せまったるい白さの中で
ただやみくもに透明だけをむしろぅ
ありふれた切なさの中で
ただ僕だけが自分の透明を追いかける
逃げてゆく君の手の中で
掴み取れない色だけを見る
大きな妄想のたまごの中で
小さな現実だけを見ている君が居る
まどろむ景色のねむたい君のために
僕はぼくの世界に広がる歌をうたう
ブランコの上でハンモックを夢見る君だから
僕は背中を押すのも忘れて
ただ君の世界をさまよう
腕を忘れた職人のように
透明な手で、君に触れるために
僕は透明な自分を、ただいつも死の世界から取り出そうと
現実と名付けられた君の世界に苦悩する。
「現実?」それは君のことだろう
君が目覚めずにいつまでも眠っている
その碧い虫カゴのことだろう
「透明?」それはいつも陽の光に照らされて
いつまでも焼けただれている
僕の影のことだろう
やみくもに、やみくもに、その厚みの向こうにある、
透明な白さだけを追う
痛みの中にだけ、存在を隠す君がいるように
まっすぐに、君の瞳の向こう側を見る
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