老後の練習

しのび寄るコドクな老後。オヂサンのひとり遊び。

『桜姫』 @シアターコクーン

2009-06-10 00:40:06 | 演劇
きのうのハノイは今年最高の暑さで40度くらいまでイッた。土日のホーチミンシティより暑かった。ホントまじで。昼にオフィスの近くのイタ飯屋まで歩いたが途中でクラクラしてきた。6、7月はこんな感じだっていうから8月まで生き延びられるかどうか。といっても昼間に外を延々と歩いたりすることはめったにないわけだが。
で、夜中に空港に行って相変わらずの大混乱の中、チェックインして、手荷物検査して、出国審査して、、みたいにワタシは順調に通り抜けてきたのに、ツレのオッサンが出国できなくてなんと家に帰って行った。ビザが切れてるのに大丈夫デスかって前から聞いていたのに労働許可があるから大ジョービとか言って。。結果的には全然ダメだったってこと。ワタシはしっかりビザとってあったし。
それにしても足アナ航空だかアシ穴航空だかのスッチーはヒトが手荷物検査で並んでいるのに次から次に割り込んできて、アノ国じゃいまだにスッチーはお高くとまってるってことか。制服はかなりカアイイのに腹の中は黒々している。


それでもって深夜の飛行機で今朝また成田に着いて家に帰って一休みしてまた芝居。今回はこのために帰ってきたわけじゃないが、帰ったその日にツマとムスコがタカラヅカの追っかけで夜いないとかで、それじゃワタシも、というわけで。明日以降かなりシビアなシゴトがあるのでそういう現実からの逃避でもある。
Bunkamuraがやっているコクーン歌舞伎の一環と聞いていたのでそれほどイキたかったわけではなかったのだが脚本が長塚圭史サンで、この前テレビを録画してあっちで何度も見ている「アジアの女」を書いた人。その人が鶴屋南北サンの名作歌舞伎「桜姫」を今風にアレンジしたというのでコレは見ないわけにいかない。切符的には今までで一番高かったけど。

ワタシとしては歌舞伎の知識がまったくないので、歌舞伎が原作ということがどういうことを意味しているのかもわからないのだが、まあかるく調べるとこんな感じ。かなりハゲシイ濡れ場もあった。
見た感じでは歌舞伎はリアルな芝居というよりは生と死とか現実と幻想とか、そういう表と裏を行ったり来たりしているようなそういうもので、コノ長塚サンのもそういうところを拡大して、過去も未来も意識の中で作られるもので今だけが確かな現実、みたいな、、こうやって今を生きていることのリアリティーって何?みたいなところに焦点があてられていた。
崖の下の臭いどぶのような世界が唯一確かな場所として描かれていて、そういう生れながらの区別みたいなものが生きていく上では、というか罪なく死んでいく上では意味のないものだという主張が最後の10分間に凝縮されていて一気に盛り上がった。

大竹しのぶは16歳の女とか墓守りの役とか存在だけで圧倒的。中村勘三郎の芝居はどれも同じに見える。

2009.6.9 渋谷Bunkamura、シアターコクーンにて。