嘘の吐き方(うそのつきかた)
人はみんな嘘をついていると思います。僕もそうです。このページが嘘を吐き突き続ける人達のヒントになれば幸いです。
 



僕にとって、もっとも正確に描写し細部まで記憶できる物
それが妄想だった。
そして何一つ解らないままで曖昧に過ぎ去る物
それが現実だった。
それは僕を僕と認識し、意味づけするには
十分すぎるほどの言い訳だったし
また、実際にその通りだと思っていた。

狂気とは何だろうか
日常の中にある非日常
そのような解もあるかもしれない。
だけどもっとも僕にピッタリくるもの
──それは性癖だ。

なぁ教えてくれよヘブン。
ヘブンは今日そこに居なかった。

僕は目の前にある光景がなんなのかうまく理解できなかった。
そして僕は陰毛を一本だけ引き抜いて咀嚼した。
なんの味もしない。
間違いない、これは現実だ。

本の魅力というのは
何の音もしないところだと思う。
そしてコンピューターの魅力はうるさい音だ。

隣の部屋からベッドのぎしぎし軋む音が聞こえ
姉貴の喘ぎ声が聞こえてきた。
僕は身体が震えてその場に居るのも怖くなった。

小学生の登校する様子を二階の窓から眺めて
僕は射精した。
特に誰かが辱められているわけでも
妄想したわけでもないのに
僕は抜いた。

なぜそんなもので抜けるのか
また、なんでそんな事をしようと思ったのかもわからなかったけど
僕にはそうするしか無かった。

部屋の真ん中で大の字に寝そべって泣いた
何が悲しいのかまるでわからなかったが
泣かないと何かが壊れてしまいそうだった。

そうだシャワーを浴びなくちゃ
熱いシャワーを浴びなくちゃ
僕は設定温度を45℃にして
浴槽の中で歯ぎしりしながら
ぬるいシャワーを浴びた。

助けて助けて
誰か助けて
もうしませんもう僕は二度と悪い事なんかしないから
ずっとずっといい子でいるから
だから誰か僕に触れて僕を抱いて僕を抱きしめて
嫌だよ怖いよお母さん怖いよ
お母さん凄く怖いよ
なんで誰も見ないの
なんでクラスの誰も僕を見ないの
誰か見て誰か助けて
居ないの?僕は居ないの?
僕はここにいないの?

何の音も聞こえなかったけど
僕は確かにシャワーを浴びていた。


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