嘘の吐き方(うそのつきかた)
人はみんな嘘をついていると思います。僕もそうです。このページが嘘を吐き突き続ける人達のヒントになれば幸いです。
 



心を亡くしてしまったことを思い出して、
フイに悲しくなる。

失くしてしまったのは心ではなくて時間だと冷静に自分で思ったりはするのだけど
間違った時間が進んでいく現実を一人の個人が止められるはずもないし、
僕が無くした拘りを取り戻せるわけでもない。
破壊された感受性や、失った鈍感さを、
青臭さを大人にぶつけたって取り戻せはしないことぐらい、
もうわかりすぎてしまっている。

唯一心が救われるな、と思うのは
僕が童貞のまま、誰とも交わらずに死んでいけることぐらいか。

そうは言っても、もうとっくに様々な毒を取り込みすぎているし、
たくさんの食事を咀嚼し過ぎた。

この先ぼくは、強制的に大人の世界にひきづられていって、
社会の歯車の一つになって、
若者に世の中にはびこっているメディアの常識みたいなウイルスやミームの類いを
知ったかぶりの先輩づらで説教するのかと思うと、
正直反吐が出そうになる。

メンタルが壊れていくような作品と出会えるのは面白い。
自分が壊れていくような衝撃を受ける文化と出会えるのは愉しい。
ただ、そうした愉悦は、ほんの一瞬で終わってしまうし、
滅多に出会えるものではない。

だから僕らは、ただ日々を生きることに必死になるのではなくて、
生活だけを、地に足のついた生活基盤だけを支えるのではなくて、
もっと芸術を愛さなくてはならない。

たとえ人を愛せなくとも、
誰か他人を愛することが出来なくとも、
涙が出るほど感動する嘘の世界を、
僕らは愛し続けなくちゃならない。

立ち止まって考え続け、悩み続けることでしか、
現実を突き動かす大人の暴力には 立ち向かえないのだから。

「そういえば、会社でお金の話ばかりするおじいさんの先輩に遺産相続と節税に関するアドバイスをもらった。ぶん殴ってやりたいけど、今は耐えることにする。」

おじいさんを感動させるほどの言葉を、僕の人生は紡ぎ出していない。
「死ね、次の世代の若者よ。」

それだけが、彼らに現実を見せることが出来る。



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