BUZ LIFE

毎度ご乗車ありがとうございます。

一人旅を終えて

2006年09月30日 | Weblog
9月に5泊6日で決行した九州への一人旅。いまさらながら全体の感想を述べたい。

まず、なぜ一人旅に行こうと思ったのか。そもそものきっかけは5月のゴールデンウィークに新宿の京王高速バスターミナルで見つけた一枚のパンフレット。

「九州のバス3日間乗り放題10000円」

素晴らしい出会いだった。

九州のバスに乗れる・・・。まだ九州に行った事あまりないから観光もしてみたい。そう漠然と考えていたが、実際に動き始めたのは7月下旬頃。友人に9月に香港に行かないかと誘われた。しかし、もうすでに昔行った事あったので断ってしまった。主義的に一度訪れたところより新しい地を求める。友人は香港行きを決定、自分もどこかに行かないと。最初はベトナムを考えたが、断念。それなら、九州行ってみようか、と。考えてみると今まで数多くの旅行に出かけたが”一人で”いったことはなかった。九州は内容的に誰かと一緒という旅ではなさそう。正直迷った。一人じゃさびしそうだな・・・、と。絶対に途中で帰りたくなっちゃうんじゃないか、と。

というのも昔、高校の頃、ひとりで一日中遠出してみようとでかけてみたことがあった。しかし、途中お昼ごろ、急にさびしさに襲われ家に帰りたくなってしまった。そのときはなんとか我慢して最後まで予定を敢行したが、なにせ今回は宿泊を伴うたびである。

しかし、この機会を逃したらもったいない、ということで一人で九州に行くことに決定。しかも中途半端に2泊だけとかいうのではつまらなさそうだったので、一気に5泊のプランを考えた。値は張りそうだったが、旅行への出費は惜しまない。10万円までの出費を覚悟して、計画を練った。

果たして実際行ってみるとまったく寂しさを感じなかったのだ。バスに乗り、観光し、楽しくて仕方なかった。他人に気遣う必要ないから自分の好きなペースで、好きな場所に好きな時間に行ける。もったいない根性で、朝は早朝5~7時には起き、ホテルに戻るのは20時~23時と遅め。それでも時間がまったくたりない。当初はどうせ時間もてあますだろう、そしたら喫茶店で本でも読んで時間をつぶせばいいや、と考えていたが、あそこもここも見たい、とずっと動きまわっていた。

そして、今回のたびで得た一番の収穫は”幸せを感じれたこと”。日常において、幸せを感じたことがなかった。”幸せってどうすれば感じれるの?”と。

鹿児島県の国分というローカルな駅から、桜島口までバスに乗っていたときにその瞬間は訪れた。大隈交通ネットワークという聞いたこともなかった会社、車体は三菱だが相当な古さ。右手に桜島がかすんで見えたことが重なり、ひょっとして自分って、いま幸せなんじゃないか、とはっきりと実感した。東京では味わえない古いバスの乗り心地、訪れたかった桜島が見え始めたこと・・・。自分でも幸せを感じることができるのだな、と安心しもした。

家に帰ってきて写真を現像した。自分が歩んだ行程が再現される。自分が行ったからこそ撮れた写真。どれもよく撮れてるじゃないか。行ってよかった。どう自分は成長した?それは難しい問いかけだが、まあ行かないよりは、自分の人格形成に少しでもプラスになったんじゃないだろうか・・・。

沖縄

2006年09月23日 | Weblog
我が目を疑った。

JRバスが走っている・・・・・・!!

一瞬凍りついた。

よくみてみると那覇バスカラーの虹色の塗装が一部に施されている。

目から鱗、とはまさにこのことか。

中古で入れて、塗装を全て落とさずに、少し那覇バス仕様にアレンジしただけなのだろう。

同時に、そこまで切り詰められている沖縄のバス会社の懐事情に、驚きを隠せなかった。


九州一周旅行6日目(最終日)

2006年09月16日 | Weblog
あっという間だ。今日で旅行最終日とは。旅行に行く前、不安だった。「絶対一人だとさびしくなって、ブルーになるだろうな・・・。」今は、旅行から帰るほうがさびしくて仕方ない。6日間、長いかと思ったが、実際本当に短かった。

というわけで、昨夜は遅かったので、このたび一番の寝坊、7時の起床。そして、この旅で初めて、ホテルの朝食をいただく。といってもパンと飲み物がある程度で、ほんとに質素そのもの。セルフサービスのバイキング形式で、サラリーマン風な人たちと混じっての朝食となった。

8:20にチェックアウト。西鉄天神BCまで徒歩10分なのがうれしい。ここで大きな荷物を預けて、8:50発佐賀行き高速バスを待つ。5分ほど前に入ってきたバスに乗り込む。ぱらぱらと8名の乗車。4列シートだが広々と使える。市内の一般道を抜け、高速へ。交通量は比較的多い。佐賀に近づくにつれ、雨が強くなっていく。佐賀市内に入ると、ものすごいあめ。バケツをひっくり返したように降っている。

佐賀駅には少し遅れて10:05の到着。わりとキレイなバスセンターで佐賀市営、昭和バスなどの一般路線も乗り入れている。足早に駅構内を抜け、10:17発普通電車鳥栖行きに乗車。車内はボックスシートが並び、ウッディーな感じのデザインもなかなか。いわゆる通勤電車としての面影は薄い。JR九州はんこのように凝った車両が多く見受けられるが、金、持っているのだろうか・・・。

電車に揺られること18分、吉野ヶ里公園駅に到着。そう、これから歴史の教科書に必ず登場する吉野ヶ里遺跡に行くのだ・・・しかし、相変わらずの土砂降りのあめ。さすがに引き返そうと思ったが、ここまで来てもったいない、と頼りなさげな折り畳み傘をさして歩き出す。田んぼが両側に広がる、田舎道を歩くが、雨が半端じゃない。ものの5分で靴は浸水し、ズボンもかなりぬれてしまった。こんな日に吉野ヶ里遺跡に行く人なんていないだろうな、とわれながら感心。実際まわりには人は誰もいない。なんとか20分くらい歩いて、遺跡に到着。しかし衝撃的な張り紙。「落雷警報発令中のため、現在入場を規制しております。」意味を理解するのにしばらく時間がかかったが、要するに入れないってことか・・・愕然。なんのために全身びしょぬれになってここまで来たんだ。思わず係員に聞いてみると開場の見通しはまったくたたないという。はあ・・・。「どちらからいらっしゃたんですか?」「ヨコハマ・・・。」「それはわざわざお越しいただいたのに。。。」ごもっとも。

誰をせめても仕方ない。遺跡紹介のVTRだけは見ることができたので、一応それだけ見た。これで吉野ヶ里遺跡の全てを見たことにするか。自分をそう納得させ、再び駅に向かって歩き出した。相変わらずの雨だが、いまさらどんだけ降ろうともうかまわない。駅からの電車は雨の影響で少し遅れていたが、無事に12:17、佐賀駅に戻ることができた。と、ここでようやく雨がやんだ。せっかくなので、と佐賀駅から駅前のメインストリートを歩いて佐賀城跡方面に歩いてみる。悪天候だったせいか、人影はまばら。佐賀城跡っぽいところまで来て、これ以上先は何もなさそうと踏んで、佐賀駅までのバスを捕まえる。メインストリートだけあってすぐに来た。

佐賀駅からは再び西鉄バスの高速バスに乗車。13:20。20分ヘッドの運行だが、13名の乗車。市内を抜け、高速に入る。途中、高速道路上でもバス停に止まるが、一つのバス停から、中学生か高校生と思しき学生の団体が大勢乗ってきて一気に満席。しかもうるさい。ついてないな・・・。さすがに高速道路上なので暴れる人はいなかったが、みんなエンドレスに会話を楽しんでいる。「いや、それは好きだったんじゃないの?」さすが、恋愛話はどこでも花が咲く・・・と連日の旅行の疲れで睡魔に襲われ、天神手前まで熟睡してしまった。日産ディーゼルの快適なエンジン音は最高の子守唄になったようだ。

さて、市内観光はどこに行こうと考えてみたが、気づいてみると今回の旅行、高いところにのぼっていない。旅行に展望台は欠かせない、と福岡タワーに即決。天神から一般路線バスに乗る。普通の一般路線だが、面白いことに一部区間は都市高速道路を走行するのだ。料金所を通り、高速へ。といっても路線が100キロで走行するはずもなく、60~70キロくらいの安全運転。5分くらいでまた高速を降りてしまった。あとは一般道路をまた走り、福岡タワーには20分くらいで到着。ホテルでもらった割引券で640円を払い展望台へ。あいにくの曇り空で、遠くまでは見渡せないが、志賀島が見えたり、福岡市内が一望できたりそれなりに楽しむことができた。

この一帯ほ高層マンションも立ち並び比較的新しそうなエリア。地図をみるとヤフードームも近そうだったので。歩いていってみることに。ちょうど試合が終わったころで、人が多い。ホークスタウンとよばれる商業施設を通り抜け、今度は博多駅行きバスを待つ。天神経由博多駅行きも来たが、天神~博多間はきっと渋滞するだろうとアウェーの旅行者は勝手に判断し、博多駅近くまで高速に乗るバスを待つ。10分ほど待って目当てのバスに乗車。この運転手、「ただいま8分遅れで運行しております。「毎度ご乗車ありがとうございます」「車内ゆれますのでご注意ください」などなど車内マイクをフルに活用し、丁寧な案内をしてくれる。西鉄の接客レベルは他社と比べ物にならないほど高度なものだが、この運転手はその中でも抜き出ている。

博多駅前で、バスの渋滞に引っかかり、少し時間がかかった。駅周辺は天神に比べると少し活気がないような感じがする。しかし、駅自体は九州新幹線全通に向け、すでに工事が始まっており、新幹線と同時開業で駅ビルをオープンさせ、駅自体、ひいては博多エリア全体を活気付ける大きなプロジェクトが進んでいるようだ。

駅はどうでもよい。目的地の博多駅交通センターに行くが、こちらもやはり天神のバスセンターに比べ、古さは否めず少々くらい印象。それでも高速、一般路線どちらのフロアもそれなりに人がいる。ここからバスでキャナルシティに行く。大型ホテルや商業施設、ビジネススペースが入った大型複合施設である。緑の木が随所に埋め込まれ、また水も流れているため、自然を感じさせるつくりだ。家族連れなど多くの人でにぎわっていた。

ここから天神方面のバスを探しているうちに中州まで出てしまった。まだ夕方だというのに福岡名物の屋台がもう客を受け入れている。この中州から天神までバスで行き、ここでトルコライスという長崎名物を夕食として食べた。さっきから時計が気になる。カウントダウンが始まったいるのだ。福岡を離れるまで、あと3時間・・・と。

嗚呼福岡。この都市ほどバスであふれかえっている町はないだろう。道路に出て、西鉄バスを見ない瞬間はない。高速、路線ともに相当な本数、系統が運行され、道がバスで埋め尽くされている。目が離せない。しかもそのドライバーは高度な教育を受けた、接客態度のよい人ばかり。考えただけで、身震いする。帰りたくない理由はこのあたりにあることは間違えない。

しかし、そんな福岡ともお別れの時間。最後、荷物を預けた天神バスセンターに背を向けるのにどれだけ苦労したことか。高速バスの頻発するバスセンターから離れられなくなっていた。あと少し、少しでも多く、この空間に身をおきたい・・・。

再訪を決意し、なんとか地下鉄乗り場へと足を向けた。時間があまり残されていない。フライトは福岡空港最終JAL1740便21:25発。20:15の地下鉄に飛び乗り、空港には20:30前に到着。お土産やをざっと冷やかして、搭乗した。機内は、がらがら。前後左右、誰もいない。後で聞いたが、この時間帯はどこからの便でも空席がかなり目立つという。

23:00、羽田到着。搭乗客が少ないので、すぐ機外へ出れた。荷物も預けてないので、そのまま到着ロビー、バス乗り場・・と進んでいくと23:05発のYCAT行きがちょうどドアを開けて待っていた。ものの5分。湾岸線も順調そのもので、YCATには23:30前に着。

旅は終了。なんと楽しい旅であったことか。明日からまた日常の毎日・・・ではなく、あさってからゼミ合宿で沖縄だ!

九州一周旅行5日目

2006年09月15日 | Weblog
5日目の九州の旅行の模様をとりあえず。

朝は6:30に起きる。手早く身支度を済ませ7:30にチェックアウト。1泊4095円の割にはなかなかよいホテルだった。
さて、いまいるのは宮崎県の中心部橘通り。県庁や大淀川に近いので、宮崎駅からは大分離れている。
ここからまずバスに乗る。宮交シティ行きに乗りたいのだが、来るわ来るわ数珠つなぎになって何台もやって来る。朝のラッシュ時間帯に重なっている上、市内の路線バスのほとんどがこの通りを通るので相当の本数が運行されているのだ。

時間に余裕があるので、出来るだけ古くまだ乗った事のないバスが来るまでじっくり待つことにする。宮崎県のバスはすべて宮崎交通一社に独占されているが、バスの種類は豊富だ。

5台くらい見送ったところで、あら素敵、なかなかお目にかかれないような日野のふるーい、元貸し切りではないかと思わせるようなバスがやって来た。宮崎空港の表示を掲げている。迷わず即決。

車内には10人以上の先客がいた。一番後ろに座ると、エンジンの重たい響きが伝わってくる。20年近くは走っているはず、お疲れ様である。
ものの7分程度で到着。短すぎる。思わず乗り通してやろうかとも考えたがぐっと我慢。

宮交シティはショッピングセンターがありその横にバスセンターも併設されている。その2番線から8:40発高鍋バスセンター行きを待つ。

定刻にやってきたバスは先程とはうってかわって日産ワンステップの比較的新しい車だ。自分だけしか乗らなかったが、市内を通り抜ける間にそれなりの客が乗り込んできた。
高鍋バスセンターには10分ほど遅れて10:05くらいに到着した。宮崎市内からは随分離れた。あたりは人があまり見当たらない。バスセンターの中の待合所にはおじいさんおばあさん方が5~6人いる。若者は自分だけで、なんかういた存在となってしまった。

次に乗り継ぐは1日に1本しかない超ローカル線、ロックタウン日向行き。

10:30、お年よりばかり10人ほどと自分を乗せてバスは出発した。道の広い幹線道路を行くが、暫くして右に曲がり、狭い道を走るようになる。と思うとまた幹線道路に戻り…このような経路が繰り返された。

乗客は一人降り二人乗り、3人降り一人乗り、と常に10人前後の入り。意外と乗降の多い路線だ。しかし、決ってお年より。車内の平均年齢は自分とドライバーを除いて60以上をキープ。車が使えない人はバスを使い、それ以外はみな車を使うのだろう。現に道の交通量は多い。

お年よりの多い路線ならでは、か。お金の投入ミスが2回(10円と100円を間違えた)あったり、「今日はいつも乗って来る人おらん?つぎ通過しちゃうよ」とドライバー氏は心配し、「おばあちゃん、ここはバス停じゃないよ。ちょっと言っちょって」と自分の好きな場所でバスを待っていた客をさとし、なかにいた他の乗客におばあさんにそのことを説明してあげるようドライバーはお願いをし、ある客はバスカードではなく診察券らしきものでバスに乗り込もうとする。人間味あふれるバスだった。

ドライバーに駅はここだよ、と言われあわてて降りる。バス停名が違っていたのだ。最初に駅に行きたい旨を伝えておいて正解。12:10の到着。
駅で12:54発にちりん14号の大分までの自由席特急券を購入。4100円。来た電車の車内はがらがら。大分まで、前の座席も回転させ4席分を独り占めしての快適な乗車だった。下手に指定席券を取るよりよっぽどよい。

15:10大分駅着。駅前の繁華街をブラッと一周し、16:05発の国東行き大分交通に乗り込む。16:35、遅れるだろうとのるとき所要時間をたずねたらそう運転手は返答したが定刻通りに別府北浜到着。

駅まで10分くらいで到着。駅に何があるわけでもないが、なんとなく駅に行っておかないと落ち着かないのだ。つぎのバスまで時間があるので駅前の商店街を歩く。両脇に店が並ぶ。衣服店や青果店、本屋などなど。ただ夕方なのに電気がついておらず非常にくらい印象。人通りもまばらだ。
商店街近くに有名な竹瓦温泉がある。入湯100円、砂湯1000円。時間があればぜひ立ち寄ってみたいが残念ながらパス。そもそも九州一周を6日間で、というのが無理な話だ。回りきれるわけがない。

つぎに少し歩いて海岸通りにでてみる。が、あいにくの雨で景色はよくない。思えば九州に来てから雨か曇りばかりで一度も太陽をみていない…。

先程降りた別府北浜まで戻り、その前の別府随一のデパートトキハに入ってみる。地下の食品街を冷やかし、時間が来たので、上にあがる。

つぎに乗るのは本日ラストランナー、18:33発福岡ゆき各停便。乗り場はさっき降りたバス停と同じだった。

待てど待てどバスは現れない。来たか、と思ったら18:20発の長崎ゆき。20分遅れている。当方のバスも結局50分になってやっと姿を現した。日田バスだ。大分始発便なので10名ほど先に乗り込んでいる。別府からは自分ともう一人が乗車。車内は3列シートで快適そのもの。

別府湾あたりの高速道路は霧がすごくのろのろ運転だったが、その後は遅れを回復すべく、かなりのスピードで走っている。

そう、いまこの記事を書いているのはそのバスのなか。あと40分もすれば天神だろうか。旅も終りに近付いている。家に帰りたくないな…

九州一周旅行4日目

2006年09月14日 | Weblog
5:50、けたたましいサイレン音で目を覚ます。ジリジリ鳴っている正体は、部屋の中にある火災報知機のようだ。なんで?非常に眠いので現実を把握しきれない。火事なのか?そういえば昨夜、ドライヤーのコンセントを入れたときなにか火花が散ったが、それが火種で・・・。悪いことしちゃったな。とりあえず音量を一番下にしてみるものの、音は消えてくれない。さすがは報知器だ。なす術がなくそのままじっとしていると、しばらくして鳴り止んだ。部屋の外を見ても煙は出ている様子はない。しかも隣の部屋からはトイレを流す音。火事で避難する前にトイレに行く悠長な人はそういないだろう、ということで誤報と結論付け、再び眠る・・・。

6:10、今度は平和な目覚ましの音で目覚めた。火災は発生してないようだ、騒がなくて正解。昨日、あまりにも多い鹿児島のバスをまだ見足りない感じがしたので、チェックアウトをする前に散歩がてら、朝の繁華街を歩いてみる。まだ7時台、さすがに天文館の人影はまばらだったが、朝からバスは元気に走っている。いや、ものすごい量だ。数珠つなぎに5台連続でやってくる。その後ろにはすぐまたバス。3車線中1車線がほとんどバスで埋め尽くされている。素晴らしい光景に、感動を隠し切れない。並行して、路面電車も走っている。思うに、路面電車がある街は総じてバスの台数も多い気がする。先日訪れた熊本然り、広島然りである。会社数も多く、路線も多岐にわたっている。路面電車とバス、併走する区間もあるが、それでも路面電車がない街に比べ、バスも発達しているように感じられる。公共交通機関が強い街になるのだろうか。

1時間くらいで朝の散歩を済ませ、8:30頃チェックアウト。フロントの係員から今朝の報知器について謝罪がある。やはり誤報だったようだ。

先ほどぶらついていた天文館のバス停で8:54発宮崎行き高速バスを待つ。待っている間も市内路線バスがひっきりなしにやってくる。それらのバスに混じって、8:54ちょうどくらいに宮崎交通の宮崎行きバスがやってきた。始発バス停だが、路上のためかぎりぎりの入線である。自分のほか、サラリーマンと若い女性も乗り込み発車。オレンジ一色のシート、シートピッチも広く快適。鹿児島中央駅前から4名が乗り込み、鹿児島市内をあとにする。バス王国鹿児島との別れはさびしい。

高速に入り、途中鹿児島空港により、5名の乗車。若い女性二人は車内に入るやいなや「意外と普通のバスだね~」。どんなバスを期待していたんだろう?高速道路は順調そのもので、走行車線を維持しながらも着実に宮崎に向け進んでいく。高速道路上にもいくつもバス停が設けられており、車内放送で案内が入る。「あと7分ほどで、次は~に停車します。」と分単位で細かい案内。10:35、霧島SAで途中休憩。ずっと車内に座っていては息がつまるので、外の空気を吸いに車外へ。長距離路線ではないが、このようなちょっとした休憩はありがたい。標高は高いようで、周りは山々で囲まれている。当初、この霧島経由で宮崎に向かう予定であったが、霧島~宮崎間のバスが廃止の憂き目にあっていたので、直通の高速バスに乗っているのである。

再び高速道路に戻り、安定した走行が続く。どこから来たのか、同じ宮崎交通の高速バスが途中のインターから合流してきた。と、なぜか自分の乗っているバスはスピードを少し上げた。逃げるのか?逃げの体勢なのか?実際、途中のバス停に止まりながらも、そのバスに抜かされることはなかった。

高速をおりると宮崎市内。中央分離帯に植え込まれた背の高いフェニックスの木が迎えてくれ、宮崎に来たことを実感する。市内でもいくつかバス停にとまりながら、終点宮崎駅前に11:50定刻に到着した。駅前にもフェニックスの木が植わっているが、大きな駅ビルなどがあるわけではなく、そう栄えている感じはしない。ここで簡単に昼食を済ませ、駅前のバスセンターに向かう。ここで、これから乗る青島~宮崎間の時刻表をいただく。係員はみなアロハシャツみたいなカラフルな服を身にまとっている。南国宮崎らしさが出ていて、感じがよい。

12:50、青島行きのバスは自分ひとりを乗せて発車。途中市内中心部、宮交シティなどを経由していくうちに車内もにぎやかになってきた。ひたすら市内の一般道を走行。早く日南海岸の海が見たい、と思っていたらちらちらと海が見え始めたところで青島バス停到着。ちょうど団体の客とかぶってしまったようで、結構人が歩いている。

ちょっとした商店街を抜けるとすぐに海岸に出る。目の前に青島。太陽がサンサンと輝く日南海岸・・・を期待していたがあいにくの曇り空で海もそれにつられてか灰色に近い色をしている。弥生橋(?)を通り、青島にわたる。すぐに海で侵食され、奇怪な形をした洗濯岩が広がる。その名の通り、洗濯板のように、縦方向にギザギザした感じの岩。近くまで行き、浅瀬の海をみてみると・・・いるわいるわでヤドカリさんがいっぱい!天然のヤドカリを見たのは初めて。みなさん思い思いの家をみつけてそれを背負ってどこへ行くのかせわしく移動している。見ていて飽きなかったので、子供のようにずっと海の中を覗き込んでしまった。

少し歩くと青島神社。キャンプの際に書いたのか巨人軍の願掛けの絵馬が飾られている。皇族も訪れる、由緒ある神社のようだ。神社をあとにし、そのまま島をぐるっと一周してみる。10分くらいで回れる小さな島だ。あたりに人は見られず。波が打ち寄せる音が耳に心地よく響く。一周して、先ほどの橋まで戻ってきたところで親子連れが海辺を覗き込んでいる。負けじと近づき、再びヤドカリ観察。今度はカニまでいて、親子連れはみつけては喜んでいる。

商店街まで戻ると団体は去ってしまったようで、今度はさびしいくらいに人がいない。みやげ物屋も閑古鳥が鳴いている。かわいそうだったので、日向夏という柑橘系が入っている(であろう)飲み物を購入。後で飲んでみると、甘くておいしかった。さらに、路上にいたおばさんに勧められて、100円でパイナップルを購入。冷凍してあり、その場でいただく。こちらも甘くておいしかった。この辺で獲れるのかと尋ねてみると、小規模に作っている家もあるけど、今はおいしいのがもっと南のほうからくるからね・・・と言葉を濁す。おばちゃんのは宮崎産でなかったのか・・・。

14:57、宮崎行きのバスに乗る。車内はおばさん・おばあさんばかりだ。15:33、ダイエーなどが入っている、市内でも有数のショッピングセンターと思われる宮交シティに到着。南宮崎駅のすぐ近くだ。ここでしばらく待ち合わせて、16:20発平和台行きバスに乗車。終点まで乗りとおして、平和台公園に行く。「八紘一宇」と書かれた大きな塔が突如現れた。日本史で習った4字の漢字だが、詳細は思い出せなかった。相当昔の話のはずだが、この党はいつ作られたのだろうか。なかなか立派に作られている。この近くの埴輪公園にも足を伸ばす。たいしたことはないだろう・・・と思ったら、ぎょぎょっ、実際に埴輪がおかれている。しかも半端ない数。薄暗い公園の敷地内に、日本史の資料集で見たことのある埴輪が適当に置かれているのだ。ちょっと身震いしてしまうほどリアルで、思わず見とれてしまった。

地図でみると、歩けない距離ではない、と踏んだ宮崎神宮は、その埴輪公園から実際30分以上かかってしまった。しかもほとんど見るところはない。木々に囲まれた神社内、蚊に追われながら足早に立ち去った。ここから宮崎駅近くに行くバスに乗る。綾から来たバスは定刻に自分を拾ってくれる。市内の中心部、山形屋近くのバス停で下車し、オフィスビルが並ぶ通りを駅に向かって歩く。鳥の鳴き声がものすごい。街路樹に集まっているようで、相当数いる模様。やもすると騒音レベルではないかと思われるほど、騒々しく鳴いている。

駅で預けておいた荷物をピックアップし、さびれた駅前商店街を県庁方面に歩く。街のメインどおりと思しきところに出て、左折、県庁の交差点を右折して今夜の宿を見つけた。ちょっと繁華街から離れてしまったが、接客態度のよい従業員だった。一度チェックインして夕食を食べに再び外へ。気づいてみると目の前にラブホがあったりとちょっと怪しげなエリアだ。それでも繁華街まで歩き、九州内の三越的存在の山形屋まで足を運ぶ。つい先日オープンしたばかりの新館で夕食。宮崎っぽいものがなかったのが残念。

新館オープンとともにスタバも開店したようで、多くのひとで賑わっている。「宮崎も都会になったな・・・」と誰かがつぶやいていたが、気づいてみると確かに、ここ以外でスタバを始め、ドトールなどは見当たらずいわゆる全国チェーンの店はあまりないようだ。繁華街も熊本、鹿児島に比べ小規模で人も少ない。

それでもフェニックスの木がある南国宮崎は情緒たっぷりだ。人もまばらになった市内のメーンストリートをゆっくり歩きながら、宿へ戻った。

※写真は宮崎市内中心部の通り

九州一周旅行三日目

2006年09月13日 | Weblog
朝は早々と5:10に起床。6:00ちょうどにホテルを出る。前日からの風邪はなんとか治りかかっているようだ。

熊本交通センターホテルに泊まっていたので、ホテルのすぐ真下がバス乗り場。朝早い時間で、路線バスはほとんどいなかったが、福岡、福岡空港、熊本空港行き高速バスは元気に出発している。利用客もそこそこいるようで、乗り場付近だけは人が多い。

自分の乗るバスは6:30発人吉行き。同じ乗り場から6:29発の熊本空港行きが発車した直後、人吉行きバスは入ってきた。日野セレガハイデッカーの九州産業交通車両で、ドア横の窓に”熊本⇔人吉”の紙が貼られている。車内は2時間ほどの県内高速バスにしては似つかわしくない3列シート。先日佐世保→熊本間で利用した車両に酷似している。交通センターからは3名の乗車。自分は昨日と同じく最前列の真ん中に陣取る。

熊本市内で4名ほどの乗車があり、人吉まで高速に乗る。バスは8:20に人吉駅近くの人吉産交というバス停に到着した。すぐに駅にいき、人吉市内の観光マップを手に入れる。駅を起点にぐるっと一周すれば大体この町をみれそうだったので、早速歩き出す。球磨川の橋を渡る。朝早いせいか、歩いている人はほとんどいない。途中で左折し、武家屋敷を通過。人吉城跡の一部をみながら、再び球磨川を渡る。途中細い通りに入り、味噌の製造工程の見学をさせてもらう。味噌のいい香りがするが、特に見学者向けの案内版があるわけでもないので、どこがどうなっているのかよくわからない。その分、柵などもなく、機械や働く人はすぐ目の前に見ることができ、臨場感あふれる見学となった。

1時間少しで市内を一周し再び人吉産交に戻る。次に乗るのは9:50発、鹿児島空港行き。5分ほど前に入線したバスには自分を含め、ぱらぱらと6名の乗車。車両はいすゞクルーザーのハイデッカー。シートは柔らかく座りやすい。鹿児島空港には定刻より少し早く10:44に到着した。空港、ここから東京に帰るわけではない。熊本→鹿児島間の直通の高速バスがなかったため、3つのバスを乗り継いでいるのだ。昔はあったはずだが、おそらく九州新幹線の一部開業の影響を受けて廃止されたものと思われる。

1時間ほど空港内を見学。展望デッキに出るのになぜか50円取られた。バス乗り場に行くと鹿児島市内や枕崎方面にいくバスがひっきりなしに出発していく。自分も直接鹿児島市内に行ってもよかったのだが、それでは少しつまらない、と自宅で調べてあったとおり、11:48発国分駅行きのバスに乗る。次の目的地は桜島。市内から船ですぐにいけるのだが、空港からでもバスを乗り継いで桜島に辿り着けることを編み出しておいた。来たバスは大隈交通ネットワークと裾に書かれた三菱の一般路線バスで、相当な古さを感じさせた。空港から一般道路を走る。渋滞とは一切関係なく、すいすい走る。20分くらいで、国分駅に到着した。駅前にはなにもない地方の駅といった感じ。改札横に待合室があったので、そこで少し休憩。室内にはご高齢の方ばかりで、あとはサラリーマン風な人が一人いるだけだった。

次に乗るのは12:30発垂水港行きバス。先ほどと同じく大隈交通ネットワークのバスだ。一番後ろに座る。車内はやはり高齢のかたばかりで、若者の自分は少々浮いた存在となる。市街地を抜けると、沿岸部の道を走りだした。古いエンジンは高鳴り、快適な走行となる。途中のバス停で一人、また一人と降りていく。誰もが買い物袋を引き下げているが、駅前のスーパーで買い物を済ませた帰りなのだろう。確かに付近い大きな店はなく、駅前に出るより仕方がないのかもしれない。

バスは相変わらず海辺を走る。13:25、桜島口というバス停に到着。次に乗り継ぐは13:25発桜島港行き。乗り換え時間0分だが、同じ会社の接続だから
、きっと待ってくれているだろう、と踏んでおいた。実際、桜島港行きは反対側のロータリーでトップドアを開けて待ってくれていた。2分遅れて13:27に発車。車内には自分しかいない。運転士が聞いていたラジオはそのままつけっぱなし。発車してすぐ溶岩道路と書かれた道を走行。確かに道の脇には、溶岩と思われる岩が転がっている。さすがは桜島の風景だ。途中、観光客らしき女性二人や地元の人も加わり、車内は少し活気付いた。行きかう車は少ない。左手に海、右手に櫻島の山をみながら、20分強で桜島港に到着した。桜島口とちょうど反対側にあり、島をちょうど半周したことになる。溶岩や桜島の山、そして海など、ここでしかみられない風景が堪能でき、お勧めのバス路線だ。

桜島港の観光案内所のおばさんと、さて1時間ほどで島内を観光するにはどうすればよいものかとたずねるとレンタサイクルがいい、と勧めてくれたので、1時間400円で自転車を借りる。病み上がりに自転車をこぐのは少しきつかったが、バスの中からみるのと実際自転車でゆっくり見る桜島はまた違う。溶岩を手にとってみたり、海の近くまでおりていってみたり、長淵剛のコンサートの記念碑をみたり、展望所にのぼってみたり、桜島を楽しんだ。

桜島港で自転車を返し、ここから出ている鹿児島市内行きの船に乗る。10分間隔と頻発しており、値段も150円と利用しやすい。車も航送できる大きな船でゆれも少なく、快適な15分の船旅となった。鹿児島市内側の船の降り口から、すぐに天文館まで行く鹿児島市営バスのやたら古そうなバスをゲット。10分ほどで天文館バス停に着く。ここから今夜の宿は歩いて5分で着いた。建物や看板からすると、夜は大人の町に返信しそうな一帯だ。

すでに16:30分をまわっていた。ちらっと鹿児島中央駅をのぞきに路面電車に乗る。新幹線開業とともに新しく建てた駅ビルは、観覧車も上についちゃうほど。人通りもそれなりに多かった。ここからバスで市役所までいく。鹿児島市内の名所に一箇所も行かないのも、とがんばって城山まで歩こうと試みたが、甘かった。遠回りな道に入ってしまい、相当苦しみながら展望台についたころには、無茶をしたものだと後悔したが、鹿児島市内と桜島を一望できる景色でそれは払拭された。堂々と構える桜島と、眼下に広がる鹿児島の繁華街。夜景も気になったが、階段をとっとこ降りて、繁華街に。

ここで黒豚を食べる。宿でもらった割引券で定食750円。おいしかった。南九州一の繁華街といわれる天文館エリアだが、それほど広くはなく歩いて十分に見て回ることができる。ただ20時を回っていたため、店もほとんどがシャッターを降ろし始め、人影もまばらになっていた。

体調は完全に快復している。20時過ぎにホテルへ?そんなまさか。自分の持っているのは何だっけ?九州のバスに乗り放題のSUNQパスだったよね?よし、それじゃあ、と用は何もないが鹿児島駅にバスで向かってみる。路面電車の終着駅だが、何もないさびしい駅だった。まだ乗り足りない。天文館を通り越し、鹿児島中央駅までバスに乗る。観覧車はライトアップされていてとても綺麗だった。ホテルに戻るため、天文館行きのバスに乗る。南国交通だ。これが本日のラストランナー。鹿児島市内のバスを満喫でき、大満足だった。素晴らしい、SUNQパス。

九州一周旅行2日目

2006年09月12日 | Weblog
朝は6:00ちょうどに起床。前日からのかぜは、経験上今日がピークを迎えるだろうと踏んだので、薬を服用して6:45にホテルを後にした。天気は曇りで、涼しい。10分で長崎駅前に着き、県営バスターミナルでバスを待つ。

本日最初のランナーは7:30発佐世保行き高速バス。定刻5分ほど前にやってきた西肥自動車に乗り込む。長崎駅前からは自分を含め9名の乗車。長崎、呼子行きのバスと共に定時に発車する。途中、長崎昭和町から2名の乗車。ここまで、長崎市内での車両混雑のため少し遅れている。逆の長崎市内に向かう車の車列もながく伸びている。しかし高速道路に入ってしまえば、エンジンをフルに回転させ、快適な高速走行となる。今朝飲んだ薬のせいか、かなりの睡魔に襲われ、眠ってしまう。気づいてみるともう佐世保手前で、すぐに高速道路をおりた。途中日宇駅前などで降車扱いをし、佐世保駅前には5分遅れて9:05に到着した。運賃は降りるとき支払うが、見ていると現金で支払う人は少なく、ほとんどの人が回数券、あるいは往復券の類を運賃箱に入れている。多頻度に利用する人が多いのだろう。自分は先日購入したSUNQパスを提示し、下車する。

次の乗継まで少し時間があったので、佐世保駅を通り抜け、埠頭のほうに歩いてみる。朝早いせいか、人はほとんど歩いておらず、ひっそりとしていた。名物の朝市の会場は少々離れていそうだったのでパスし、再び佐世保のバスセンターに戻る。駅前の道路を見ていると、時をタイムスリップしたような相当古いバスが走り去っていく。我が目を疑ったが、重そうにエンジンをうならせ、すぐに視界から消えてしまった。佐世保に来て正解だった。

少々暗い感じのバスセンター内で、10:10発熊本行き高速バスを待つ。ハウステンボス始発で市内の渋滞で発車が遅れるかと思ったが、九州産業交通の日野セレガハイデッカーは5分前に姿を現した。14名が乗り込み佐世保を後にする。車内は3列シート。床は木目調のタイルでシートもブラウン系でまとめられており、非常に落ち着いた印象を与える。席は1-A席だが、隣のB席は空席のようで、一人で2席を占領する。最前列なので、視界もよく、かなりの当たり席である。

高速道路に入り、途中のインターで乗客の確認のためバス停に立ち寄るが、ここでなにやら営業所と連絡を取り合っている。なんでも途中の高速道路が事故で通行止めのため、一般道路へ迂回するとのこと。遅延が予想される旨が伝えられる。確かにバスは途中の料金所で高速をおり、国道34号線の一般道へ迂回を始めた。前を走る福岡行き高速バスも同じく迂回している。高速からの迂回の車で流れは少々悪かったが、30分経たないうちにまた高速道路に入った。途中高速道路上のバス停にも立ち寄るが、下車する人が結構いる。熊本市内でもこまめに停車し、最終的に市内の繁華街の近くにある終点熊本交通センターに15分ほど遅れて到着する頃には乗客は5名くらいになっていた。

さて、今夜の宿はというと・・・その交通センターの真上にある交通センターホテル。降車バス停から30秒でホテルの建物に入ることができた。値段は少々張ったが、この利便性には勝てない。荷物だけ先に預かってもらい、熊本城に向かうことにする。

地図を見ても現在地がよくつかめない。どちらに歩けばよいものかと適当に歩き出すと、目の前に熊本城がもう見えていた。入り口に迷いながらも入城。天守閣の最上階に登ると、市内が一望できる。割と開けた街であることがわかる。ここに来て、風邪が最悪な状況に。薬をもう一度飲んだがまったく効かず、ふらふらになりながら熊本城を見学。途中何度もベンチに腰を下ろす。それでもせっかく来たのだから、と10分ほど歩いて旧細川刑部邸まで足を伸ばす。熊本城とは打って変わって人が少なくなり、細川家が昔使っていたという家を見学。ここでも邸宅内の途中のベンチで休憩。かぜ通りがよく涼しい。昔の家もよく出来ているものだと実感。

歩く元気はまったく残っていなかったので、近くのバス停からバスに乗る。熊本城周遊バスという観光客向けのバスだが、やってきたバスの車内は空っぽだった。特注の車体で、北村製作所のプレートが。今はバスの製造はやめてしまったはずだが、こんなところで乗れるとは感動。車体自体かなり古いようで、ドアが開閉するたびに異様なモーター音の振動が伝わる。

7分ほど乗って市役所前にて下車。ここから、路面電車に乗り継ぐ。1両編成の車内の床は木が張ってあり、相当年月が経った車両であることを物語っている。運転士は車内マイクを活用しこまめに案内をしてくれ、好印象。20分くらいで水前寺公園前電停に到着。歩いてすぐの水前寺公園を見学。大きな池があり、気持ちよく歩いてまわれる。芝生の緑も目に優しい。ざっと見学し、熊本市営バスに乗り熊本交通センターに戻る。

熊本交通センター。乗り場がなんと30箇所以上ある日本最大級のバスターミナルで、九州産業交通、熊本市営、熊本バス、熊本電鉄、高速バスなどがひっきりなしに発着し、いつまでみていても飽きがこない。特に九州産業交通をはじめ、各社経営は苦しいはずだが、日々市民の足としてバスのサービスを提供する姿に心を打たれる。

一通りバスセンターを見学したところで、やはり落ち着かないということで熊本駅までバスで行ってみる。5分少々で駅に着くが、駅前にはホテルなどの一部の大きな建物以外は、古く小さいものが多く活気も人通りもいまいちといった感じ。東京では駅前に大きな建物が並び、人が多く集まってくるが、地方の町ではこれがあてはまらない。繁華街は駅から離れたところにあることが往々にしてあり、熊本でも例外ではない。先ほどの交通センター付近が繁華街となっているのである。故にここを発着の拠点とする高速バスは、鉄道に比べ大きなアドバンテージを得られるのである。

見るところがあまりなかったので、駅前からバスに乗る。交通センターを通り越し通町筋という繁華街に最も近いバス停まで乗り、下通、上通などのアーケード街を歩く。本屋や服屋、飲食店などが集積しており、左右きょろきょろ見渡しながら、熊本の街を堪能する。人も多く歩いており、このような場所を歩くとテンションもあがる。このような繁華街を歩くことは旅行の楽しみのうちの一つである。

一応全体をざっと歩いてみると外は大雨。さて困ったと思ったら、このアーケード街から交通センターまでは地下道でつながっていた。20時過ぎに部屋にはいる。ホテル下の喫茶店でゆっくりしたかったが、風邪が直らないので、部屋でおとなしくしていることに。ただ部屋の窓からはバスセンターのバスの往来を見ることができ、素敵な夜をすごすことが出来た。

明日には風邪も治っているはずである。そう願いながら、早めに就寝した。

九州一周旅行1日目

2006年09月11日 | Weblog
1ヶ月以上も前から計画を練っていた九州一周旅行がついに始まった。正直準備不足は否めないが、現地でなんとかなるだろう、といざ出発・・・と早朝4時過ぎに家を出て、駅まで歩くまでに、いきなり土砂降りの雨。バケツをひっくり返したよう、とはまさにこのことだろう。歩けなくなり、新高島駅で避難。しかし一向にやむ気配がないので、仕方なく、再び歩き始める・・・駅に着く頃にはずぶぬれでいきなりの試練。

と、一応お仕事をして、羽田空港には10:52に着いた。第1ターミナル南ウィング、スターフライヤーのカウンターに向かう。そう、行く先は北九州。JALと比較して安かったので、まだ生まれて間もない、スターフライヤーを選んだのだ。チケットレスで予約してあることをつげ、決済に使ったクレジットカードを出す。すぐに航空券を渡してくれた。11950円と、まあ高くはない値段である。

出発は12:20.ゲート1番。1番から出発とはなんとなく縁起がいいが、なんてことはない、セキュリティゲートから”1”番離れているゲートなだけだ。定刻に機体は動き出した。機内は半数以上の席が埋まっているが、隣は空席なので広々使える。しかし、今朝方ずぶぬれになったせいか、怪しげだった風邪が勃発してしまい、非常に気分がすぐれない。飲み物をいただき、すぐに眠りについた。シートは革張りで、シートピッチも通常より広いというが、そこまで快適というわけではない。

よく眠れないまま、「まもなく着陸態勢・・・」というアナウンスで目を覚ます。うとうとしている間に機体は着陸し、北九州空港に14時ちょうど、定刻に到着となった。隣にはJALが止まっているが、羽田を20分前に出た機体だろうか。

荷物は預けていないので、さっさと出口に向かう。そう広くはない空港なので、すぎにバス乗り場。券売機前の係員に、門司港行きのバスの乗車券はいくらかと尋ねると、割引券をくれた。500円になるらしい。ついでに満席になるかどうかを尋ねてみると「いやあ、いま羽田から2便着いたけど、10人乗るかどうか・・・」愚問であった。

というわけで発車ぎりぎりに乗り場に進む。14:23、バスは動き出した。確かに車内には自分を含め6人くらいしか乗っていない。採算取れないだろう。サンデン交通と西鉄バス北九州の共同運行路線だが、この便は後者の担当。発車後自己紹介と到着時間の案内がある。接客レベルの高さはさすがである。バスは順調に高速道路を走り、15時前、門司港駅前に到着した。非常に趣のある駅で、目の前の噴水とともにまさに”門司港レトロ”にふさわしい駅である。

地図をみながら門司港駅周辺をぶらっと散策する。すぐ近くに関門橋があり、本州島がはっきり見えている。ここまで近いとは思わなかった。下関までの船も出ていて、5分で着くようだ。駅周辺には海峡ドラマシップや桟橋、門司港ホテルなど名所が集まっている。海も近いので歩いていて非常に気持ちがよい。ドラマシップ内では昭和の街を再現した建物があり、これがまたよくできている。規模は小さいが、十分に昭和の雰囲気に浸ることができた。

一通り見たところで、駅前から小倉駅方面のバスに乗る。西鉄バスの路線バスだ。終始乗り降りの激しいバスで、小倉駅には17:04に到着した。伊勢丹近くにある、西鉄バス案内所に立ち寄る。ここで、SUNQパス全九州版を2セット購入。

SUNQパス全九州版。これほど素晴らしいチケットがいままでこの世に存在しただろうか(いや、存在しない)。この券1枚で、なんと九州全県のほぼ全てのバスに路線バスはもちろん、高速バスにも何回でも乗れるのだ。九州内の都市間、および都市内の移動はこれ1枚ですべてOKというわけ。かなり人気があるらしく、発売から1万枚を突破した旨の掲示が誇らしげに掲げられていた。

同じ案内所で、ネットで予約しておいた高速バスの乗車券を発券してもらう。もちろん、SUNQパスを購入したので、お金は一切かかならい。

小倉駅を一通り見て回る。何の変哲もない駅だ。旅行にきたら、その土地の一番大きな駅を見ておかないとなんとなく落ち着かない。ざっと見学し、砂津という、今日乗る長崎行き高速バスの始発点に向かう。歩いてもいける距離だが、そんな馬鹿な、いま購入したSUNQパスで、路線バスに乗り、砂津まで移動する。

砂津発18:25分長崎行きを待つ。同じ乗り場から一般路線バス、天神行き高速バスなどがひっきりなしに発車していく。たった3~4台分のバスベイしかないので、バスが出ては入って、出ては入って・・・目が回りそうだ。そんなわけで長時間の駐車ができないようで、長崎行きも発車時刻18:25ちょうどにすぐ隣の車庫からのっそり姿を現した。

名前を告げ、指定された1-A席に座る。車内は3列独立シートが後ろまで並ぶ。4列シートでも十分な乗車時間だが、九州内の高速バスは総じてグレードの高い車両が投入されている。考えてみれば3列シートは相当久しぶりだ。久々の大きな快適なシートに身を任せる。先ほどよった小倉駅前から4人ほど乗車。砂津からは自分だけだったので、ここまで5人、途中引野口から2名加わり総勢7名で長崎に向かう。定員30人弱の車内が物寂しい。少々厳しい乗車率だ。

高速道路に上がる前に乗務員から自己紹介と到着時間の案内。市販の時刻表とは異なった時間が案内されたがはたしてどちらが正しいのか。高速道路では一貫して走行車線をキープ。常に同じ速度を保つが、少々スピードを落としている。後ろにいる福岡行き高速バスと無線で、こちらはゆっくり行くので先に追い越してくれと連絡を取っている。福岡行きは追い越し車線から長崎行きを追い越していった。この長崎行きも市内の混雑で少々遅れているが、なぜ急がないのか気になるところだ。

体調はいよいよ悪化する一方で、後ろに人が居ないことを確認し、リクライニングシートを思い切り倒し、快復を試みる。途中サーボスエリアで開放休憩。ただ、売店も何もないところだったのでトイレだけ済ませ、すぐに車内へ。このバスしか止まっていなかった。

高速道路は渋滞とは無縁で西鉄バスドライバーによる快適な走行が続く。横揺れも最小限でさすがの技術だ。高速道路をおり、長崎市内へ。路面電車が見えてくると、まもなく終点長崎駅前に到着した。21:55。やはり市販の時刻表より20分ほど遅いが、ドライバーの案内どおりである。駅前の県営バスターミナルで降ろされるが、建物はしまっていて、外を歩いて表の通りに出る。地図を見ながら、今夜の宿へ。長崎駅はまだ明るく、人もそれなりにいた。

風邪のため、意識が朦朧とするが、なんとかホテルを見つけ、チェックイン。風呂に入り、目覚ましをセットして早々と就寝した。元気なら長崎の町を歩いていたところだが、仕方がない。少しでも快復させて明日へつなげないと。旅はまだ、始まったばかりなのだ。