私が現実についてもっとも好むのは現実が優しいところである。
私は私を見ない
私は私を考えない
私は鏡を見ない
私は私を知らない
じつは私はいない
私は透明
光も闇も音も帽子も本なく
なにもないところを見つめる事は困難を要する
なにもない真理を知ればとたんに観測者は崩壊を余儀なくされる
無は無を映し出し
そして私の崩壊が始まる──
現実はいつも真理から遠く遠く離れ
私に嘘を教え続けてくれる
痛みの衝撃で私に嘘を吐き続ける
こんなカラッポの私にさえ、痛みを与え、あなたはそこにいるのよ、
と優しく微笑みかけるのである
こんにちは、現実さま、お噂はかねがね拝聴しております
あなたの事は存じ上げております
どうかこのわたくしに嘘をお与え下さいますよう、、。
私は私を見れない
私は私を考えられない
私は私の鏡を見れない
私は私を知り得ない
私は私がどこにいるのか発見できない
私の私はとっても透明
こんな私の事を人は嘘吐きだと言うのです
私は嘘吐き
私は嘘吐き
私も嘘吐きになれる?
では私の私は嘘吐きなのかしら
私は嘘吐きを見ない
私は嘘吐きを考えない
私の鏡は嘘吐き
鏡よ鏡、世界で一番嘘吐きなのはだあれ?
それはアナタです。
まぁ本当?なぁんて嘘吐きなのかしら
もはや嘘吐きは居ない
嘘吐きは透明
現実のもっとも美しい魅力は現実が現実を見せ続けてくれる事である
私は現実を見る
私は現実を考える
私は現実で鏡を見る
私は現実で私を知る
じつは私が現実
現実は真っ黒
ともすれば現実は私を突き放し、私に私を見せようとするのである
私はどこ?
私はだれ?
ここはだれ?
わたしはどこ?
変化の真理は私に変化を強要し、私に圧力を加え、私を変化させる
私は進化する
私は退化する
私は変化する
私は変化した私になる
私は変化したつもりになる
変化は私を変化させたと思わせる
そして私は私自身が変化なのだと思い込む
私は変化
変化が変化
何か変かしら…
現実のめまぐるしい変化は私を常に崩壊させ、変化すれば私が現実になれると教える
君も変化すれば私になれるんだよ、と語る現実はどこか甘い囁きを持っている
あなたは誰
あなたはどこにいるの
あなたは何故あなたなの
あなたはどうして現実なの
白い白い、透明な現実を探している
涙が出るほど透明な現実感を探している
私は現実を探している
私は私の中に現実が無い事をしっている
私はもはや私たりえない
現実だけが私を私にしてくれる
現実だけが私を私にする衝撃の痛みを持っている
白い白い、透明な現実感で私を現実の虜にしてください
現実の中で透明になっていく私を想像して
私は想像の中でむせび泣くのです
ああ、私は現実の中に居る
私は現実になれるかもしれない
現実にワタシは居るんだ…
存在者が思考によって現実の存在者たらしめる時代が終わる時
私の中にいる透明なワタシはどうやって私を私たらしめるのか
透明でカラッポの支配者を透明によって打ち砕く物語は
まだ生まれきってはいない
透明の透明による透明な透明のための革命で
ようやく透明なワタシは透明な物語の中に身を置く事を許されるのである
わどさん、あなたは白いエクリチュールを探して下さい
僕はきっと、僕の物語の中にあなたの影を見る事ができるでしょう
僕の中であなたはまだ、冷たく光っているのだから。
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おやすみみみ。