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日本版SOX法による内部統制報告書の作成義務付けについて

2007-09-22 20:40:33 | Weblog
人材サービス各社,財務・法務の派遣拡充 NIKKEI NET

 金融商品取引法第24条の4の4第1項には「第二十四条第一項の規定による有価証券報告書を提出しなければならない会社(第二十三条の三第四項の規定により当該有価証券報告書を提出した会社を含む。次項において同じ。)のうち,第二十四条第一項第一号に掲げる有価証券の発行者である会社その他の政令で定めるものは,事業年度ごとに,当該会社の属する企業集団及び当該会社に係る財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するために必要なものとして内閣府令で定める体制について,内閣府令で定めるところにより評価した報告書(以下「内部統制報告書」という。)を有価証券報告書(同条第八項の規定により同項に規定する有価証券報告書等に代えて外国会社報告書を提出する場合にあつては,当該外国会社報告書)と併せて内閣総理大臣に提出しなければならない。」とある。
会社法においても内部統制システム(「取締役(執行役)の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適正を確保するために必要なもの」)の構築が求められているが,「財務報告」に係るそれは明示されていない(会社法施行規則第100条,同第112条参照)。


金融商品取引法の関連条文

(目的)
第一条  この法律は,企業内容等の開示の制度を整備するとともに,金融商品取引業を行う者に関し必要な事項を定め,金融商品取引所の適切な運営を確保すること等により,有価証券の発行及び金融商品等の取引等を公正にし,有価証券の流通を円滑にするほか,資本市場の機能の十全な発揮による金融商品等の公正な価格形成等を図り,もつて国民経済の健全な発展及び投資者の保護に資することを目的とする。

(財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するための体制の評価)
第二十四条の四の四  第二十四条第一項の規定による有価証券報告書を提出しなければならない会社(第二十三条の三第四項の規定により当該有価証券報告書を提出した会社を含む。次項において同じ。)のうち,第二十四条第一項第一号に掲げる有価証券の発行者である会社その他の政令で定めるものは,事業年度ごとに,当該会社の属する企業集団及び当該会社に係る財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するために必要なものとして内閣府令で定める体制について,内閣府令で定めるところにより評価した報告書(以下「内部統制報告書」という。)を有価証券報告書(同条第八項の規定により同項に規定する有価証券報告書等に代えて外国会社報告書を提出する場合にあつては,当該外国会社報告書)と併せて内閣総理大臣に提出しなければならない。
2  第二十四条第一項の規定による有価証券報告書を提出しなければならない会社であつて,前項の規定により内部統制報告書を有価証券報告書と併せて提出しなければならない会社以外の会社(政令で定めるものを除く。)は,同項に規定する内部統制報告書を任意に提出することができる。
3  前二項の規定は,第二十四条第五項において準用する同条第一項の規定による有価証券報告書を提出しなければならない会社(第二十三条の三第四項の規定により当該有価証券報告書を提出した会社を含む。)のうち政令で定めるものについて準用する。この場合において,第一項中「政令で定めるもの」とあるのは「政令で定めるもの(特定有価証券(第五条第一項に規定する特定有価証券をいう。以下この項において同じ。)の発行者に限る。)」と,「事業年度」とあるのは「当該特定有価証券に係る特定期間(第二十四条第五項において準用する同条第一項に規定する特定期間をいう。)」と,「当該会社の属する企業集団及び当該会社」とあるのは「当該会社が行う資産の運用その他これに類似する事業に係る資産」と読み替えるものとするほか,必要な技術的読替えは,政令で定める。
4  内部統制報告書には,第一項に規定する内閣府令で定める体制に関する事項を記載した書類その他の書類で公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして内閣府令で定めるものを添付しなければならない。
5  第六条の規定は,第一項又は第二項(これらの規定を第三項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)及び前項の規定により内部統制報告書及びその添付書類が提出された場合について準用する。この場合において,必要な技術的読替えは,政令で定める。
6  第二十四条第八項,第九項及び第十一項から第十三項までの規定は,報告書提出外国会社が第一項又は第二項の規定による内部統制報告書を提出する場合(外国会社報告書を提出している場合に限る。)について準用する。この場合において,同条第八項中「外国会社(第二十三条の三第四項の規定により有価証券報告書を提出したものを含む。以下「報告書提出外国会社」という。)」とあるのは「外国会社」と,「第一項の規定による有価証券報告書及び第六項の規定によりこれに添付しなければならない書類(以下この条において「有価証券報告書等」という。)」とあるのは「第二十四条の四の四第一項又は第二項(これらの規定を同条第三項において準用する場合を含む。)の規定による内部統制報告書及び同条第四項の規定によりこれに添付しなければならない書類(以下この条において「内部統制報告書等」という。)」と,「外国において開示(当該外国の法令(外国金融商品市場を開設する者その他の内閣府令で定める者の規則を含む。)に基づいて当該外国において公衆の縦覧に供されることをいう。第二十四条の四の七第六項及び第二十四条の五第七項において同じ。)が行われている有価証券報告書等に類する」とあるのは「内部統制報告書等に記載すべき事項を記載した」と,同条第九項中「,当該外国会社報告書に記載されていない事項のうち公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして内閣府令で定めるものを記載した書類その他」とあるのは「その他」と,同条第十一項中「有価証券報告書等」とあるのは「内部統制報告書等」と読み替えるものとするほか,必要な技術的読替えは,政令で定める。

(訂正内部統制報告書の提出)
第二十四条の四の五  第七条,第九条第一項及び第十条第一項の規定は,内部統制報告書及びその添付書類について準用する。この場合において,第七条中「第四条第一項又は第二項の規定による届出の日以後当該届出がその効力を生ずることとなる日前において,第五条第一項及び第六項の規定による届出書類」とあるのは「内部統制報告書及びその添付書類」と,「届出者」とあるのは「内部統制報告書の提出者」と,「訂正届出書」とあるのは「訂正報告書」と,第九条第一項中「届出者」とあるのは「内部統制報告書の提出者」と,「訂正届出書」とあるのは「訂正報告書」と,第十条第一項中「届出者」とあるのは「内部統制報告書の提出者」と,「訂正届出書の提出を命じ,必要があると認めるときは,第四条第一項又は第二項の規定による届出の効力の停止」とあるのは「訂正報告書の提出」と読み替えるものとするほか,必要な技術的読替えは,政令で定める。
2  第六条の規定は,前項において準用する第七条,第九条第一項又は第十条第一項の規定により内部統制報告書又はその添付書類について訂正報告書が提出された場合について準用する。この場合において,必要な技術的読替えは,政令で定める。
3  第二十四条第八項,第九項及び第十一項の規定は,第一項において読み替えて準用する第七条,第九条第一項又は第十条第一項の規定により外国会社が提出した内部統制報告書の訂正報告書を提出する場合について準用する。この場合において,必要な技術的読替えは,政令で定める。

(賠償責任に関する規定の準用)
第二十四条の四の六  第二十二条の規定は,内部統制報告書(その訂正報告書を含む。)のうちに重要な事項について虚偽の記載があり,又は記載すべき重要な事項若しくは誤解を生じさせないために必要な重要な事実の記載が欠けている場合について準用する。この場合において,同条第一項中「当該有価証券届出書の届出者が発行者である有価証券を募集又は売出しによらないで取得した者」とあるのは,「当該内部統制報告書(その訂正報告書を含む。)の提出者が発行者である有価証券を取得した者」と読み替えるものとするほか,必要な技術的読替えは,政令で定める。

会社法の関連条文

(取締役会の権限等)
第三百六十二条  取締役会は,すべての取締役で組織する。
2  取締役会は,次に掲げる職務を行う。
一  取締役会設置会社の業務執行の決定
二  取締役の職務の執行の監督
三  代表取締役の選定及び解職
3  取締役会は,取締役の中から代表取締役を選定しなければならない。
4  取締役会は,次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。
一  重要な財産の処分及び譲受け
二  多額の借財
三  支配人その他の重要な使用人の選任及び解任
四  支店その他の重要な組織の設置,変更及び廃止
五  第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項
六  取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備
七  第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除
5  大会社である取締役会設置会社においては,取締役会は,前項第六号に掲げる事項を決定しなければならない。

(委員会設置会社の取締役会の権限)
第四百十六条  委員会設置会社の取締役会は,第三百六十二条の規定にかかわらず,次に掲げる職務を行う。
一  次に掲げる事項その他委員会設置会社の業務執行の決定
イ 経営の基本方針
ロ 監査委員会の職務の執行のため必要なものとして法務省令で定める事項
ハ 執行役が二人以上ある場合における執行役の職務の分掌及び指揮命令の関係その他の執行役相互の関係に関する事項
ニ 次条第二項の規定による取締役会の招集の請求を受ける取締役
ホ 執行役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備
二  執行役等の職務の執行の監督
2  委員会設置会社の取締役会は,前項第一号イからホまでに掲げる事項を決定しなければならない。
3  委員会設置会社の取締役会は,第一項各号に掲げる職務の執行を取締役に委任することができない。
4  委員会設置会社の取締役会は,その決議によって,委員会設置会社の業務執行の決定を執行役に委任することができる。ただし,次に掲げる事項については,この限りでない。
一  第百三十六条又は第百三十七条第一項の決定及び第百四十条第四項の規定による指定
二  第百六十五条第三項において読み替えて適用する第百五十六条第一項各号に掲げる事項の決定
三  第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の決定
四  第二百九十八条第一項各号に掲げる事項の決定
五  株主総会に提出する議案(取締役,会計参与及び会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関するものを除く。)の内容の決定
六  第三百六十五条第一項において読み替えて適用する第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において読み替えて準用する場合を含む。)の承認
七  第三百六十六条第一項ただし書の規定による取締役会を招集する取締役の決定
八  第四百条第二項の規定による委員の選定及び第四百一条第一項の規定による委員の解職
九  第四百二条第二項の規定による執行役の選任及び第四百三条第一項の規定による執行役の解任
十  第四百八条第一項第一号の規定による委員会設置会社を代表する者の決定
十一  第四百二十条第一項前段の規定による代表執行役の選定及び同条第二項の規定による代表執行役の解職
十二  第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除
十三  第四百三十六条第三項,第四百四十一条第三項及び第四百四十四条第五項の承認
十四  第四百五十四条第五項において読み替えて適用する同条第一項の規定により定めなければならないとされる事項の決定
十五  第四百六十七条第一項各号に掲げる行為に係る契約(当該委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定
十六  合併契約(当該委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定
十七  吸収分割契約(当該委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定
十八  新設分割計画(当該委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定
十九  株式交換契約(当該委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定
二十  株式移転計画の内容の決定

会社法施行規則の関連条文

(業務の適正を確保するための体制)
第百条  法第三百六十二条第四項第六号 に規定する法務省令で定める体制は,次に掲げる体制とする。
一  取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
二  損失の危険の管理に関する規程その他の体制
三  取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
四  使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
五  当該株式会社並びにその親会社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
2  監査役設置会社以外の株式会社である場合には,前項に規定する体制には,取締役が株主に報告すべき事項の報告をするための体制を含むものとする。
3  監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合には,第一項に規定する体制には,次に掲げる体制を含むものとする。
一  監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項
二  前号の使用人の取締役からの独立性に関する事項
三  取締役及び使用人が監査役に報告をするための体制その他の監査役への報告に関する体制
四  その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制

(業務の適正を確保するための体制)
第百十二条  法第四百十六条第一項第一号 ロに規定する法務省令で定めるものは,次に掲げるものとする。
一  監査委員会の職務を補助すべき取締役及び使用人に関する事項
二  前号の取締役及び使用人の執行役からの独立性に関する事項
三  執行役及び使用人が監査委員会に報告をするための体制その他の監査委員会への報告に関する体制
四  その他監査委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
2  法第四百十六条第一項第一号 ホに規定する法務省令で定める体制は,次に掲げる体制とする。
一  執行役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
二  損失の危険の管理に関する規程その他の体制
三  執行役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
四  使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
五  当該株式会社並びにその親会社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制

(事業報告の内容)
第百十八条  事業報告は,次に掲げる事項をその内容としなければならない。
一  当該株式会社の状況に関する重要な事項(計算書類及びその附属明細書並びに連結計算書類の内容となる事項を除く。)
二  法第三百四十八条第三項第四号 ,第三百六十二条第四項第六号並びに第四百十六条第一項第一号ロ及びホに規定する体制の整備についての決定又は決議があるときは,その決定又は決議の内容の概要

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