合宿の参加者は10名になりました。
Yさんが、翌日合流して下さることになりました。
ひさしぶりにいく熱海地方の明日のお天気は、雨のようです。
九州地方を縦断する台風の影響で、風も強くなるのでしょうか。
テレビのニュースでは、東北や北海道の一部が、立て続いた台風
の影響でたいへんな被害になってしまった状況をつたえてくれます。
繰り返される過酷な自然災害というものをどの様に考えたらいいのか?
たとえば宗教者は、こうした自然の人間にたいする残酷な仕打ちともいえる
事態を、自身の信仰の次元でどのように位置づけ、考えようとするのでしょうか。
こうした問題意識というのは、あらゆる宗教にとって昔からある本質的な課題の一つ
でもあるのだとおもうのです。
そして、この問題をどのように信仰者個人の信仰の課題として、また教義として考える
ことが出来るのか。このことについての各人の応答の質という問題は、その真偽性とは
言わなくても、その宗教の本質を照明するような側面があると思うのです。
ここは、なんだか、ほとんど自分でも分らないことを書いているのですけど。
しかし、明日から熱海地方の雨風がつよくなる可能性もあるということで、雨にもまけず、
風にもまけないように楽しくいきたいものです。と、このフレーズからは当然のことながら、
宮沢賢治の「雨ニモマケズ」を連想してしまいます。
そして宮沢賢治なのですが。熱心な法華経の信仰者でもあった宮沢賢治はカトリックの
修道者と同じように生涯を独身で通し、かつじぶんと関係した周囲の人たちへ献身とも
いえる生き方を貫きつづけたということのようです。
ウイキペディアによると、宮沢賢治と自然災害とは因縁めいた関係があるそうです。
「誕生の年と最期の年に大きな災害があったことは、天候と気温や災害を憂慮した賢治の
生涯と何らかの暗合を感ずると宮澤清六は指摘している。地震直後に詩人の大木実(1913年
-1996年)へ宛てた見舞いの礼状には、「海岸は実に悲惨です」と津波の被害について書いている」
賢治が生まれた年に起こった災害というのは明治三陸地震。亡くなった年の地震は昭和三陸地震
だそうです。 ウイキペディア「宮沢賢治 」
いま居るこの部屋のテレビの前には、昔、花巻市の宮沢賢治記念館で買ったミニ衝立?が
あります。それには、下記の賢治の詩「雨ニモマケズ」が印刷されてます。この詩はだれでも
一度は、聞いたり、読んだりしたことがあるはずです。
若いころに参加していた読書会の主催者であった教師も、そこで時々ご一緒したり、ぼくの結婚式
の証人もして頂いた児童文学を専攻されていたかたも、まちがいなく熱心な賢治の読者でした。
吉本隆明さんも、賢治についてたくさん書かれています。
賢治のファンとはいえなくても、賢治を好きな人はたくさんいると思います。ぼくは賢治の本をほと
んど読んでいないのです。でも宮沢賢治という名前をきくと、すこしばかり真面目な気持ちになって
しまいます。
しかし、その、それがどうしたのかね、ということなのですが。
そのつまり、ぼくの頭の中の理念らしきもののなかには、賢治のこの詩の理念のうつしのような形骸
だけは、あるともいえそうなのです。
そして、またしても、それがどうしたというのかね!ということになってしまいます。
賢治論の一部では、病跡学てき側面からのアプローチもされているみたいです。異論反論、いろいろ
あってこそ、まさしく賢治が人間であることの証明なのだとおもうのです。
しかしきみね!合宿のことを書くだけでやめておけば良いのに、余計なことをゴタゴタと書きすぎるから、
またXさんの温情あふれる顰蹙?をかうことになるのだ。
これ以上飲むのはよしにして、明日にとっておきたまえ。分りもしないことをごちゃごちゃ書くという悪趣味
はよくないよ、ということですね。
宮沢賢治 「雨ニモマケズ」
雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ
小サナ萓ブキノ小屋ニヰテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ朿ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ
北ニケンクヮヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒドリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ
南無無辺行菩薩
南無上行菩薩
南無多宝如来
南無妙法蓮華経
南無釈迦牟尼仏
南無浄行菩薩
南無安立行菩薩
底本:「【新】校本宮澤賢治全集 第十三巻(上)覚書・手帳 本文篇」
筑摩書房1997(平成9)年7月30日初版第1刷発行
(以上「青空文庫」 から)