老後の練習

しのび寄るコドクな老後。オヂサンのひとり遊び。

『パオの物語』

2009-07-13 00:55:36 | 映画
きのう、今日と土日とはいえクライアントからの電話を待ったりとか、ニッポンからのスタッフが来るのを迎えに行ってホテルで打ち合わせしたりとかで中途半端な休日。先週もまったく同じだったからこんなことが日常化するととてもじゃないがやってられない。野生の馬の面倒も見なきゃいけないから平日休むわけにもいかないし。やれやれ。。

で、今日は午前中だけ自由の身だったので久しぶりにDVDを仕入れに旧市街のお店へ。ベトナム映画っ、っていってるのに全然違うのひっぱり出してきたりで買うのもひと苦労だったが4枚買って3枚はベトナム制作のベトナム映画だったから前回よりは収穫があった。
で、最初に見たのがコレ。正式な邦題は『モン族の少女 パオの物語』。どこかで見覚えのある写真だと思ったら去年あたり、渋谷のシアター・イメージフォーラムでやっていたのを思い出した。

モン族とはこの前も書いたベトナム北部山岳少数民族のひとつ。色鮮やかな民族衣装で有名。東ヨーロッパの雰囲気に通じるものがある。それとパオというのはモンゴル人の可搬式住居のことではなく主人公の少女の名前で、お話し的には母を訪ねて海底二〇〇〇〇里、みたいな、カワイソスギ映画で、、、。詳しくはホームページでっ、ということにして、映画全体としてこれもこの前書いたサパとか、もっと山奥の少数民族の住んでいる村の風景とかが、もうホントにきれいで、、実際にはキタナイ部分も当然あるのはわかっていても、その上またこのパオを演じるドー・ティ・ハーイ・イエンちゃんがケナゲな山ムスメをチョーかあいく演じていてオヂサン的にはもうどうにでもしてくれ的展開。音楽もあまりにそれっぽすぎるのだが、現代シャカイの病理みたいなものをたまには忘れて、こういう素朴な映画作りに身を任すのもいいのではないかと思ったりして。

ただ選挙速報が気になって画面を二つ並べてアッチ見たり、コッチ見たりしてたので若干集中を欠いたが結果オーライ。

監督はゴー・クアン・ハーイ
2006年、ベトナム映画。

ロータス、グリーンライス、MAKI

2009-07-12 00:07:54 | ベトナム
ニッポンの桜のようなものがベトナムではロータス。蓮。6、7月の2ヶ月間、町中にロータス娘ならぬロータスおばはんが自転車の後ろに花の束をたくさん積んで走りまわる。たまに売り言葉を歌のように歌いながら。今日のコレはひと束が10本で20,000ドン、110円。茎が長かったのでハサミで切ったがかなり硬かった。鼻を近づけると甘いというのではなく、青っぽい香りがかすかに漂う。

家に花瓶がなかったので車で少し遠くの市場に行って、コッチの人が何かを漬け込むのに使う蓋つきのガラス瓶を買った。60,000ドン、330円。
茎がまっすぐ伸びてシャキッとしたのがいいロータスで、ウチのは花瓶にさしたら花の重みでだんだん垂れてきた。

昼は久しぶりにフレンチのVerticaleへ。相変わらず盛り付けがゲイジツ的に美しい。今日珍しかったのがデザートに出てきたグリーンライスの、なんと言ったらいいのかシャーベットの付け合わせみたいなもの。グリーンライスは文字通り緑色の米で、油で揚げてサクサクになったのを軽く練ってシャーベットの下に敷いてあった。
食べ終わって1階のスパイスショップを覗いていたらシェフのCorlouさんがいてMAKIっていう名前のスパイスがジブンの知っているニッポン人の女性の名前からMAKIにしたみたいな話をしてくれた。きれいな料理の本が32ドル。コレはそのうち買うと思う。

やもり

2009-07-10 00:02:29 | 風景
毎日いろんなことがある。今日は帰りにエレベーターのボタンを押そうとしたら何か動くものがあったのでよくみたらヤモリのカズトヨがステンレスの板に懸命にへばりついてちらりとコッチを見ていた。
で、さっさとバイバイして最近よく行くバーでビールを2杯飲んで家に帰ってスパゲッティをゆでて瓶詰めのトマトソースをかけて食べた。
日常のひとコマってやつだ。

『Gardien de Buffles』

2009-07-08 00:12:25 | 映画
この前買った映画で最後まで置いといたのがコレ。最初の方だけ一度見て、あまりのリアリズム、というか、地味さ加減に最後まで見る気がしなかった。
邦題は「バッファロー・ボーイ」!?!。このタイトルで上映されたのかどうか知らないが2005年のアジア海洋映画祭、ってコレもまだやってるのかどうか知らないが、そこでグランプリを獲っている。

ストーリーはベトナム南部のデルタ地帯の農村を舞台に、ひとりの若い男がジブンが飼っている水牛と一緒にいろんなことを経験しながら成長していく、みたいな、じつに健全なモノ。特に驚くような話の展開もなく、ひたすらリアリズム。
雨季のメコンデルタの風景が、ホントに水に首までつかりながら日常生活を送っているような感じで、移動するのも立って漕ぐ小さなボートか、それこそ水牛と一緒なら水につかって歩いていくしかなくて、でもって水牛のほうは犬かきみたいにして泳いでいくのが何度も水中から映し出された映像がジツに水の濁りといい、水牛のゆっくりとした牛かきといい、いい絵だったと思う。
1930年代のフランス統治時代の設定ということで、農民の貧しさと対照的にピカピカの制服を着た兵隊サンの表情とか動きが、ホントにそこだけが不自然にぎこちないように見えたのはわざとなのかどうか。制作がフランス・ベルギー・ベトナムの共同だということは、植民地として統治していたのを、統治されていた側からはリアルに描ききれなかったということか。もしかして。

2004年、監督はグエン・ヴォ・ギエム・ミン。

サパ

2009-07-05 18:50:36 | ベトナム
木、金とホーチミンシティでオザシキ3件こなしてきて、きのうは土曜だというのにワリとシビアなのが1件あって、やれやれってな感じでやっと週末だと思っていたらきのうの夜の10時にコッチのスタッフからあした=今日=日曜にまた朝から1件入りましたってメールが来て、、こんなはずじゃなかったのに。で、ソノおシゴトもなんなくこなしてやっと遊べると思っていたら今朝からの雨がしとしとと降り続いている。この前、車の中から家の近くにダラットワインのショールームがあるのを見つけてそこに行こうかとか、DVD屋にベトナム映画を仕入れに行こうかとか、いろいろ考えていたのだがあえなく引きこもり週末になりそうな雰囲気。

それはそれとしてきのうの夜はニッポン人出張者を社内接待、とかいいながらワリ勘。こっちの言いかただとシェーっ。以前にスタッフと昼ご飯を食べに行ったとき、いざ支払いになって上司であるワタシが一人120円くらいの昼ご飯代を気前よく全員分払おうとしたら後ろからみんながシェーシェーいうもんだから、あの片足上げて赤塚センセのポーズでシェーってやってるのかと思ったらシェアーって言ってたつもりだったっていうしょうもないジョーダン。
まあそれもそれとして、ソノ出張者がメシの前に布系のおみやげ屋に行きたいというのでシルクの店を何軒かのぞいた後でココへ。北部少数民族の刺繍などのお店でニッポン人には有名なところ。でもすいててヨカッタ。

サパというのはベトナム北西部の小さな町の名前でその周辺に山岳民族がたくさん住んでいる。で、藍染の布にカラフルな刺繍をしたのが民族衣装になっていてそういうのでバッグとかテーブルクロスをつくって売っているのがコノ店。大きな布でケッコウいいのがあったのだが、店のオトコのニホン語トークがなんとなくウサン臭くてなんかだまされて買わされてるみたいな気になって結局、コノ小さな肩掛けカバンを購入。地味なのを選んだつもり。
ちなみにベトナムの少数民族は全部で53あって、その53の民族全体で人口の10パーセントくらいを占めている。クニの政策としては安定的な発展のためにそういう人たちの力が不可欠であるということからかなり重点的に保護している感じ。なぜかクワシイ。

まあそれすらもそれとして結局雨は降りやまず、ジツに中途半端に週末が終わろうとしていて今週1週間、セイシン的に持つかどうかビミョーな感じ。



今年前半の芝居。。

2009-07-01 22:45:34 | 演劇
2年前くらいに芝居熱が復活して今のコノ不自由な身でもニッポンに帰る日は観たい芝居の日程に合わせて決める。この先は今月、定期健康診断で帰って3本、来月も夏休みで帰って2本、9月にはまた会社の会議があって、コレばっかりは自分で日を決められないから今のところ未定。あとは年末。で年間15本くらい。サキが短いのに全然少ない。
復活というからには前にもよく見ていた時期があって数えるともう20年前くらい。その頃は蜷川幸雄サマのシェークスピア野外劇を芝の増上寺境内に見に行ったりとか、今や大センセーの野田秀樹サまの夢の遊眠社にキャンディーズの蘭ちゃん出るのを見に行ったりとか、あとはエライ難しい太田省吾センセの転形劇場とか六本木の俳優座とか、緑魔子サマと石橋蓮司サマが御出になられた唐さんのを隅田川のほとりのアンドー忠雄センセの足場劇場に見に行ったりとか、日比谷の日生劇場は今も変わらずあるし、歌舞伎の玉三郎サマが目と鼻の先で演じラレたベニサンピットはもうないし、20年というのはあっという間にしては長い。

で、今や芝居の世界は30代前後の人たちがコレでもか、というくらい次から次に出てきて阿佐ヶ谷スパイダースの長塚圭史サンとか、イキウメの前川知大サンとか、はたまたキワモノ系の第一人者、ポツドールの三浦大輔サンとか、、新国立の小劇場で知ったモダンスイマーズの蓬莱竜太サンとか、同じくサスペンデッズの早船聡サンとか、今月初めて見に行くペンギンプルペイルパイルズ、、、って舌噛みそうな劇団の倉持裕サンとか、あとはもう巨匠の域に入らんとしている五反田団の前田司郎サンとか、もはや世界的なチェルフィッチュの岡田利規サンとか、もう一人この人を忘れてはいけない劇団、本谷有紀子の本谷有紀子サンとか、、それともう一人、30代ではないが同世代で大好きなラッパ屋の鈴木聡ちゃんがいる。
ことばが悪いがイモヅル式に次から次におもしろそうな劇団に出くわしてぜんぜん商い、いや飽きない。だいたいほとんどがおもしろいのだが、3回のうち1回は若干スベル感じで、普通におもしろいのが1/3あって、残りの1回は今日まで死なないでよかったくらいにおもしろい。で、もう今年も7月になったので忘れないように今年前半に観てよかったのを書いておこうかということで、、

まずは、「片手の鳴る音」/サスペンデッズ。こういうストレートなの好きぃー、みたいな。題名と中身がここまで関係ないのも気持ちいい。次に「愛の渦」/ポツドール。腰の動きがハゲしかった。シアタートップスがなくなってしまったのはキワメテ残念。キワメツケは「ブラジル」/ラッパ屋。もういうことなし。観ないとコノ面白さはわからない。
ほかにイキウメの「関数ドミノ」も良かったし、モダンスイマーズの「夜光ホテル」もしびれましタ。

でも3月からコッチに来て種蒔きし続けていたのがだんだん芽が出てきて、もしかしたらコレからジゴク的な忙しさに突入のケハイも。そうしたら芝居見に帰るのも難しくなって、、ヒソカにやばい雰囲気。