法律の周辺

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会計監査人に対する株主代表訴訟の提起について

2006-05-09 09:49:16 | Weblog
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 記事から離れて恐縮だが,会社法においては,会計監査人の責任も株主代表訴訟の対象となった。それでは,会社法施行前の会計監査人の行為につき,株主代表訴訟を提起することは可能だろうか。

この点,整備法第55条の「損害賠償責任について」は,損害賠償責任の存否及び消長をいうとされている。責任追及の方法は,存否・消長いずれにも関わらない。
よって,整備法第55条の「従前の例による」の文言にかかわらず,株主代表訴訟の提起は可能ということになる(会社法第847条)。いや,別にけしかけるつもりはないのだが ^^; 。


「会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」の関連条文

(会計監査人の損害賠償責任に関する経過措置)
第五十五条 旧商法特例法の規定による会計監査人の施行日前の行為に基づく損害賠償責任については,なお従前の例による。

会社法の関連条文

(責任追及等の訴え)
第八百四十七条 六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては,その期間)前から引き続き株式を有する株主(第百八十九条第二項の定款の定めによりその権利を行使することができない単元未満株主を除く。)は,株式会社に対し,書面その他の法務省令で定める方法により,発起人,設立時取締役,設立時監査役,役員等(第四百二十三条第一項に規定する役員等をいう。以下この条において同じ。)若しくは清算人の責任を追及する訴え,第百二十条第三項の利益の返還を求める訴え又は第二百十二条第一項若しくは第二百八十五条第一項の規定による支払を求める訴え(以下この節において「責任追及等の訴え」という。)の提起を請求することができる。ただし,責任追及等の訴えが当該株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式会社に損害を加えることを目的とする場合は,この限りでない。
2 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については,同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては,その期間)前から引き続き株式を有する株主」とあるのは,「株主」とする。
3 株式会社が第一項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しないときは,当該請求をした株主は,株式会社のために,責任追及等の訴えを提起することができる。
4 株式会社は,第一項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しない場合において,当該請求をした株主又は同項の発起人,設立時取締役,設立時監査役,役員等若しくは清算人から請求を受けたときは,当該請求をした者に対し,遅滞なく,責任追及等の訴えを提起しない理由を書面その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。
5 第一項及び第三項の規定にかかわらず,同項の期間の経過により株式会社に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には,第一項の株主は,株式会社のために,直ちに責任追及等の訴えを提起することができる。ただし,同項ただし書に規定する場合は,この限りでない。
6 第三項又は前項の責任追及等の訴えは,訴訟の目的の価額の算定については,財産権上の請求でない請求に係る訴えとみなす。
7 株主が責任追及等の訴えを提起したときは,裁判所は,被告の申立てにより,当該株主に対し,相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。
8 被告が前項の申立てをするには,責任追及等の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。

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