BUZ LIFE

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九州一周旅行4日目

2006年09月14日 | Weblog
5:50、けたたましいサイレン音で目を覚ます。ジリジリ鳴っている正体は、部屋の中にある火災報知機のようだ。なんで?非常に眠いので現実を把握しきれない。火事なのか?そういえば昨夜、ドライヤーのコンセントを入れたときなにか火花が散ったが、それが火種で・・・。悪いことしちゃったな。とりあえず音量を一番下にしてみるものの、音は消えてくれない。さすがは報知器だ。なす術がなくそのままじっとしていると、しばらくして鳴り止んだ。部屋の外を見ても煙は出ている様子はない。しかも隣の部屋からはトイレを流す音。火事で避難する前にトイレに行く悠長な人はそういないだろう、ということで誤報と結論付け、再び眠る・・・。

6:10、今度は平和な目覚ましの音で目覚めた。火災は発生してないようだ、騒がなくて正解。昨日、あまりにも多い鹿児島のバスをまだ見足りない感じがしたので、チェックアウトをする前に散歩がてら、朝の繁華街を歩いてみる。まだ7時台、さすがに天文館の人影はまばらだったが、朝からバスは元気に走っている。いや、ものすごい量だ。数珠つなぎに5台連続でやってくる。その後ろにはすぐまたバス。3車線中1車線がほとんどバスで埋め尽くされている。素晴らしい光景に、感動を隠し切れない。並行して、路面電車も走っている。思うに、路面電車がある街は総じてバスの台数も多い気がする。先日訪れた熊本然り、広島然りである。会社数も多く、路線も多岐にわたっている。路面電車とバス、併走する区間もあるが、それでも路面電車がない街に比べ、バスも発達しているように感じられる。公共交通機関が強い街になるのだろうか。

1時間くらいで朝の散歩を済ませ、8:30頃チェックアウト。フロントの係員から今朝の報知器について謝罪がある。やはり誤報だったようだ。

先ほどぶらついていた天文館のバス停で8:54発宮崎行き高速バスを待つ。待っている間も市内路線バスがひっきりなしにやってくる。それらのバスに混じって、8:54ちょうどくらいに宮崎交通の宮崎行きバスがやってきた。始発バス停だが、路上のためかぎりぎりの入線である。自分のほか、サラリーマンと若い女性も乗り込み発車。オレンジ一色のシート、シートピッチも広く快適。鹿児島中央駅前から4名が乗り込み、鹿児島市内をあとにする。バス王国鹿児島との別れはさびしい。

高速に入り、途中鹿児島空港により、5名の乗車。若い女性二人は車内に入るやいなや「意外と普通のバスだね~」。どんなバスを期待していたんだろう?高速道路は順調そのもので、走行車線を維持しながらも着実に宮崎に向け進んでいく。高速道路上にもいくつもバス停が設けられており、車内放送で案内が入る。「あと7分ほどで、次は~に停車します。」と分単位で細かい案内。10:35、霧島SAで途中休憩。ずっと車内に座っていては息がつまるので、外の空気を吸いに車外へ。長距離路線ではないが、このようなちょっとした休憩はありがたい。標高は高いようで、周りは山々で囲まれている。当初、この霧島経由で宮崎に向かう予定であったが、霧島~宮崎間のバスが廃止の憂き目にあっていたので、直通の高速バスに乗っているのである。

再び高速道路に戻り、安定した走行が続く。どこから来たのか、同じ宮崎交通の高速バスが途中のインターから合流してきた。と、なぜか自分の乗っているバスはスピードを少し上げた。逃げるのか?逃げの体勢なのか?実際、途中のバス停に止まりながらも、そのバスに抜かされることはなかった。

高速をおりると宮崎市内。中央分離帯に植え込まれた背の高いフェニックスの木が迎えてくれ、宮崎に来たことを実感する。市内でもいくつかバス停にとまりながら、終点宮崎駅前に11:50定刻に到着した。駅前にもフェニックスの木が植わっているが、大きな駅ビルなどがあるわけではなく、そう栄えている感じはしない。ここで簡単に昼食を済ませ、駅前のバスセンターに向かう。ここで、これから乗る青島~宮崎間の時刻表をいただく。係員はみなアロハシャツみたいなカラフルな服を身にまとっている。南国宮崎らしさが出ていて、感じがよい。

12:50、青島行きのバスは自分ひとりを乗せて発車。途中市内中心部、宮交シティなどを経由していくうちに車内もにぎやかになってきた。ひたすら市内の一般道を走行。早く日南海岸の海が見たい、と思っていたらちらちらと海が見え始めたところで青島バス停到着。ちょうど団体の客とかぶってしまったようで、結構人が歩いている。

ちょっとした商店街を抜けるとすぐに海岸に出る。目の前に青島。太陽がサンサンと輝く日南海岸・・・を期待していたがあいにくの曇り空で海もそれにつられてか灰色に近い色をしている。弥生橋(?)を通り、青島にわたる。すぐに海で侵食され、奇怪な形をした洗濯岩が広がる。その名の通り、洗濯板のように、縦方向にギザギザした感じの岩。近くまで行き、浅瀬の海をみてみると・・・いるわいるわでヤドカリさんがいっぱい!天然のヤドカリを見たのは初めて。みなさん思い思いの家をみつけてそれを背負ってどこへ行くのかせわしく移動している。見ていて飽きなかったので、子供のようにずっと海の中を覗き込んでしまった。

少し歩くと青島神社。キャンプの際に書いたのか巨人軍の願掛けの絵馬が飾られている。皇族も訪れる、由緒ある神社のようだ。神社をあとにし、そのまま島をぐるっと一周してみる。10分くらいで回れる小さな島だ。あたりに人は見られず。波が打ち寄せる音が耳に心地よく響く。一周して、先ほどの橋まで戻ってきたところで親子連れが海辺を覗き込んでいる。負けじと近づき、再びヤドカリ観察。今度はカニまでいて、親子連れはみつけては喜んでいる。

商店街まで戻ると団体は去ってしまったようで、今度はさびしいくらいに人がいない。みやげ物屋も閑古鳥が鳴いている。かわいそうだったので、日向夏という柑橘系が入っている(であろう)飲み物を購入。後で飲んでみると、甘くておいしかった。さらに、路上にいたおばさんに勧められて、100円でパイナップルを購入。冷凍してあり、その場でいただく。こちらも甘くておいしかった。この辺で獲れるのかと尋ねてみると、小規模に作っている家もあるけど、今はおいしいのがもっと南のほうからくるからね・・・と言葉を濁す。おばちゃんのは宮崎産でなかったのか・・・。

14:57、宮崎行きのバスに乗る。車内はおばさん・おばあさんばかりだ。15:33、ダイエーなどが入っている、市内でも有数のショッピングセンターと思われる宮交シティに到着。南宮崎駅のすぐ近くだ。ここでしばらく待ち合わせて、16:20発平和台行きバスに乗車。終点まで乗りとおして、平和台公園に行く。「八紘一宇」と書かれた大きな塔が突如現れた。日本史で習った4字の漢字だが、詳細は思い出せなかった。相当昔の話のはずだが、この党はいつ作られたのだろうか。なかなか立派に作られている。この近くの埴輪公園にも足を伸ばす。たいしたことはないだろう・・・と思ったら、ぎょぎょっ、実際に埴輪がおかれている。しかも半端ない数。薄暗い公園の敷地内に、日本史の資料集で見たことのある埴輪が適当に置かれているのだ。ちょっと身震いしてしまうほどリアルで、思わず見とれてしまった。

地図でみると、歩けない距離ではない、と踏んだ宮崎神宮は、その埴輪公園から実際30分以上かかってしまった。しかもほとんど見るところはない。木々に囲まれた神社内、蚊に追われながら足早に立ち去った。ここから宮崎駅近くに行くバスに乗る。綾から来たバスは定刻に自分を拾ってくれる。市内の中心部、山形屋近くのバス停で下車し、オフィスビルが並ぶ通りを駅に向かって歩く。鳥の鳴き声がものすごい。街路樹に集まっているようで、相当数いる模様。やもすると騒音レベルではないかと思われるほど、騒々しく鳴いている。

駅で預けておいた荷物をピックアップし、さびれた駅前商店街を県庁方面に歩く。街のメインどおりと思しきところに出て、左折、県庁の交差点を右折して今夜の宿を見つけた。ちょっと繁華街から離れてしまったが、接客態度のよい従業員だった。一度チェックインして夕食を食べに再び外へ。気づいてみると目の前にラブホがあったりとちょっと怪しげなエリアだ。それでも繁華街まで歩き、九州内の三越的存在の山形屋まで足を運ぶ。つい先日オープンしたばかりの新館で夕食。宮崎っぽいものがなかったのが残念。

新館オープンとともにスタバも開店したようで、多くのひとで賑わっている。「宮崎も都会になったな・・・」と誰かがつぶやいていたが、気づいてみると確かに、ここ以外でスタバを始め、ドトールなどは見当たらずいわゆる全国チェーンの店はあまりないようだ。繁華街も熊本、鹿児島に比べ小規模で人も少ない。

それでもフェニックスの木がある南国宮崎は情緒たっぷりだ。人もまばらになった市内のメーンストリートをゆっくり歩きながら、宿へ戻った。

※写真は宮崎市内中心部の通り

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