土曜日にカリフォルニアのビーチで編み物をしていたのはエディット・ピアフ。日曜は沖縄・与論島の砂浜で小林聡美が真っ赤なマフラー編んでいる。秋の夜のDeja vuか。それとも今年の流行り?流行りといえばチョウチンみたいなショートパンツにひざが隠れるくらいの黒い長靴下履いて、、上は薄いTシャツみたいなのにボテっとした感じのジャケットでしょ、ってのは女子の今年の流行。太ももが細くて白ければそれなりに悪くない。また、話がそれた。
映画のほうは同じ監督の前作「かもめ食堂」と似たような雰囲気で、もたいまさこにぴったりの様式化?された芝居が淡々と進行していく。前作では事件的なできごとも少しはあったが、今回はそれもほとんどなし。べたべたした人間関係の説明なんかまるでない。
南の島に旅行しにきた小林聡美が、はじめのうちはなにもしないで、ただ「たそがれ」ているだけの周りの人たちになじめずにいるのが、ある日、宿に着いたときに引きずっていた重い荷物を道端に捨て去るあたりから変わっていく。
旅行の目的を聞かれて、ケイタイのつながらない場所に行きたかった、というあたりがこの映画のミソ。じゃあ、電源切っておけば、っていうのでは、あまりにも現代社会の複雑さを理解していない。電波の届く範囲内にいるということ自体が、ワレワレにとってはストレスのモトになっているのだ。
薬師丸ひろ子がチョイ役で出ていて、世の中の一方にある共同社会幻想のようなものへの誘惑をうまく見せている。一緒に畑を耕して、一緒にオベンキョーして、一緒に喜びを分かち合いましょう、、みたいな。一緒にザンギョーして、一緒にカラオケ行って、一緒に給料カットに耐え忍びましょうっていう、カイシャのキモチ悪いヤツラと同じ。
で、編み物は規則正しい現代社会の中に生きることの小腸、いや象徴として描かれていて、きれいに編んだ編み目をあるときほどいてバラす。まあ、そういうシンボリズムがやや鼻についたが、こういうなんにも起こらない映画というのも前の日のとは正反対でおもしろい。作り物のカンドーやら、異常で特殊なジケンやらに飢えている今の社会に、何かを言いたいってことなんだろうが。それなのに日テレが絡んでいるってのには???くらいの疑問。
2007年、監督:荻上直子。
10/8 横浜みなとみらい・109シネマズにて
映画のほうは同じ監督の前作「かもめ食堂」と似たような雰囲気で、もたいまさこにぴったりの様式化?された芝居が淡々と進行していく。前作では事件的なできごとも少しはあったが、今回はそれもほとんどなし。べたべたした人間関係の説明なんかまるでない。
南の島に旅行しにきた小林聡美が、はじめのうちはなにもしないで、ただ「たそがれ」ているだけの周りの人たちになじめずにいるのが、ある日、宿に着いたときに引きずっていた重い荷物を道端に捨て去るあたりから変わっていく。
旅行の目的を聞かれて、ケイタイのつながらない場所に行きたかった、というあたりがこの映画のミソ。じゃあ、電源切っておけば、っていうのでは、あまりにも現代社会の複雑さを理解していない。電波の届く範囲内にいるということ自体が、ワレワレにとってはストレスのモトになっているのだ。
薬師丸ひろ子がチョイ役で出ていて、世の中の一方にある共同社会幻想のようなものへの誘惑をうまく見せている。一緒に畑を耕して、一緒にオベンキョーして、一緒に喜びを分かち合いましょう、、みたいな。一緒にザンギョーして、一緒にカラオケ行って、一緒に給料カットに耐え忍びましょうっていう、カイシャのキモチ悪いヤツラと同じ。
で、編み物は規則正しい現代社会の中に生きることの小腸、いや象徴として描かれていて、きれいに編んだ編み目をあるときほどいてバラす。まあ、そういうシンボリズムがやや鼻についたが、こういうなんにも起こらない映画というのも前の日のとは正反対でおもしろい。作り物のカンドーやら、異常で特殊なジケンやらに飢えている今の社会に、何かを言いたいってことなんだろうが。それなのに日テレが絡んでいるってのには???くらいの疑問。
2007年、監督:荻上直子。
10/8 横浜みなとみらい・109シネマズにて