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「春風萬里荘」に行ってきました

2017-10-10 12:52:18 | 日記

 
「春風萬里荘」の茶室、3畳控えの間から見たつくばいと鹿威し(ししおどし)

今、日本は“芸術の秋”ともいえる季節のさなかということでしょうか。
一昨日は同級生と茨城県笠間市に行き、笠間神社と笠間日動画廊分館「春風萬里荘」によってき
ました。中学時代の同級生で、実業の世界でそれなりに成功した友人の別荘とやらでお世話にな
り、そこから霞ヶ浦沿いに周回のドライブをしたのでした。この8月でしたか、船の中から花火見物
をさせてもらったのもこの友人でした。

今回は6人でしたけど、人生とやらの実学的勉強をさせて頂いたということでもありました。
その友人の成功体験の話を聞き、その関連業界の裏面的な打ち明け話には、日本社会、人間社
会、業界社会のある一面を典型的に照らし出すということでもあります。もちろん、かれが違法行為
や不法行為の要件を満たすような何かをしたというわけではありません。彼自身の優れた才覚の
中で、また社会・業界の慣習的な一連の流れの中で、かれは事業の成功という結果を勝ち取った
というわけです。

彼からはいろいろな話を聞くことが出来たのですが、専門の話はともかく、お金の話を聞きながら
ドストエフスキーの『未成年』の主人公のことを思いだしたりしたのです。その物語はほとんどが
忘却の彼方の世界です。しかし、お金に対する人間の志の多様性や強弱という問題は、各人さま
ざまな個性・人格の違いという陰影のなかで、“人生とはなにか”という課題にぶち当らざるをえな
いとおもうのです。確かにお金は欲しいもの。しかし、「人はパンのみにて生くるにあらず」とい
う側面が、切実かつ真にあるわけです。今回の衆議院選挙の投票も、このパンの問題という視点
から投票するべき候補者を判断することも、不可能ではないと思います。

しかし、小学・中学の同級生同士という関係性というのは、懐かしくてせつなくて愛おしいような、
高校時代以降の同級生や友人との関係性とはちがった、少し不思議で特別ななにかを感じるの
です。

この「春風萬里荘」ですけど、このグループのメンバーでも行かれたかたが何人もいるはずです。
春風萬里荘は、魯山人が鎌倉に住んでいたときの住居を昭和40年に北鎌倉から移築した建物
だそうです。僕は笠間市の本館の存在はしっていたのですが、この分館については知りません
でした。また魯山人と言っても、著明な文化人ということぐらいしか知らず、大した期待もせずに
お付き合いをして行ったわけです。でも、行ってみてほんとうに良かったですね。
ここに行ったことがないかたで気が向いた方は、上記のリンクからぜひそのHPにアクセスしてみ
てください。

そして、実はここも、長島さんの版画展とおなじく「写真撮影可」でした。
それで、写真をたくさん撮らせていただいたのです。敷地内には縁側に面した小さめの石庭も
ある のです。そこでゆったりとした時間を過ごすこともできます。また部屋の中では、干菓子付き
のお抹茶を格安で味わえます。庭に面した縁側でも、部屋のなかの高級座卓(多分)の所でもど
ちらでもいいのだそうです。干菓子はすこし甘口だったのですけど、その抹茶の味とはよくあい
ましたですね。

ところで、この山荘の収蔵品のなかに驚いたものがありました。
魯山人が設計したという茶室があるのですが、その茶室の掛軸に驚いたのです。いまネット
で検索したら茶室の中の掛軸というのは、「……茶事における主旨・主題が書かれてある、まさに
主役となるお道具です。この掛軸の書はほとんどが禅語なので……」ということらしいのですが、
この掛軸を見た瞬間はほんとうに驚き、わが目を疑ったのでした。

この掛軸のことばは禅語ではなかったのです。どういうことばが書かれていたと想像しますで
しようか。そのことばの中には片仮名も書かれていたのです。僕は見た瞬間に違和感を感じて
アレッ……!そして、掛軸のちかくによって眼鏡をかけ直してから文字をよく見てみたのです。

そうしたら、何ということかまったく場違いとおもえる文字が、ことばが書かれていたわけです。

「神は死んだ者の神ではなく 生きている者の神である」マタイ22:32 日動画廊 長谷川仁

さっそく、この長谷川仁さんについて受付の女性に聞いてみたところ、日動画廊の創業者なの
だそうです。そして、日動画廊を開設する前には牧師をやっていた方で、ご本人もクリスチャン
だということです。僕は、そうなんだという納得をえて、その受付の女性にお礼の言葉を述べさ
せていただいたという次第でした。

日動画廊はパリにもあるのですね。国内にも数ヶ所が、また台北にも。数寄屋橋交差点のソニー
ビル(この3月閉館)のならびに日動画廊はあります。殆どのかたはご存知だし、入ったこともあ
るのではないかと思います。僕はなぜか、この日動画廊という名前には昔から懐かしさを感じて
しまうのです。

この長谷川仁さん(笠間市出身、元プロテスタントの牧師ー明治学院大学神学科卒ー)
http://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/9773.html  
履歴の詳細
http://www.weblio.jp/content/%E9%95%B7%E8%B0%B7%E5%B7%9D%E4%BB%81
履歴の簡易版

掛軸について一ウイキペデイア一(掛軸の詳細がわかります。掛軸各部の名称が細かく命名さ
れているので驚きます。誰がいつこうした術語として命名するのか。歴史的な経緯がありそ
うですが)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8E%9B%E8%BB%B8

掛軸の種類について(掛軸専門店のHPで掛軸の種類が写真で紹介されています。この山荘
の掛軸は「書・墨蹟」と言う種類に属するみたいです。山水(彩色)、山水(水墨)とか7種類が)
http://www.jingudo.com/aw.html