法律の周辺

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他人の名刺の不正使用について

2007-09-04 23:58:17 | Weblog
女性と交際したくて…他人の名刺を不正使用し男逮捕 Sankei Web

 刑法第167条第2項には「他人の印章若しくは署名を不正に使用し,又は偽造した印章若しくは署名を使用した者も,前項と同様とする。」とある。私印等不正使用罪の保護法益は,印章・署名の真正に対する公衆の信用。刑法各論の体系においては社会法益に対する罪に位置づけられる。
さて,本罪の署名については,主体がみずから書く自署に限るとの説もあるが,記名を含むとするのが通説・判例。これに拠った場合は,他人の名刺の不正使用,私印等不正使用罪の構成要件に該当することになりそうだ。名刺は取引上重要性を有する。一般論としては,これに対する信頼を保護する必要性は高い。


刑法の関連条文

(私印偽造及び不正使用等)
第百六十七条  行使の目的で,他人の印章又は署名を偽造した者は,三年以下の懲役に処する。
2  他人の印章若しくは署名を不正に使用し,又は偽造した印章若しくは署名を使用した者も,前項と同様とする。

(未遂罪)
第百六十八条  第百六十四条第二項,第百六十五条第二項,第百六十六条第二項及び前条第二項の罪の未遂は,罰する。

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