はい、ひさびさのぶらぶらツアーは インド編です。
おととい 会社のインド人スタッフ、スリニバサン(通称スリさん)のおうちに遊びに行った。
スリさんは見た目、非常に怖い。。。というか なんだかよくわからぬオーラがある、、、。
話し方も 非常に威圧的であり(悪い意味じゃないよ) とにかく気軽に話せる感じではない。
が、 その実は
非常に優しい人なのだ。
とくに 愛娘2人の話になると、強面が一気に ふにゃふにゃになる。ニッコニコして、「My daughter is very good!!」と 娘自慢をしてくる(笑)
スリさんの娘 左ディヴィヤちゃん 右 ラヴィヤちゃん
大学の授業が休校になったので、しばらくJLPT(日本語能力試験)4級の試験対策講座を受け持っていたことはすでに述べたが、その時 生徒の中に スリさんの愛娘 ディヴィヤちゃんもいました。
ディヴィヤちゃんは非常に賢い子で、試験まで1週間しかないという超短期コースの内容を、誰よりも早く理解し、習得し、模擬テストの点数を100点くらい上げたのでした。また ディヴィヤちゃんはお喋りが好きな子なので、スピーキング能力も1週間でぐんと伸びました。教師の私も、こう教えがいがあると非常に楽しかった。
んで、ディヴィヤちゃんを受け持つことになった日 スリさんが
「キョコサン、Please. Please help my daughter」と言ってきた。
で、次の日は
「キョコサン、 your teaching is very good!」と言ってきた。
で、次の日は
「キョコサン、I like your song!」と言ってきた。(私は授業で暗記しなくてはいけない語彙や文法を歌にして覚えさせる)
で、次の日は
「キョコサン、Oh、you need rice 」と ランチブレイク中にパン4枚食べている私に 自身のお弁当であるココナッツライスを全部差し出してくれた。
いや、無理やり食べさせられた。私は 「ココナッツライスが食べたい」とは一言も言っていないのに、また、すでに食パン4枚を食べている最中だというのに、「You need rice」とは どういうことか・・・・。
炭水化物ばかりじゃないか。。。
つまり 父親は 娘のことが関係すると まあ いてもたってもいられないらしい。
そんなこんなで スリさんには以前よりまして気に入られ、また娘のディヴィヤちゃんとも仲良くなり、
「センセ、ワタシノウチニ キテクダサイ」(お誘いby ディヴィヤちゃん)
「You come to my house」(反強制 by スリさん)
というお言葉に甘えて、お邪魔してきた。
スリさんちまで バスで約2時間。
インドでは バス停の標識などないので、ちゃんと目的地で降りられるか心配だったが、気がついたら
爆睡していた。
んで、乗り合わせた心優しいインド人のおばちゃんに起こされ、なんとか目的地でバスを降りることに成功。
スリさんの長女ラヴィヤちゃんが バスを降りた場所までスクーターで迎えに来てくれたので、スクーターに二人乗りしてスリさんちへ。
まず驚いたのが スリさんの奥さん スジャータさが若くて美人だったということだ。いやー お見合い結婚でもさ、こんなに気立てのいい美人さんをもらえて スリさんは幸せ者だわ。 とても優しくて明るい人で、大好きになりました。年齢も私の母親と同じくらいで、すっごく親しみがわきました。
↓ スジャータさん
ランチにスジャータさんの手料理を頂いたのですが、こりゃまた 旨い!!!私がマサラドーサが好きだということを聞くと、その場でちゃちゃちゃとマサラドーサを作ってくれた。
↓ ホームメイド マサラドーサ! 旨し!
んで、「外国の人むきに、今日は
フライドライスを作った!」と嬉しそうに話してくれた。
しかし、何故か
フライドライスを炊飯器で作っていたが、そのことには敢えて触れなかった、、、。
フライドライス。フライしてあるから フライドライス。
でも 世界は広い。フライしてなくてもフライドライスなのだ。そうだ。そうさ。なんでも 固定概念を捨てることは大事だぜ。
インドではいつもそうなのだが、食事中 わんこそば的に どんどん料理がもられていく。 トンガ時代を思い出した。
胃袋の限界がきても、出されたものは全部食べたいという気持ちから 無理して食べてしまう。
そのうち 胃袋が混乱して 「まだ食べられる」という錯覚に陥り、胃袋がはちきれる寸前まで食べてしまう。
そう、私はトンガでこうやって太ったのだった。
でも いーの いーの。たくさん食べることで、料理を作ってくれた人が嬉しそうな顔をするのを見ることが 私は好きなのだ。
食後は スリさん一家とのトークで盛り上がる 盛り上がる!たくさん笑った!スリさんが こんなにもジョークを言う人だとは知らんかった。(ブラックジョークだが。)
娘さんたちと、インドの歌や、日本の歌を歌ったりもした。
そして 話ている間も 何かしら口に入れるものを与えられていた。気がついたら
バナナ、インドスイーツ数種、甘いドリンクを平らげていた。
いろんな話をした。日本のこと、インドのこと、トンガのこと、これまで旅した国のこと、仕事のこと、生徒のこと、結婚のこと。
スリさんは どうやら私が18歳だと勝手に思い込んでいたらしい。「私は 28歳だよ」というと、いきなり「ええ?! 28?! 何故 海外に一人で来ているんだ! 何故 早く結婚しないのだ!」と 勝手に焦りだした。 「会社との契約は来年の5月までだから 結婚はこの仕事が終わってから考えるよ。」と言ったら「いや、大学の授業は3月くらいで終わるはずだ!終わったら すぐ帰って結婚したほうがいい!」と スリさん、自分が会社のスタッフだということを忘れ、ひたすら私の結婚の世話を焼き始めた。
スリさんが3月に帰っていいって言ったのを社長が聞いたら、社長、怒るで~(笑)
しかも その後、「キョコさんは、日本語の先生としても非常に能力があるが、通訳として働くことを私は勧める!そのほうが給料もいいし、いい仕事にめぐり合える!もったいない!」と転職まで勧めてきた。
まさか 会社の人に転職をすすめられるとは。。。
おそるべし スリさん。
で、スジャータさんが手相を見るのが得意だから見てもらえというので、見てもらった。スジャータさんの 手相診断結果は
「今後も海外で暮らすことになる。非常に理解のある旦那さんと結婚し、子供が二人生まれる。(この時点で スリさん非常に安心する。)生涯 仕事で必ず成功し お金には困らない。ただ35歳までは いろんな仕事を試し、落ち着かない。40歳くらいで一つの仕事に絞る。」とのこと。 おおー なかなかいい診断じゃないですかっ!!
しかし 「仕事面では いつもいいお給料に恵まれるわ。今の仕事も前の仕事より お給料いいでしょ?」と言われ、 「・・・ いや・・・ 前の仕事のほうが、多少(かなり) よかったです・・・」と言うと、「OK!次の仕事は 大丈夫!」と言われた。
そうか。そうなのか?ちょっと手相診断内容と違わないか?いやいや、何事も 考えすぎちゃいけない。
その後は インドの結婚の話でもちきりになった。インドの結婚について 知識はあったが、スリさんちは 今長女のお婿さん探しをしている最中で、話がリアルでおもしろかった。
インドの結婚は ほとんどが arranged marriage だ。
つまり 親が 同じカーストの よりよい相手を見つけてくる。「恋愛結婚や、異カースト間結婚は よくないのよ。」とスジャータさんが言っていた。んで、インドの結婚はとにかくお金がかかる。
結婚式は3日にわたって行われ、親戚数百人が集まる規模の大きい結婚式だ。 で、その費用は 全て新婦側の家族が持つ。
「新郎側は、お嫁さんがもらえるだけでなく、結婚資金も気にしなくていい。それに比べ、新婦側は、自分の愛娘を手放し、莫大な結婚資金を用意しなくちゃいけない!!」と嘆いていた。
スリさんちは 子供二人とも女の子なので、お金を準備するのも大変だし、二人の娘が嫁いだ後の寂しさを考えるとやりきれないらしい。
それでも 「インド人は 全員 必ず 結婚する」ので、とにかく 今は長女のよりよい相手を見つけるのに忙しいらしい。
インドでは 一番年上の子供から結婚しなくちゃいけないルールがあるらしく、長女が結婚しないことには、次女も結婚できないそうだ。 うーーーん。。。そりゃ 大変だ。
話が 結婚式のサリーにおよぶと、スリさんとスジャータさんの結婚式の写真を見せてくれた。 当たり前だけど、写真のスリさんは非常に若く、かっこよくて びっくりした!写真のスリさんを指して「おおおおおお! Who is this?」と言うと、娘達 大爆笑。
スリさんは 恥ずかしそうにしていた。
写真の中の スリさんとスジャータさんは お見合い結婚のせいか、盛大な結婚式のせいか、終始緊張した面持ちで写っていた。
でも、それがまた初々しくて なんだか素敵だった。
インドでは
結婚してから 恋愛が始まると聞いたが、なんだかそれも 素敵だなと 最近思う。
スリさんは 非常にぶっきらぼうなのだが、お見合い結婚だからこそ生まれる夫婦間の初々しさがまだ残っていて、「スリさんとスジャータさんの 2ショット撮りまーす!」と私が言うと、無言で すくっと立ち上がり、おもむろに 眼鏡をとり、夫婦で肩を並べ、幾分緊張した面持ちで、それでもかっこいい顔をしてシャッターが切られるのを待っているスリさんを見て、
いいなあ。
と思った。
こういう夫婦、いいなあ。と。
スリさん口には絶対出さないけど、奥さんのこと大好きなんだなあと思った。
でも スリさんの「かっこいい顔」は やはり非常に 威圧感というか オーラがあった・・・。というか 怖かった。。。
夕方になり、そろそろお別れの時間。
するとおもむろにスジャータさん、私の目の前に袋を出してきた。中を開けると
チュリダール(パンジャビー)の生地が入っていた!!
「この生地さっき買ってきたの。今日 あなたがサリーを着て来てくれたのがうれしかったから。これで 新しいチュリダールを作って、着てね。」とのこと。
うううううううううう。 むちゃくちゃ 嬉しいっす!!! その 心。 優しさ。 思いやり。 インド人、素敵だよお。
スリさんちをあとにし、娘さん二人と 近くの立派なヒンドゥー寺院に参拝した後、バスに乗って岐路に着いた。
この日は本当に楽しい一日だった。
インド、家族、愛。 なんか あったかい気持ちになった。