老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

藍の湘風

2015-07-16 16:05:13 | 俳句
     ★   刈りすすむ藍の匂ひな中にかな   豊川湘風

     ★   刈り頃の匂ひの流る藍の風

     ★   藍の出来裏付けされている暑さ




ドライブをしていて、藍を刈っているのに出会った。
湘風先生の事を色々と想い出した。私の俳句の先生だ。俳句の( は )から教えて下さった先生。
先生はご自分で、富安風生世の鞄持ちだったといつも嬉しそうにおしゃっていた。

風生先生に連れられて、虚子 の句会に行くと、「君君、風生さんのお弟子さん」と呼ばれたとか。。。。

   ★  みちのくの伊達の郡の春田かな

 この句は先生のお供で、東北へ仕事で出かけたとき、列車の中で風生先生がお作りになったと、おしゃたり。。。。
風生先生はこの時、郵政省の 事務次官だから、湘風先生は秘書官を勤めていた。
郵政省は俳句が盛んで、富安風生は職場文芸の大宗をなしていた。
列車の中での真偽のほどは解らないが、風生さんに秘書官として仕えたいたから風生さんの句作りの途中、途中の場で見ていたには違いない。周りの人から、「そろそろ俳句をおやりなさい」と、言われて俳句を始めたとおしゃていた。
この俳句にまつわる話が面白かった。お逢いして句会の後の、役所人生の話も興味をそそられて楽しかった。
風生先生から、地域がら、藍に取り組めとのアドバイスから、一生、藍を主に詠み続け、藍の湘風 と自他ともに認められている。
    



藍を刈っていた現場、昨日は34度の暑い日。太陽が容赦なく照り付ける最中の過酷な中での藍刈り作業。写真を撮らせてもらっているだけだ汗が噴き出してくる。

   ★   炎天の空を拝んで藍を刈る   湘風

 洗濯をするほど紺色が美しく冴えてくることは、現代の科学を以ってしても、これに勝る染料は合成されていない。
藍刈を見ていると、この労力の結晶の賜物の色が 私の好きな 藍色 だと思えた。

 郵政省はどこへ転勤しても、俳句はついて廻る職場環境のおかげで、先生は俳句作りを継続し、退職後も「俳句」が残ったと、おつしゃる。

   ★   阿波に刈る一番藍は君のもの   西本一都

   ★   藍の香に藍倉の香に阿波踊り   豊川湘風




     昨日のしりとり俳句
         日の盛り港に古い倉庫群
         一望に海の展がり藍を刈る
         弘法の水湧く茶屋や心太
         地球儀の北極点に天道虫
         天と地のあわいに生きて藍を刈る

               オソマツ



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする