配ですが。

先ほど日本時間7月1日02時のニュースがありました。


ユーロ圏、緊急会合開催へ=ギリシャの新提案議論-デフォルトの公算

【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)ユーロ圏財務相会合のデイセルブルム議長(オランダ財務相)は30日、ギリシャ金融支援問題をめぐり、同国政府から受け取った新たな提案を議論するため、同日夜(日本時間7月1日未明)に電話会合を開くと明らかにした。現行支援は30日の打ち切りが決まっており、EUは新たな支援交渉に入る可能性を探っているが、同日の会合で歩み寄れるかは不透明な情勢だ。

ギリシャ政府は現行支援の打ち切りをにらみ、債務再編を含む2年間の支援計画案をEUなどの債権団に提案。さらにこの支援が実行されるまで、現行支援を延長するよう求めた。:時事ドットコム 2015年(2015/07/01-01:02) 


まだ駆け引きが続いているようです。

どんな仕組みを考案しても、人はその欠点・盲点を突いてことを有利に運ぼうとするものです。

EUに関しては、加盟に関しては徹底した条項があるようですが、離脱や除名に関する条項があいまいらしく、ギリシャの過激左翼政権はこれを巧みに利用している、そういう印象が残っています。

債務返済ができないまま

  • EUやIMFからの支援が延々と続き
  • EUが更なる支援の引き替え条件としてギリシャに緊縮財政を要求するも
  • これを拒否し続け、放漫財政を改めようとしない過激左翼政権は7月5日に国民投票をすると突然発表
  • それでもそんな手に乗るかと反発したEU
  • ぎりぎりの段階に至って、ギリシャ政府は国民投票直後までの1週間ほど銀行の業務を停止に
  • EUは引き続きの支援予定を変更し、ギリシャのデフォルトが決定的になったと思われた最終日の30日
  • この日に、ギリシャがまたまた新たな提案をしたらしい。間に合うのかどうか不明で、今の段階でどういう提案か、その詳細は不明ですが、新提案とひき替えに2年間の支援延長を要求したらしい。またまた支援を継続させるために新しいごまかしテクニックを編み出した懲りないヤツラか(笑)。
  • ヨーロッパやギリシャ時刻では、いま30日の夜ですが、はたして何らかの進展があったのかどうか。
こういった支援問題で私は、ついつい北朝鮮とギリシャを比較してしまいます。
両国の歴史的背景も国際情勢もまったく異なることは明らかでして、国民に心地よい公約を掲げて政権を取ったチプラス首相と、国民などどうでもよく金一族だけが栄えればいいという北朝鮮を、同一視点で論じることはできません
しかし一方では、両国に類似点がないとも言えません。

一つ言えることは、なんとまた支援される側の姿勢が高すぎるのかということ。
支援する側のでかい態度の裏返しだとも言えますが、「だます」ことについては、自分が世界中で一番「賢い」と自認しているとも受け取れる両国が気になります。

ご存じの通り朝鮮半島では、儒教精神が健在であり、妙な序列意識が働いています。
かつて金大中時代の韓国が北朝鮮へ資金を支援したときにも
北朝鮮は韓国からの援助を受けてあげる
という姿勢をもったことを忘れてはいけません

これは微妙な翻訳の問題でもありますが、同時にその地域特有の微妙な「序列意識」が関係しています。
たとえば、誰かから援助を受けたとしますと、言葉では感謝を示していながら、態度のほうは「援助を受けてあげている」という威張ったものになってしまう。こうなると日本人は、言葉と態度が裏腹じゃないか、なんて生意気な奴なのかと感じることになるんです。このようなことは国民性の問題として、一番根本的なことです。

相手への感謝や謝罪の気持ちを、日本人はペコペコ頭を下げる態度で、しつこいくらいに示しますね。韓国人にはそういう態度は卑屈な態度と映るんです。何か援助を受けても、相手が自分に援助して当たり前だと思えば、感謝すらしません。だから、日本がいくら韓国に援助をしても、感謝の意を示そうとしないんです。:呉善花「やっかいな隣人 韓国の正体」祥伝社黄金文庫


つまり

情緒には地域ごとに異なる性質があるため「高慢な態度だ」として「情緒的反応に情緒的に反発」していてはいけない、ということです。

これを防ぐために、厳密な協定が必要ですが、交渉段階で常に「情緒的な反発の余地」を残しておこうと譲りません。もし譲らざるを得なくなっても、後日、協定の不備をつき徹底的に反論する始末で、何かに向って協調するという姿勢を見せることはあり得ません。

北朝鮮とギリシャには、「妙な独善性」という共通点が見られます。どこにでも誰にでも独善性はある、と反論する人もいますが、それが桁違いに大きすぎる、とここでは主張しております。
もともと支援を受ける側には、特有の問題があろうかと思われますが、
少なくとも現段階では、独善性という左翼政権により顕著な特色を、ギリシャと北朝鮮はもっている
と言えそうです。
この国を、つぶせるものなら、つぶしてみろ
と背水の陣を敷いているならば、不幸なことと言えます。

収入の範囲内で生活するのが基本であり、放漫な生活を続けながら、破綻の責任を自分ではなく外部に求めるなら、これまた残念な姿勢です。

フランスにおいて、左翼は国家を裏切り、右翼は国民を裏切る。(シャルル・ドゴール):P.233 ジェローム・デュアメル(吉田城訳)「世界毒舌大辞典」大修館書店

 さてギリシャでは
  • 左翼政権陣営が頑張って国家を裏切るのか、国民投票で右翼陣営が頑張って国民を裏切るか。
  • すでに左翼政権はあきらかに国家を裏切っていますが、7月5日の国民投票でどうなるか、
ということです。
北朝鮮ではどうか。
政権が国家を裏切って、相当の年月を経過していますが未だ変化がなく、国民がどんどん疲弊する一方です。
そして国民は、そう、裏切るも裏切らないも、もう蚊帳の外でした。
こういった違いも含めて、7月5日のギリシャ国民投票の結果を待ちたいと思います。
  • 国民投票の争点は「EUが要求する財政緊縮を受け入れるかどうか」であり、「EUを離脱するかどうか」ではありませんが、受け入れない場合、いくら左翼政権が「自らEU離脱はしない」とがんばっても、安保問題を考慮しながらもギリシャのEU離脱・除名の方向へ向かわざるを得ないと思われます。
  • そうしないとEUの内部統一が保たれないからでした。
  • 朝鮮半島の北朝鮮と韓国には違いがあるでしょうが瀬戸際外交を続けているという点では一致しており、ギリシャの瀬戸際外交がどうなるか、と共に目を離せません。