窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

実践型パーパス経営ラボ第9回勉強会に参加しましたー静岡県伊東市

2023年10月10日 | その他


 今年の1月から参加させていただいている、本業を通して社会の持続可能性を高めながら稼ぐ力を高める経営を探求する、「実践型パーパス経営ラボ」の第9回勉強会が、静岡県伊東市の古民家で行われました。



 正確に言うと、現代的な住宅の内装に囲炉裏や和室など古民家の資材を移築した施設で、「未来を作る人たちが集う場所として使って欲しい」という家主さんのご厚意で、今回開催の運びとなったそうです。木々に囲まれた静かな場所で、お風呂からは遠く海も臨めます。



 さて、勉強会は株式会社オーザック代表取締役西山基次さんによる自社のパーパス(社会における存在意義)およびコア・バリュー(核となる価値観)設定と、その社内共有した際の事例発表。連結金具や産業用吊り具等、金属加工、ステンレス加工を得意とする、広島県福山市にある創業70年の会社です。今回の会場の近くでは、静岡県三島市にある日本最長の吊り橋、「三島スカイウォーク」のワイヤーソケットにもオーザックの製品が使われているそうです。

 株式会社オーザックは西山さんの奥様の家系の会社で、三代目にあたるそうです。昨年6月に代表に就任し、パーパスとコアバリューを設定したのが今年の8月になります。従来も会社に「社是」・「経営理念」というものはありましたが、それらを改めて「パーパス」・「コアバリュー」として再定義した形です。

●社是
未来の可能性にチャレンジする
●経営理念
地域社会への貢献と使命
顧客第一主義の姿勢と顧客創造
全社員の幸せと自己規範の育成

●パーパス
人の力で、支えるを創造し、社会を調和させる
●コア・バリュー
全体視点で行動する
多様性を尊重する
変化とチャレンジを楽しむ
あたり前以上を提供する

 従来との違いは、より社会的存在意義が分かりやすく打ち出されたことですが、お話を伺っていて印象的だったのは、「支える」という事業ドメインが明確にされたこと、コア・バリューは、核心的価値観という名の通り、自社が辿ってきた70年の足跡を具に振り返り、そこに非明示的ながらも一貫して流れていた価値観を整理し、明示しているという点です。つまり、それらは代が変わっていきなり現れた価値観ではなく、既に会社の中で脈々と受け継がれ、事業を通じて表現されてきたものなのです。



 その上で、西山さんはご自身の人生も振り返り、自分が何を大切に生きてきた人間で、それがどのようにパーパスやコア・バリューと結びついているのかも整理して伝えられています。同じ価値観を共有していても、それを表現していくかには、少なからず歴代経営者の個性や時代感覚が反映されるでしょう。それを明確に社員に伝えることで、新たに設定されたパーパスやコア・バリューが、経営者本人とはかけ離れた単なるお題目でないことが明らかになるでしょう。何のために、どうして、そしてどこへ向かうのか?



 そして夜は囲炉裏で炭をおこし、バーベキュー。



 翌朝は手打ちの二八蕎麦、十割蕎麦もいただきました。とてもリラックスできる環境で、価値観を共有できる仲間たちと頭もお腹も満たす、とても贅沢な時間でした。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした

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