窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

大相撲五月場所14日目(2015)

2015年05月24日 | スポーツ観戦記


  昨日、大相撲五月場所14日目の観戦に行ってきました。13日目時点で、7連覇に挑む横綱・白鵬が珍しく2敗。にもかかわらず、追走する力士も揃って敗れるなど、今場所も「終ってみれば白鵬か…」と思わせる、やや興醒めした中で迎えた14日目でした。



  しかし、昨今の大相撲人気回復を反映してか、十両の取り組みからすでに沢山のお客さんが国技館に詰め掛けていました。今回は升席の前と隣のお客さんが、いずれも相撲に詳しく、会話が盛り上がって楽しかったです。



  さて、国技館入りして最初の取り組みは、東十両十枚目の阿武咲(おおのしょう)と同五枚目、鏡桜と並び十両優勝争いの先頭(10勝3敗。以下、13日時点の成績)を行く秀乃海の対戦。勝負はあっけなく、立会いからの突き落としという注文相撲。ともあれ、秀乃海は11勝3敗。鏡桜も勝ったため、優勝は千秋楽に持ち越されました。



  西五枚目、体重なんと203kgsの天風と東十三枚目、体重125kgsの軽量力士、阿炎(あび)。体重差、実に78kgsの取り組みです。しかし、軽量の阿炎が師匠の錣山親方(元・寺尾)を髣髴とさせる回転の良い突っ張りで天風を押し出し。星もこれで7勝7敗の五分、千秋楽に勝ち越しを賭けます。四股も高く上がり美しく、幕内に上がればさらに人気が出てくるでしょう。楽しみな力士です。



  2006年に「伝え反り」というイナバウワーのような珍しい決まり手を披露、昨年初場所では一本背負いも決めるなど、珍しい技の数々で人気の東四枚目、里山。一方、僕が以前から推しており、既に8勝5敗で勝ち越しを決めている、同十枚目の旭日松。しかし、この日は里山の技も旭日松の圧力に封じられ、押し倒し。しかし、里山も既に勝ち越しを決めており、来場所の幕内復帰も見えてきました。



  身長192cm、体重155kgsという恵まれた身体、端正な顔立ちと懐の深さは元・琴の若(佐渡ヶ嶽親方)を思い出させます。将来を嘱望されながら今ひとつ足踏みの続く、西四枚目、輝。一方、身長173cm、体重112kgsという小兵の東十一枚目の石浦。取り組みは、これぞ小兵が大型力士に対抗するお手本とも言うべき、相手の懐に潜り込んで下からの突き上げを石浦がみせ、輝を押し出し。8勝6敗で勝ち越しを決めました。輝は考えすぎてしまうのか、メンタル面に課題があるように見受けられました。



  十両の取組が終わり、中入。幕内土俵入り。人気力士が次々と登場し、館内が沸き立ちます。

 

  横綱、日馬富士(写真左)、白鵬(写真右)土俵入り。



  僕と一つしか違わない、今年41歳を迎える大ベテランの西前頭十四枚目、旭天鵬。対するは体重200kgsの同七枚目、佐田の富士。取り組みは、肩透かしで旭天鵬の勝ち。今場所負け越せば十両陥落、引退を匂わせていた旭天鵬でしたが、これで8勝6敗と勝ち越しを決めました。おめでとうございます!



  東前頭十一枚目、平幕ながらここまで10勝3敗と白鵬を追走する、ブラジル出身の大型力士、魁聖。一方、一時期怪我で十両に転落しましたが、復帰後は持ち前の力強さに上手さも加わってきた西前頭筆頭、ジョージア出身の栃ノ心。魁聖194cm、栃ノ心も192cmの長身ですが、頭をつけ左をおっつけながら右のかいなを起こして魁聖の上体を上げ、最後は素早く左前褌を取って一気に寄り切り。非常に上手い相撲を見せました。栃ノ心は8勝6敗となり、勝ち越し。来場所の三役復帰が見えてきました。一方、魁聖は4敗となり優勝争いから一歩後退。



  序盤は4勝1敗、中盤では照ノ富士を破るなど活躍した西前頭四枚目の徳勝龍でしたが、上位には歯が立たず、結局5勝8敗と負け越してしまいました。対する東小結の栃煌山も既に6勝7敗と後がない状態。取り組みは肩透かしで栃煌山が星を五分としました。しかし、人気力士の栃煌山もこのところすっかり存在感が薄くなり、それを反映してか幕内土俵入りの際も拍手が少なく寂しい感じがしました。気がつけば28歳、今一度奮起して欲しいです。



  白鵬を追走する3敗力士の一人、東前頭十枚目の勢。昨年、鮮烈な幕内デビューを果たし、三役には止まっているものの、同期の照ノ富士に差をつけられている西小結、逸ノ城。取り組みは重い身体を生かした逸ノ城が勢を寄り切り、星を7勝7敗の五分としました。しかし、逸ノ城はちゃんと稽古をしているのか、いないのか、相撲に余り進歩が見られない気がします。



  白鵬追撃の筆頭、今場所の成績次第では来場所の大関昇進の可能性もある、東関脇、照ノ富士。対するは7勝7敗と後がない西関脇、妙義龍。取り組みは照ノ富士が妙義龍を圧倒して押し出し。優勝への望みを繋ぎました。



  結び前、14日目の大一番を迎えました。東横綱、白鵬と東大関、稀勢の里。稀勢の里は12日目照ノ富士、13日目日馬富士に連敗して4敗に後退してしまいました。しかし、ここ数場所は白鵬が連勝しているとはいえ、かつては白鵬が最も苦手としたのが稀勢の里。優勝争いを盛り上げるためには、自ずと稀勢の里に期待がかかります。

  そして立会い。白鵬が稀勢の里を一気に土俵際まで詰めます。ところが、土壇場で稀勢の里が見せた突き落としに、何と白鵬がバッタリ。白鵬が前に落ちること自体珍しいことなので、館内は何とも形容しがたい騒然とした雰囲気に包まれました。白鵬の3敗は昨年の春場所以来。

  千秋楽、万一白鵬と照ノ富士が敗れ、4敗力士が勝ったとすると、4敗力士8人での優勝決定戦という前代未聞の事態となります。やや白けた雰囲気の中で迎えた14日目でしたが、予想だにしない千秋楽を迎える、大相撲五月場所でした。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした

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