12月15日より米国のシアトルに来ています。現在の環境では日本語入力が不如意で、はしょった表現が多くなりがちですがご了承ください。
シアトルのダウンタウンにパイオニア・スクエアという一角がある。そこに”Chief Seattle"というネイティブ・アメリカンの胸像が据えられている。そう、彼の名が現在のシアトル市の名の由来である。
シアトル酋長は合衆国政府に対して友好的で条約により、彼らの土地を引き渡したことになっている。などというのは白人側の勝手な言い分である。、圧倒的な合衆国側の武力に対して、無益な血を流すことを避けるという判断を下したたのだった。
彼がこの地をさるに当たって述べた演説が感動的であったため、いろんな人が内容をかなり歪曲して広めてしまったらしい。実際の内容は次に揚げるヘンリー・スミス博士による記録がもっとも近いと考えられる。
クリック=>「シアトル酋長のスピーチ」
一般にネイティブ・アメリカンには雄弁家が多いことが知られている。文字を持たない彼らは口承により一族の叙事詩を紡いできた、そのことによって彼ら自身の文学的素養も鍛えられたのだろう。
演説には、横暴な白人に対する多少の揶揄もあるが、恨みがましくはのべていない。父祖の地を去る悲しみを湛えながら、粛然と無常を受け入れるそんな美しさがある。鈴木大拙流の表現をするなら、シアトル酋長こそ「アメリカ的霊性」に目覚めた人ではなかっただろうか。