エウアに住んでいた頃、よく豚の鼾を子守唄に眠りました。
そして 今回、レルと雑魚寝をし、耳元であの懐かしいブーブーちゃんの
鼾に似たレルの鼾を聞きながら 私が住んでいた部屋と同じ作りのこの部屋の
天井を眺めて いろいろなことを思い出し、なんだか 眠れな・・・
ごー ごー ごー
爆睡。
トンガ4日目。
朝6時くらいに ふと目が覚める。
すると 隣に寝てるはずのレルがいない。
でも 布団とレルのまくら(犬のぬいぐるみ)は 置きっ放し。
トイレかな?
と思い わたしは 二度寝。
再び目が覚めると レルが部屋のドアに立っていた。
「よかったよー いつまで寝てるのかと思ったわよ。
今日 朝6時くらいに目が覚めてさ、自分の家(歩いて10秒)に行って
聖書を持ってきて読んでたんだ。」
あー だから 朝いなかったんだ。
「でさ 恭子の寝顔を見ながらさ このままずっと一緒にこうやって
お互いの寝顔を見てさ 前みたいに暮らせたらいいのにって思ったよ。」
恋人同士か?!
でも そうだね。
去年まで すごく近い距離で 互いの咳が聞こえる距離で 暮らしていたようなもので
去年は 朝起きてから 夜寝るまで 互いの存在が 互いの生活の中にあった。
「じゃ、今からあたしは自分の家いって、服をきて学校に行くよ。
んで、手紙書いてそこに貼ったから、読んでよ!じゃ、後で 学校でね!」
と 部屋を出て行った。
手紙は 椅子にセロテープで貼ってあった。
ほんと、恋人同士かよ(笑)
手紙には、「昨日の夜に終わりが無ければよかったのにって思うよ。だって私はまたきょうこが
いなくなって 寂しくなるからね。 きょうこがエウアを去ったとき、私はすごく後悔した。
だから 今回は絶対エウアを出発する時は知らせてね。そうじゃなきゃ 大泣きするよ!」
と書いてあった。
そうなんです。 去年私がエウアを去る2日前から エウア高校で 各島の学校で選ばれた学生達が集まって合宿みたいのを
してたんだけど レルはその行事の代表で 毎日徹夜で作業をしてて 私がエウアを出る寸前まで起きてて
「絶対港まで行くからね!」と私の家の外で大声で叫んでいたが、その数秒後 深い深い眠りに落ち 起きることがなかったのです(笑)
でも 疲れているのを知っていたから起さずに エウアを出ました。
日本について 数日後 レルからメールがきていて
「なんで なんで起してくれなかったの!? 私は目が覚めたとき 悔しくて涙がでてきたよ。自分が嫌いになったよ。」と書いてあった。
ちゃんと お別れをしなかったけどさ でもね わかってたんですよ。
「じゃあ またね」 っていう一言が大事なんじゃなくて 一緒に過ごした時間が大事なんだから
その大切な時間さえ心の中にあれば 「じゃあ またね」っていう言葉を直接交わしてお別れしなくても別にいいんです。
でも 今回レルがまだエウアにいるうちに再訪できたから、今度はちゃんとお別れだ。
午前中は エウアの知り合いにあいさつ回りをして
写真:エウアの郵便局にて 局員と。
(任期1年目はインターネットも使えなかったので、毎日のように郵便局に行っ ては 私宛の手紙がないか確認していたので、局員とも仲良し。ちなみに左の女性は胸毛がハート型で有名です。)
大好きなエウアの坂道などを 始めたばかりの一眼レフ(フィルム)で撮ったり
↑ これはデジカメで撮ったもの。この坂道 大好きだったんだよね。
午後は学校にもどって 先生、生徒と話をし
あっと言う間に エウアを出発する時間になった。 夕方の飛行機で本島に飛びます。
レルの運転する車で 校長と私の後任と私で空港に向かう。
学校の入り口に止めてある車の前まで、同僚の先生達が送ってくれた。
(右が校長のオケティ。後ろの4人がSingle comitteeのメンバー。ちなみにうち1名は独身ではないが、本人の希望で独身ということになっている・・・)
Single comittee のメンバーとは 最後まで互いに「絶対 あたしの方が先に結婚するからね!」と互いに言い争っていた。
やっぱ この独身の先生たちと 一番楽しく騒いだなあ。
「エウア高校の20周年に、絶対 絶対 来なきゃだめだよ! 必ず連絡するから 絶対来てよ! その時までに きょうこJrを作っておきなさいよ!」
と散々いわれた(笑)
車に乗り込んで 車の窓越しに 仲のいい同僚達と くだらないジョークで 大爆笑していると
笑えば笑うほど みんなの笑ってる顔を見れば見るほど 涙がこみあげてきた。 我慢 我慢。
そしたら 「きょーこーーー!」と呼ぶ声がして、声の方を見ると、生徒達がいました。校舎の2階から 手を振っていました。
「テスト、がんばってくださいね!!!」
って言ったら じわじわ じわじわ こみあげてきた。
やっぱり サヨナラは 悲しい。悲しいです。
実は 今回は 今の先生は後任の方なわけだから 私は生徒とはちょっと距離を置いて接していました。
でも 最後の最後で ぶわーーーーっと 先生モードになってしまいました。
2年間 あたしの生徒でいてくれて 本当にありがとう。
エンジンがかかって 車が出発して 生徒が見えなくなるまで「さようならー さようならー」 と 手を振りました。
去年まで やんちゃだった生徒が 大人びた顔で手を振っている様は 頼もしくもあり、嬉しくもあり、
その分 泣けてしまう。
どうか 素敵な大人になって 今のようにたくさん笑って 幸せに暮らしてくださいね。
んで、空港に着いたら・・・・
誰もいねーーーーーーー
でたよ。さすが エウア。
結局 飛行機は2時間後くらいに 飛んだ。
校長とレルと Hugをして別れた。 でも思ったより 悲しい別れじゃなく、「じゃあ またね!」という感じで別れた。
というか 飛行機を2時間も待ったおかげで 別れのセンチメンタルな感じが消えうせていた(笑) 何事もリズムが肝心。
だから 結構あっさり別れた。
が、、、、、
小さな6人乗りの飛行機に乗った後、飛行機が向きを変えると、みんながまだ空港のとこにいて、
レルと校長のオケティが飛行機にむかってずっと手を振っているのが見えた。
飛行機が滑走路を走り始めても まだ振っていた。レルも校長も。
離陸して みんながどんどん小さくなっていくのに まだまだ飛行機の方に手を振っているのが見えた。
やめてよー・・・・そういうの。。。 泣けちゃうじゃん。。。
周りの乗客に泣いているのがバレないように 頑張りました。
すると 大海原に クジラがジャンプしているのが見えました。
トンガといえば クジラ。
クジラもトンガ人も みんな やってくれるねえー
飛行時間8分。 本島の空港に着きました。
預け荷物が運ばれるのを待っていると 誰かが私の肩をたたく。
はい? どちらさん?
おおおおおおお!! アカ!マアタ! そう、エウアで仲良くしていた家族が そこにいたのです。
エウア再訪第一日目は 彼らの家に泊まる予定(日本出発前に本人に確認済み)が、
行ったら誰もいなかったという なんともトンガ的なパンチをくらわされた あの家族です!
「教会の用事で本島に上がってきているから、きょうこが本島に戻ってきたときは絶対空港に迎えに行く」
との連絡を昨日もらっていたが、トンガ的パンチをまたくらわされる可能性大なので 信じていなかった
本当に迎えに着ていた。 人生 何事も期待してはいけない。 期待していない人が 約束どおりのことをすると
その人は偉人に思えるものだ・・・・。 そうなのだろうか。
で、この日は彼らの親戚の家(彼らが本島に上がるといつも泊まる家)に泊まることになった。
まあ トンガ的パンチをくらったとはいえ、当時かなりお世話になったこの家族にも会うことができてよかった。
とくに お母さんは去年私がエウアを去るときに、糖尿病で生死の境をさまよっていたので 今回元気な姿を見ることができてよかった。
みんなで 夕食を食べ ガキどもと わいわい遊んでいると
↑ イシレリ(2歳) でかい。。。
ドアを叩く音が。
ドアを開けると、そこには ホストファミリーのお母さんが!?
ええ?! なぜ?
私 「どうして 私がここに泊まってるってわかったの?」
お母さん 「だって 私の家 隣だもの。」
?!
2年間 離島で暮らしていたため 本島の地理がまったくわかっていなかったが
つまり エウアの家族に連れてこられた家は、本島のホストファミリーの家(私が今回1泊目に泊まった家)の隣だった!
しかも エウアでお世話になっていた家族と 本島でホームステイをした家族は 親戚だった!!!
なななななんということだ。。。
ぜんっぜん 知らなかった。 親戚といっても 遠い親戚だけど。
しかし こんな偶然あるのだろうか。 いや トンガならありえます。
↑この日の夕食。 芋数種類と ソーセージと シピ(油ぎとぎとの羊肉)の油スープ。 一般的なトンガの夕食。そりゃ 太るぜ。 そりゃ 糖尿病になるよ。
「きょうこのために スープにキャベツを入れたよ!」 ありがとう。
でも もしキャベツがなかったら 炭水化物とたんぱく質と油しか摂取していないということに気づいてくれ。だいじょうぶか。
で トンガ最終日。
まずエウア家族と
朝食 (6枚切りのパンにバターたっぷり×2 コンデンスミルクをお湯で薄めたドリンク)
その後 隣のホストファミリーの家に行ったら
「朝からきょうこのために作っていたんだよ!」と この日2度目の朝食を出され
(さっきの朝食から10分後)
目玉焼き、チキンナゲット3個、ソーセージ2本 パン4枚 を出されたので
ここは 女の見せ所。全部食べる。
で 再びエウアの家族の方に戻ると、
どーーーーーん!!!
「飛行機乗ってる間に 絶対お腹すくから」と言われ 朝食とランチの間の 軽食を出される。 軽食ではない 重食だよ こりゃ。
彼らは 機内では 機内食が出ることを知らないのかもしれません。。。
とりあえず果敢に挑む。でも 朝から食べ続けているので、本気で 吐きそうになるが、がんばった。
ゲストに 十分な食事を与えること。そういうのが トンガのホスピタリティ。
かなり苦しかったが、嬉しいことです。
↑台所にて 朝食を楽しむエウアンファミリー。
さ、お腹も一杯になったので、いざ空港へ!!
↑ バンの荷台にのって空港へ。 離島者は 本島にてテンション上がってます!
一張羅を着て、最大限かっこつけてます!!
この後の悲劇を誰も知る芳はない・・・
空港に着くと、
誰もいない!!!!!
遠くから 空港関係者らしきおばちゃんが ドスドス ノロノロやってくる。
で 一言。
「キャンセル。」
がああああああああああああああああ!!!
朝、リコンファームしたときは 予定通りだって言ってたのに!
てか 4日後には インドに行くんですけど!!
準備とか 友達と会う約束とか どーすんのよおおおおおお!! ばかーー!
エアパシフィック ばかーーーー!
とりあえず 街中のエアパシフィックオフィスへ行けと言われ
オフィスへ向かうと、期待の故障でこの日のフライトが急にキャンセルになったという。
で、明日の夕方フィジーに飛んで、明後日 1日フィジーに滞在して、しあさってに日本につくと言われた。
ということは インド出発まで たった1日しか日本に滞在できないですやん。
友達と会う約束もキャンセルですやん。
というか 荷造り終わってないです
相当 凹んでいる私を 必死に励ますエウアファミリー・・・・
仕方ないので 家に帰る。 そして 洗濯を手伝って気持ちを紛らわせる。
↑
トンガ流の選択方法 棒でつつく
↑ ナイス気分転換!!
かなりの量の洗濯を終え、飛行機の遅延に関しては 悟りを開く。
で 翌日 ようやくトンガを出発しました。
今回トンガに行くまでは トンガの2年間が重過ぎて 振り返ることすら避けていました。
でも 今回トンガに行って トンガでの日々が 本当の意味で思い出として
消化できるようになったと思う。
だって 会いたければ こうして会えるんだし
そして 私には次の未来が待っている。
エアパシフィックのおかげで、日本に帰ってすぐインドへ出発となったけど
それはそれでよかったと思う。
トンガからインドへ。
I'm ready to 一歩を踏み出す。