暴力衝動を、ずっと隠し持っているような気がする。
必死に誰にも隠して、見つからないようにどこかへ埋め込んだ気がする。
あの時、浴槽のバスタブに自分を打ち付けて確認しようとした存在
シャワーを浴び続けて、浴びるほどに悲しくなっていった存在
吐き気を呑み込んで、逆流する事を、防ぎ続けた存在
どれもこれもが、痛みによってしか、確認することのできなかった存在
なにもかもが、存在、それ自体に、必死で救いを求めて
もし、存在する事さえ確認できたら、それで幸せなんじゃないかって、
そんな100%を求めて、なにもかもを、知ろうとした。
けれど僕は知ろうとするたびに、それが知る事のできない秘密のベールに包まれている事を知る。
だから僕は、もっとミクロなものさしで、もっとマクロなものさしで、
すべてを測って、それらを統合して、今を知る事によって、
自殺という、背理法に繋いだ。
今でも僕は、君を殺したいと思う。
君を破壊したいと思う。
形をバラバラにしてやりたいと思う。
でも、僕にはそれができない。
同じように、僕の形をバラバラにしたくて、僕は痛みを求めた。
激しく苦しい痛みの中で、僕は結局、僕の殻に閉じこもった。
それが切なくて、それが苦しくて、結局僕は、何度でも脱皮を試みる
それでもまだ、僕のセミは、運命を打ち破る翼を広げない。
僕の-セミ、だからなのかな?と思った。
僕から羽ばたいて、飛んでいくセミなら、あの白い翼で、世界をよごす事ができるんだろうか。
ほんの一瞬でも、空から君におしっこをかけて、
あれ?なんだこれ?って、奇妙な不思議さを落っことす事ができるんだろうか。
素数の音で泣くセミ
素数の羽根で羽ばたくセミ
素数の鼓動で、恋するセミ
セミの声が聞こえる
あの夏から、ずっと僕の耳に聞こえている
それが悲しくてそれが苦しくて
たった一週間を、何年にも、何十年にも、閉じこもって引き延ばして
時が経てば経つほど、それはあの一瞬の中で輝くセミなのに
それが悔しくて、土の中に卵を。
ほんのひとかけらの雫で
ほんの一瞬の魔法のしたたりで
奇跡のような卵をそこに産むから
だからまた、セミは恋をする。
だれかに食べられるために
だれかに出会うために
なにかにぶつかるために
なにかと寄り添うように
いつもいつも、セミの声は、漸近線で儚くて
僕の真横を通り過ぎる
まるでホタルが光るように、
蝉の声は僕の耳に遠く光る。
その光がまぶしくてその熱さがうるわしくて
僕はまた、涙のような一滴で夢を見る
セミの声を聞いて。
たとえイルカに食べられる運命だとしても、
鳴いている、あのセミの声を聴いて。
ずっとずっときこえている。
僕の中で、君の中で。
すべてを殺す、つんざくような悲鳴に似ていて
それでいて、儚く美しい。
助けてよケイ、あのセミを、助けてあげて。
僕はたぶん、暴力には勝てない。
必死に誰にも隠して、見つからないようにどこかへ埋め込んだ気がする。
あの時、浴槽のバスタブに自分を打ち付けて確認しようとした存在
シャワーを浴び続けて、浴びるほどに悲しくなっていった存在
吐き気を呑み込んで、逆流する事を、防ぎ続けた存在
どれもこれもが、痛みによってしか、確認することのできなかった存在
なにもかもが、存在、それ自体に、必死で救いを求めて
もし、存在する事さえ確認できたら、それで幸せなんじゃないかって、
そんな100%を求めて、なにもかもを、知ろうとした。
けれど僕は知ろうとするたびに、それが知る事のできない秘密のベールに包まれている事を知る。
だから僕は、もっとミクロなものさしで、もっとマクロなものさしで、
すべてを測って、それらを統合して、今を知る事によって、
自殺という、背理法に繋いだ。
今でも僕は、君を殺したいと思う。
君を破壊したいと思う。
形をバラバラにしてやりたいと思う。
でも、僕にはそれができない。
同じように、僕の形をバラバラにしたくて、僕は痛みを求めた。
激しく苦しい痛みの中で、僕は結局、僕の殻に閉じこもった。
それが切なくて、それが苦しくて、結局僕は、何度でも脱皮を試みる
それでもまだ、僕のセミは、運命を打ち破る翼を広げない。
僕の-セミ、だからなのかな?と思った。
僕から羽ばたいて、飛んでいくセミなら、あの白い翼で、世界をよごす事ができるんだろうか。
ほんの一瞬でも、空から君におしっこをかけて、
あれ?なんだこれ?って、奇妙な不思議さを落っことす事ができるんだろうか。
素数の音で泣くセミ
素数の羽根で羽ばたくセミ
素数の鼓動で、恋するセミ
セミの声が聞こえる
あの夏から、ずっと僕の耳に聞こえている
それが悲しくてそれが苦しくて
たった一週間を、何年にも、何十年にも、閉じこもって引き延ばして
時が経てば経つほど、それはあの一瞬の中で輝くセミなのに
それが悔しくて、土の中に卵を。
ほんのひとかけらの雫で
ほんの一瞬の魔法のしたたりで
奇跡のような卵をそこに産むから
だからまた、セミは恋をする。
だれかに食べられるために
だれかに出会うために
なにかにぶつかるために
なにかと寄り添うように
いつもいつも、セミの声は、漸近線で儚くて
僕の真横を通り過ぎる
まるでホタルが光るように、
蝉の声は僕の耳に遠く光る。
その光がまぶしくてその熱さがうるわしくて
僕はまた、涙のような一滴で夢を見る
セミの声を聞いて。
たとえイルカに食べられる運命だとしても、
鳴いている、あのセミの声を聴いて。
ずっとずっときこえている。
僕の中で、君の中で。
すべてを殺す、つんざくような悲鳴に似ていて
それでいて、儚く美しい。
助けてよケイ、あのセミを、助けてあげて。
僕はたぶん、暴力には勝てない。