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ネズミ講

2006年04月21日 | Weblog
派遣のバイトで、とある会社のイベントのイベントの会場整理に行った。友人と応募したのだが、自分だけ通ってしまったので、スーツを身にまといさびしく出勤。集合の40分前に現場に到着してしまったので、最寄の駅で時間つぶし。しかし、すでに現場の会場前にはスーツを着た若い男女がたくさん。会社のイベント、のはずなのになぜかみんな茶髪だったり、ファッショナブルなめがねをかけていたり、髪はつんつんにたっているし、スーツは白いし・・・どうみても柄の悪そうな人たちばかり。きっと別のなにかの集まりなのだろう。

集合時間5分前に所定の場所へ。すでに一人来ている。初対面だが、大人しそうな感じだったのですかさず話しかけてみる。なかなか好印象。これで今日の勤務はさびしくなくなりそうと一安心。派遣だと毎回違うメンバーなので、人見知りな自分には毎回どきどきな集合なのである。今日の勤務は4人、残りの二人とも普通に接することができたので、あたりの勤務である。

すぐに控え室に通される。地下2階。狭い。マニュアルを渡され読んどいて、といわれるが、会場の図が書かれているがよくわからない。まもなくして呼び出され、説明が行われる。図だけではわからないので、実際に会場を見て回る。仕事の内容は、締め切りのドアの前に立ち、人が入らないようにすること、ただこれだけであるようだった。なんとも簡単そうである。

しかし!ここでびっくりなことが伝えられる。

イベントを行う会社、マルチ商法を行っている会社だというのだ。ねずみ講というらしい。パソコンの周辺機器を金と時間だけが余っている老人に売ったりしている会社らしく、今日はその会社で出世した人の表彰や社長の話しがあるのだという。会社名は聞いたこと無かったが、たしかに怪しげな名前である。ここで、会場前にいた柄の悪そうな人たちのことがやっと理解できた。そういう会社なら納得である。とんでもない会社のイベントにあたってしまったものである。

説明が一通り終わったところで、ふたたび控え室に戻り、昼食となる。自分で買っておいたのだが、弁当が配られた。

食べ終わるとすぐにまた呼び出される。開場が12時で、開場後まもなくはみんなで入場者の誘導を行うよう指示される。自分は階段下に配備された。いよいよ開場。先ほどの柄の悪そうな人たちが流れ込んでくると思うと、一瞬緊張する。

一気に人が流れ込んでくる。自分は「足元にご注意ください。段差がございます」などのフレーズを連呼し、人を誘導する。15分ほど続き、やっと少し落ち着く。「席はどのあたりがまだあいていますか?」ただの誘導のバイトが把握しているはずも無く、「申し訳ございません、あちらの方にお尋ねください」ともう少しえらそうな係員に押し付けるのみ。

参加者は、男女半々くらい、年齢層も幅広い。若者もけっこういる。若者はがらが相当悪い。中年層も、偏見からかどうも一筋縄ではいかなさそうな顔をしている。そんな人たちが1300人ほどいる。

と、イベント開始・・・異様な盛り上がり。先ほどの柄の悪い若者が最前部を占領し、そしてなぜかチアスティックを持っている。早速社長の話が始まるとチアスティックをで応答し、歓声をあげる。ほかの参加者も拍手で盛り上げる。このマルチ商法の会社、社長がよほど崇拝されているらしく、みんな熱心に聞き入っている。社長が「レンタル事業を開始します!」などというと割れんばかりの拍手と若者の歓声。話中ずっとしきりに首をたてにふりうなずいている人もいる。そして社長から究極のお言葉「みんなでピンはねをし・・」

自分の仕事はというと、会場内の一箇所を割り当てられ、ただそこにいるだけ。しかも座っていてよいというのだ。2人で20分交代で休憩をまわす。何も仕事は無い。本当にただ座っているだけ。まったく意味がない。いなくても全然問題ない。存在意義は何も無い。こんなんで金がもらえてしまうのかといった感じ。安いが。

だからイベントの内容を堪能できた。あとは来賓のお話がいくつか続く。聞いたことも無いような会社の社長が招かれたことを感謝し、この会社はすばらしい、という。参加者はまた拍手と歓声で応える。

書き遅れたが、このイベントの司会者はかの有名な大○凡人。

会社の中で出世した人の表彰とその人のスピーチ。スピーチではやたらと、あきらめなかったことがここまでこれた、いい仲間に恵まれた、夢を実現できたとの内容が含まれる。だいたいこんな内容。こんな内容しかない。

ちなみにこの会社の販売のシステムは、事業所や営業所はもたず、また広告なども出さず、頼るのは口コミ。自分で会社から商品を一度買い取り、それをその倍くらいの値段で、自分の友人や知人などに売っていく。買ってくれた人を自分のメンバーとし、そのメンバーにも会社の組織に入ってもらい同じように知人・友人に商品を売ってもらう・・・推測だがおそらくこんな感じ。友人・知人に限らないかもしれないが、とにかく売れば売るほど自分にも金が入ってくるシステムだ。だから必死で売り、一度つかまえたメンバーははなさない。

出世した人の中には20歳ジャストの人も。同い年。しかし1300人を目の前にやたらスピーチ慣れしている。話がうまい・・・、のは培われた能力か。その人は大学をやめたそうだ。親がこの商売をやっていて、一緒に商売するのだそうだ。儲かるのでしょうね、きっと。自分はまだ大学生ですよ。これから地獄の就職活動ですよ。前途壁だらけですよ。就職できても会社にこきつかわれ安月給ですよ。それに比べ、彼らは・・・。少し悲しくなると同時に腹立たしくなった。

一番盛り上がったのは新理事の発表。発表されると大歓声。壇上にいる新理事にみんなが花束を持っていく。大木氏もすかさず「こんな多くの花束をもらったハリウッドスターはいままでいなかったでしょう」などと盛り上げる。理事の話も「まだまだやっていける!みなさんももっともっと・・・」みんなおおきな拍手。自分も思わず拍手してしまうところであった。

これで終了。

イベントは終始異様な雰囲気であった。バイト先の人も「きもい、たえられない」といっていたくらい。たしかに普通のイベントではない。妙な一体感、異常な盛り上がりと腐ったスピーチ。そして一癖ありそうな参加者。終わって正直ほっとした。

いい社会勉強になった。こんな会社もあるのだなと。マルチ商法・・・詳しいことはよく知らないが、やはり正攻法な商売ではないだろう。憤りを感じる。社長の言葉のように「ピンはね」をし、品質の悪い商品を売りつける。で、自分の利益にしていく。社会では毎日毎日もっと大変な思いをして働いている人がたくさんいる。自分もそうなる。この商売にももちろん苦労はあるのだろうが、見た感じ、簡単に稼いじゃうよ、みたいな雰囲気。さらにたちが悪いのは自分たちが悪いことをしている、と気づいていない場合だろう。自分も会社にだまされ、いいことをしていると思い込まされてしまっている。半分宗教だ。帰宅し、その会社の名前を検索してみるとカルト集団、と書いているところもあった。

いつか痛い目にあうだろう。そうでも考えないとやっていけない。また、自分たちでもそれにひっかからないよう十分な注意が必要である。

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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (KiLi)
2006-04-22 23:20:25
>しかし!ここでびっくりなことが伝えられる。



>イベントを行う会社、マルチ商法を行っている会社だというのだ。



誰から伝えられたの?
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Unknown (harborbeeline)
2006-04-23 17:24:28
バイト先の人からだよ
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Unknown (Unknown)
2006-04-25 04:07:00
それにしても、ズッコの体験談を読んでマルチ商法が実在するってことが真に感じられたよ。手を出したくない部類だが、一体連中をそうまで駆り立てているのは何だ? 負の連鎖?



>バイト先の人からだよ

自ら「ピンはね」という程だからわからなくもないけど、ずいぶん開き直っているね。それを言って退かない人がいると思っているようなら、たいした信者達だ。
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Unknown (Unknown)
2006-05-07 06:51:33
ハーバーライフか??
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Unknown (harborbeeline)
2006-05-07 23:39:08
>Unknownさん

いや、違います。でも一応全国区で活動しているようです
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