先日に投稿した通り、つくば~東京間を電車とバスで往復した。
果たして、どちらに乗るべきか。比較検討してみたい。
【背景】
今年8月24日に秋葉原とつくば駅を最短45分で結ぶ夢の電車・つくばエクスプレス(以下TX)が開業した。つくばは研究・学園都市として発展しており、また筑波山を抱える観光地でもあり、東京との人の移動はかなり多かった。TXが開業する前はこの交通をほとんどすべてを東京駅から出る高速バスが担っていた。その需要はかなりのもので、朝夕10分、日中でも12分ヘッドというフリークエントサービス。繁盛な需要を受けて15メートル総2階建ての長大バス「メガライナー」が導入されたことはまだ記憶に新しく、導入当初は周囲に大きな衝撃をもたらした。しかし、TX開業後はその影響をもろに受ける形で11月に大減便、終日20分間隔の運行となっている。
【運賃】
秋葉原~つくばのTXは1150円。バスもそれにあわせて1150円に値下げして対抗。その後さらに1週間有効の往復割引券を1700円で発売、片道あたり850円とTXより割安感をアピールしている。
【便数】
以下すべてつくば発で検討してみる。高速バスは前述の通り、終日20分間隔。TXは区間快速と快速をあわせて日中一時間当たり4本、朝夕は最大1時間あたり5本。一番時間があいて25分である。本数的にはTXに軍配があがるようだ。しかしバスは毎時00、20、40分とかなりわかりやすいパターンダイヤ。利用客にとっては覚えやすいだろう。
【快適】
高速バスはごくごく一般的なバスで4列シートがずらり並ぶ。TXは一部車両にクロスシートが取り入れられているほかはロングシートと、通勤電車としての色合いが強い。どちらが快適かは個人差があるだろうが、バスには確実に座れる、という安心感がある。TXもクロスシート部分は一人当たりの占有面積が一般よりも広いなど、長時間乗車に対応する。
【所要時間】
TXは快速45分、区間快速52分。一方のバスは70分前後。これに付随して定時性の問題が生じるが、論を待たず電車の定時性にバスがかなうはずがない。専用のレールを走る電車と、混雑の激しい首都高や常磐道を走るバスとで定時性を語るのはそもそもありと象ではどちらが大きいか?という愚問に匹敵する。残念ながら道路状況に左右されるバス。その所要時間は2時間を越すこともあるという。もちろんTXも雪や大雨、事故等の影響を受けるだろうがそれでも日本の鉄道の定時運行には絶対の信頼がある。
【発着地】
東京側でみると、高速バスは東京駅と上野駅(平日の降車専用)、TXは秋葉原を始発に浅草、北千住がある。東京でこまめに幅広いエリアで集客するTX。そして、東京駅という各新幹線・東海道線や横須賀線などが乗り入れる一大ターミナルを拠点にダイレクトに発着する高速バス。利用価値の高い駅はそれぞれ人によりけりだろうが、TXの各停車駅はより多くの人にとって乗り換えなど利便性を高めてくれることだろう。
一方のつくばサイドでは始発のつくば駅はすぐ隣で近接している。TXは研究学園の駅でつくば中心部から少し離れたエリアをカバーできる。高速バスはつくば発車後、並木町など、より市内中心部に近い人口の多いエリアで数箇所のバス停を設置、、駅から離れたところで客をダイレクトに東京と発着させることができる。わざわざつくば駅までバスで移動してTXに乗り換えるより時間的にもコスト的にも有利な条件で客を運べる。
以上、いろいろな側面から比較検討してみた。
結論からいうと、バスはある程度の付加価値をつけないとTXと張り合うことができない、ということだ。やはり確実に45分、という定時性はかなりのアドバンテージ。今まで時間のよめない高速バスにたよってきた沿線のひとたちにとってみればそのアドバンテージはひとしおだろう。
ではどうバスが対抗できるか。時間で勝てない以上、別の付加価値を見出すことが必要だ。
1.安さ
前述の通り、一週間有効往復割引券を利用すれば片道850円、TXより300円安く移動できる。鉄道に対抗する上で、運賃の安さで勝負することは日本全国どこでみても常套手段。時間がかかってでも、安く移動したい、というニーズは十分に存在するとおもわれる(各地の割安な昼行長距離バスの台頭がそれを証明する)。一週間という期限撤廃や、双方向利用可能な高割引率の回数券の設定、学割料金が望まれる。安さ、という価値は十分に客を魅了する。
2.バス停
道路上、どこでも比較的簡単に設置できるバス停。特に駅から少し離れた住宅地や筑波大学など、人口の多いエリアでのこまめな集客は欠かせない。乗り換えなしでダイレクトに移動、は荷物の多い人や高齢者、疲れた人などにとっては魅力的である。
3.居住性
つくば~東京間においては上記の通り、メガライナーという長大バスが投入されている。TX開業前は大量輸送を主眼に、座席を限界まで車内にところ狭しと並べたが、いまではその大量輸送としての役割は薄い。この広い車内を有効につかえないだろうか。車内改装をし、一人の占有面積の増加(3列シート化など)、あるいは休憩スペースの設置などによって移動の時間の居住性をアップさせれば、通勤電車の狭い車内ではなく、優雅に移動したいという需要を取り込むことができそうである。一般の車両においても同様に、3列シート化などで快適さを追求すれば、電車のグリーン車的存在として、新たな価値を提供し、需要を吸収できるのではないだろうか。
以上つくば~東京駅を往復して、稚拙ながらふと考えたことを述べてみた。まだまだ今後も目が離せない区間であることは間違えない。
果たして、どちらに乗るべきか。比較検討してみたい。
【背景】
今年8月24日に秋葉原とつくば駅を最短45分で結ぶ夢の電車・つくばエクスプレス(以下TX)が開業した。つくばは研究・学園都市として発展しており、また筑波山を抱える観光地でもあり、東京との人の移動はかなり多かった。TXが開業する前はこの交通をほとんどすべてを東京駅から出る高速バスが担っていた。その需要はかなりのもので、朝夕10分、日中でも12分ヘッドというフリークエントサービス。繁盛な需要を受けて15メートル総2階建ての長大バス「メガライナー」が導入されたことはまだ記憶に新しく、導入当初は周囲に大きな衝撃をもたらした。しかし、TX開業後はその影響をもろに受ける形で11月に大減便、終日20分間隔の運行となっている。
【運賃】
秋葉原~つくばのTXは1150円。バスもそれにあわせて1150円に値下げして対抗。その後さらに1週間有効の往復割引券を1700円で発売、片道あたり850円とTXより割安感をアピールしている。
【便数】
以下すべてつくば発で検討してみる。高速バスは前述の通り、終日20分間隔。TXは区間快速と快速をあわせて日中一時間当たり4本、朝夕は最大1時間あたり5本。一番時間があいて25分である。本数的にはTXに軍配があがるようだ。しかしバスは毎時00、20、40分とかなりわかりやすいパターンダイヤ。利用客にとっては覚えやすいだろう。
【快適】
高速バスはごくごく一般的なバスで4列シートがずらり並ぶ。TXは一部車両にクロスシートが取り入れられているほかはロングシートと、通勤電車としての色合いが強い。どちらが快適かは個人差があるだろうが、バスには確実に座れる、という安心感がある。TXもクロスシート部分は一人当たりの占有面積が一般よりも広いなど、長時間乗車に対応する。
【所要時間】
TXは快速45分、区間快速52分。一方のバスは70分前後。これに付随して定時性の問題が生じるが、論を待たず電車の定時性にバスがかなうはずがない。専用のレールを走る電車と、混雑の激しい首都高や常磐道を走るバスとで定時性を語るのはそもそもありと象ではどちらが大きいか?という愚問に匹敵する。残念ながら道路状況に左右されるバス。その所要時間は2時間を越すこともあるという。もちろんTXも雪や大雨、事故等の影響を受けるだろうがそれでも日本の鉄道の定時運行には絶対の信頼がある。
【発着地】
東京側でみると、高速バスは東京駅と上野駅(平日の降車専用)、TXは秋葉原を始発に浅草、北千住がある。東京でこまめに幅広いエリアで集客するTX。そして、東京駅という各新幹線・東海道線や横須賀線などが乗り入れる一大ターミナルを拠点にダイレクトに発着する高速バス。利用価値の高い駅はそれぞれ人によりけりだろうが、TXの各停車駅はより多くの人にとって乗り換えなど利便性を高めてくれることだろう。
一方のつくばサイドでは始発のつくば駅はすぐ隣で近接している。TXは研究学園の駅でつくば中心部から少し離れたエリアをカバーできる。高速バスはつくば発車後、並木町など、より市内中心部に近い人口の多いエリアで数箇所のバス停を設置、、駅から離れたところで客をダイレクトに東京と発着させることができる。わざわざつくば駅までバスで移動してTXに乗り換えるより時間的にもコスト的にも有利な条件で客を運べる。
以上、いろいろな側面から比較検討してみた。
結論からいうと、バスはある程度の付加価値をつけないとTXと張り合うことができない、ということだ。やはり確実に45分、という定時性はかなりのアドバンテージ。今まで時間のよめない高速バスにたよってきた沿線のひとたちにとってみればそのアドバンテージはひとしおだろう。
ではどうバスが対抗できるか。時間で勝てない以上、別の付加価値を見出すことが必要だ。
1.安さ
前述の通り、一週間有効往復割引券を利用すれば片道850円、TXより300円安く移動できる。鉄道に対抗する上で、運賃の安さで勝負することは日本全国どこでみても常套手段。時間がかかってでも、安く移動したい、というニーズは十分に存在するとおもわれる(各地の割安な昼行長距離バスの台頭がそれを証明する)。一週間という期限撤廃や、双方向利用可能な高割引率の回数券の設定、学割料金が望まれる。安さ、という価値は十分に客を魅了する。
2.バス停
道路上、どこでも比較的簡単に設置できるバス停。特に駅から少し離れた住宅地や筑波大学など、人口の多いエリアでのこまめな集客は欠かせない。乗り換えなしでダイレクトに移動、は荷物の多い人や高齢者、疲れた人などにとっては魅力的である。
3.居住性
つくば~東京間においては上記の通り、メガライナーという長大バスが投入されている。TX開業前は大量輸送を主眼に、座席を限界まで車内にところ狭しと並べたが、いまではその大量輸送としての役割は薄い。この広い車内を有効につかえないだろうか。車内改装をし、一人の占有面積の増加(3列シート化など)、あるいは休憩スペースの設置などによって移動の時間の居住性をアップさせれば、通勤電車の狭い車内ではなく、優雅に移動したいという需要を取り込むことができそうである。一般の車両においても同様に、3列シート化などで快適さを追求すれば、電車のグリーン車的存在として、新たな価値を提供し、需要を吸収できるのではないだろうか。
以上つくば~東京駅を往復して、稚拙ながらふと考えたことを述べてみた。まだまだ今後も目が離せない区間であることは間違えない。
この波崎線、自由席だからいけないのですね。勝手にどこでも座れちゃうのですね。誰からの干渉もなく。
今回もこれで行くのかな