おとといの夜 女子生徒からメールが来た。
「College will be colsed tomorrow coz 2 boys of inside hostel fell off the roof 」
なにいいいいい!?
鳥肌が立つ。 寮生が屋上から落ちたってことは・・・・ 何? 自殺? 事故?
自分の生徒かも・・・・むちゃくちゃ 心配。
翌朝 学校に確認をとると 「授業はあるので、学校に来るように」と言われた。学生2名は入院中だが無事らしい。
いつものようにスクールバスに乗って向かうと、バスが学校校門前で停車。
下りて校門に近づくと、
なんと 男子学生150人が 座り込みストライキをしているではないか!!
しかも どうやらほとんどが1年生らしく、1年生は日本語が必修なので、ほとんど私が知ってる顔!
は? なんで? なんで? お前達、どーした? なんでこんなことになってる?
チンプンカンプンのまま 校門に近づくと
教え子達が 私に気がついて 大声で他の生徒に「道を開けろ!」と言いながら 私を校内へ誘導してくれた。
すると 一人の生徒が近寄ってきて
「学校は 屋根から落ちた生徒の治療費を払わないんだ! ひどい!」と言ってきた。
その後、私が集めた情報によると
2人の寮生(1年生)が 夜、寮の屋上から景色を眺めていた。そして足を滑らせ屋根から落ちた。
その原因は、学校側が 寮の工事をちんたらやっていて ずーっと工事中だったからだ。だから 今 病院に入院中の2人の生徒の高額な入院費、治療費を学校が払うべきだ!
と 学生達は主張しているのだそうだ。
学校に 「授業はあるから来い」と言われたが、授業どころではなかった。
校舎のシャッターは下り、学生が入れないようになっていた。
裏口から校内に誘導され、いつも使っている待合室で待機するように言われて待っていると、気がついたら裏口のシャッターも下りていて 閉じ込められていた・・・
アヨヨー
まあ 出れたけど。
昼前に 校長、教頭が、ストライキをしている学生達と話し合いをしたが
話し合いまとまらず
校長、キレてしまった。
「お前達には 1ヶ月 授業をうけさせない! これから1月2日まで休校だ!
寮生も、今すぐ荷物をまとめて 全員出て行け!」
アヨヨー
予想外の結果になった。
まさかの 校長の逆ギレ。
私は、ストライキが行われている校門付近で その様子を傍観していた。
ストライキが解散されて 寮生が自分の荷物をまとめるために校舎に入ってきた。
ほとんどが自分の生徒なので、生徒がどんどん私の方にやってきて
「!! センセー!? センセ、 オハヨゴザイマスー!
」
と にこやかインディアン思春期スマイルで言ってくる。
おいおーい
お前達よー 状況わかってますかー? ストライキの後でも やっぱり思春期か・・・。
でも 数名は私のほうにやってきて 輪になって囲まれる。
「センセイ I'll miss your class.... This is not the way should be...」
とまともなことを言う生徒もいた。
そういう子は たいていクラスでもまとめ役で
たいてい キョコセンセ親衛隊のメンバーだ。(はい 自画自賛です いけませんか?!)
彼らの話によると、ストライキに参加した生徒の半数は、校長の決断に反対で、「授業を受けたい」と主張したが 全く聞き入れてもらえなかったらしい。。。
まあ 残り半数は 「授業なくなって ラッキー!大好きなママに会える!」という超ミラクル楽観主義者であろう。
私 「Anyway, Whatever the decision is,
as long as it's a principle’s decision, we have to follow it. 」
学生達 「はい。」
私 「Umm But I’m sure you guys will forget everything what we've leant so far during this one month holiday..」
学生達 「いいえ! いいえ!センセ!いいえ!!
」
私 「はい!」
学生達 「いいえ! いいえー!
」
必死に否定する思春期ボーイズ。
中には お母さんに日本語を頑張ってるって電話で言ってるんだ。だから休校中も勉強するんだ!という 学級委員長もいた。
思春期なのに マザコン。 新しいジャンルだ。
いいねー いいねー 日本にはいないぜ。そういう思春期ボーイズ。かわいーじゃん
しかし
「休校になって残念だ」といってるときは 沈痛な面持ちで話していたのに、
私 「では さようなら」
学生達 「はい! センセ、 Happy new year!
」
笑顔ーーーーーー! むちゃくちゃ 笑顔ーーーー!
しかも おまけに Happy new year かよ! むちゃくちゃ1ヶ月の休み楽しむ気満々やんけ!
学級委員 「Ah! No, No!」
お、何 何? Happy new yearという発言が この状況に不適切ということが
わかったのか?
学級委員 「センセ? (満面の笑み) Merry X'mas! サヨナラー!
」
おおおおおおおおおおおおおおおい!
お前達、 New year day だけでなく X'masも楽しむ気か!?
もおおお
笑わせないでくれ。
とゆーーーことで
まだ1ヶ月半しか授業してないのに、1ヶ月ちょっと 休校になった。
でもインドのことだから、2週間後くらいに いきなり授業再開になったりしそうだけど。
せっかく大人数クラスで 工夫して なんとかひらがなの定着率もあがって 再来週にはPeriodical Testをやる予定だったのに、前日の夜遅くまで起きて テストの概要をまとめた校長宛のレターを作ったのに、問題用紙も作ったのに、
残念だなー
1ヵ月後 また1からやり直しか。
ま、仕方ないね。
こういう事は 決して「インドだから」って訳ではないと思う。
トンガでも あったよ こーいうことは。 つーか 日常的にあったし。断水ってだけで休校だったからね。
本島で起きた暴動後も休校になったし、私の前任者は教員のストライキで大事なテスト前に ずーっと休校で大変だったと言っていたし、
つまり、こういうことが起きる国のほうが 世界では大半なんですよ。きっと。日本とかが特別なのよ。
日本だって 数十年前は学生運動が盛んで 当時の学生はほとんど学校に行けなかったらしいし。
むしろ、
今の日本は、同じ学年の寮生が屋根から落ちても、ここまで熱くならない。
「へー そうなんだ。まあ 学校が寮の工事をいつまでもやってるからだよねー
かわいそー」
それで終わり。 否定はしないけど、なんか温度が低いよなー
まあ 今回のストライキに参加した生徒の中には 「休校になるかもしれないから」 「みんなで騒ぎたいから」という気持ちで参加した生徒も多いだろうけど
それでも なあーーーんも感じず こうやってストライキなんてすることもなく
てきとーに授業受けて 親の仕送り金で飲み会三昧の日本の大学生より
ここまで熱く何かを主張するインド人大学生が 好きだなー とあたしは 思ってしまった。
理由が 「同級生がかわいそう」であれ「休校にしたい」であれ、自分の意見を熱く主張すること、権力に立ち向かってまで主張すること。 そういうのって 今の日本にもないし、トンガの国民性にもなかった。
トンガでは暴動が起きても、相変わらずの「何とかなるでしょー」的な考えで、学生が立ち上がることもなかった。学生が自分の意見や 考えで動くことは ほとんどなかった。
インドは やはり生きるパワーが 強い。
それぞれの国には それぞれの良さがあるし、熱く何かを主張することが 必ずしもいいこととは限らないけど、
いーよ いーよ 若いうちはさ、 そうやって何事にも熱く どんどん行動しちゃいなよ YOU
行動して、それが間違っていたら、周りがちゃんと叱ってくれるよ。インドなら。
時に理不尽かもしれんが・・・(笑)
正しくても 間違ってても 行動しちゃいなよ YOU
何にもしないで 何事にも無関心な若者よりは いいよ。
まあ 教師としては このストライキを「よく やった!」と言うことは出来ないし 詳しい状況も知らないし、どこまで大学に過失があったのかもわからん。
学生の感情的な主張なだけかもしれん。
私はあくまで部外者だから何もいえないけど、 でも インドの大学生ってみんな いいとこの お坊ちゃま お嬢ちゃま って聞いてたから、ちょっと今回のストライキは いい意味での衝撃でした。
ま、1ヶ月休校だけど 学生があたしを大好きなのは変わんないしぃー
あたしが学生大好きなのは 変わんないしぃー
この日 生徒に囲まれて 「授業なくなって残念」とかいろいろ言われて
やっぱり 嬉しかった。
そして おとといメールで休校のことを教えてくれた女学生は
「Please, Don't forget me during this holiday...」という内容のラブメールを送ってきてくれた。 かあいいーねー
ま とりあえず1ヶ月 大学の授業はないので
英語の勉強、小旅行、他の先生の企業レッスン見学等を しましょうかね。
まずは インド訛りの英語を なんとか聞き取れるようにしないと・・・
正直 全然聞き取れない。 スーパーマーケットが スーパルマルケットになるのですから。
せっかくの時間。やれることは たくさんあるさー やんくるないさー
でも 早く生徒に会いたいなー