禅的哲学

禅的哲学は哲学であって禅ではない。禅的視座から哲学をしてみようという試みである。禅を真剣に極めんとする人には無用である。

国民の税金使って、そんなことをやってええのか?

2022-12-10 19:46:09 | 政治・社会
 ツイッターの中を覗いたら、共同通信の「防衛省、世論工作の研究に着手 AI活用、SNSで誘導」というニュースが大きな話題になっていた。



 これのなにが問題かという人もいるかもしれないが、本来は番犬であるに過ぎない防衛省が飼い主である国民の税金を使って、国民を無意識のうちに番犬の思い通りに誘導しようとしているということが問題である。
 
 しかし、よくよく考えてみると、こんな研究は以前から実施されていてすでにその効果が表れていると見るべきではなかろうかと思いついた。昔の話をすれば防衛予算がGNPの1%に達する時点で大問題視された。それが今や、なんの根拠も示されず2%という金額目標がまず設定されていることが不思議だ。近年は本当に効果があるかどうかが疑わしいミサイル迎撃システムや1機で100億円以上(いろんな資料を読んでも正確な費用が分からない、一説には一機当たり200億円以上という話もある)もするF35戦闘機を147機も購入するらしい。戦闘機の購入だけで2兆円以上使うという気前の良さ。ひとえに、中国や北朝鮮の軍事的脅威に立ち向かうためには軍備増強は喫緊の課題であるという雰囲気が既に醸成されてしまっている。

 しかし、北朝鮮のミサイル実験に対して、Jアラート鳴らして電車を止める程に現実的脅威とやらを感じているのならば、なぜ原発を止めようとしないのかが理解できない。本当に避難をしなければならないほど現実的脅威を感じているなら、原発にミサイルが着弾するという脅威を先ず排除すべきであることは当たり前の話ではないのか。彼らの言う「現実的脅威」は言葉だけでちっとも現実的ではないような気がする。結局はアメリカの世界戦略にがっちり組み込まれて、その片棒を担がされているだけのことではないのか。しかも、馬鹿高い兵器を言い値で買わされて、アメリカのお財布代わりの存在に成り下がっていることに気がつかないで、「イージス艦を8席、F35を147機も持っているのはアメリカ以外では日本だけだ」とか誇らしげに言っている。

 「防衛省に有利な世論(防衛予算の増額)」、「特定国への敵対心」、「反戦・厭戦気分の払拭」という目的は既にかなり実現しつつあると私は見ている。しかし、いくら軍備を増強しても中国と戦争するという愚は絶対避けなければならない。いずれ中国の国力がアメリカを上回るのは時間の問題だろうし、アメリカには米中全面対決する覚悟があるとは思えないが、万一そういう事態に至ったときにはその時点で日本はもうボロボロになっている。絶対中国と事を構えるというようなことは避けなければならない。反戦・厭戦気分を払しょくしてはならないと思う。
コメント
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