老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

神戸の街  (3)

2015-11-14 15:02:35 | 俳句


神戸の元町の高架下商店街を歩いていると、木の彫刻を展覧している会場があったので覗く。
目に飛び込んできたのは、木目の美しい女性の後ろ姿。
ふくよかなお尻。くびれた腰。
裸の下半身だが、これを見ていると、胸、どんな顔をしているのか?等々、想像が湧いてくる。働く女が湯あみした後か、白い肌から立ち上る湯気が匂う。
ケン氏が触れて下さい、かまいませんから、お顔を寄せて匂って下さいと言ってくださる。
木の質感から、醸し出すエロティックな生々しさを感じとって欲しいのだろう。



おちんちが付いているから、男の子だ。

     ☆   曼珠沙華どれも腹出し秩父の子   金子兜太

ふーと兜太のこの句が浮かんだ。
ませた少年が、大宙に、大きく羽ばたこうとする意思を感じる。
何かを掴みとろうとしている、大きな手。しかしどことなく、哀しみを含んだ笑み。

もう片方は、手だか、足だか、手袋を履かせている。
かくれんぼをしていて、早く見つけてと言っているような、ユーモアがある。



翼のように、沢山の手袋を重ねて、今にもどこかへ、飛んで行ってしまいそうな彫刻。
ギリシャ神話のイカロスは、背中に羽があった。
この彫刻は両の手が翼になっている。飛べる、飛べないは別にして、なんだか、大きな望みを持ちながら、叶わなかった、不安があるような感じ。アイロニーとも。



これらの作者はフランス人アーティスト KENJI BERTHEAU SUZKI
(ケンジ ズズキ氏)
1958年 パリに生まれる。
 77年 フランコ、ジャポネ卒業
 80~85年 パリーアールデコ(フランス国立装飾美術学校)で学ぶ
 91年 トゥールーズ 市営地下鉄の記念碑プロジェクトで受賞
 94年 在パリ日本文化会館での記号システムコンテストで一等賞
との略歴の芸術家だそうである。
2011年のビエンナーレの協賛事業で神戸に来てから、神戸が気に入り今回がで三回目の展覧会になるそうである。



「明日、オープニング、パーティーがあるから、ぜひいらして下さい」だって。
11月23日~11月28日は横浜べ展覧会を開くそうである。

      
      冬の薔薇髪に挿しゐる占師

      日の短か失ひしものさがす街

      鍵落とす音の響くや美術展

      

       

コメント
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