禅的哲学

禅的哲学は哲学であって禅ではない。禅的視座から哲学をしてみようという試みである。禅を真剣に極めんとする人には無用である。

幻の一億円札

2016-04-01 05:08:55 | 四月馬鹿

今までに世界中で発行された最高額貨幣を御存じだろうか? 第2次世界大戦後のハンガリーで、なんと1咳ペンゲー(pengő)紙幣というものが発行されたことがある。1咳は1京の1万倍、1京は1兆の1万倍である。つまり、1咳は10の20乗となる。なんともすさまじい数字である。どうしてこんな高額紙幣が作られたかというと、第2次世界大戦後に生じたハイパーインフレのためである。インフレのスピードがあまりに早いので、次々に高額紙幣を印刷してもその速さに追いつかない。1咳ペンゲー紙幣も1946年の発行時にはすでに0.2米ドルの価値しかなかったという。それで、さらに10咳ペンゲー紙幣が印刷されたのだが、それは発行には至らなかったらしい。

日本は現在デフレに悩まされていて、安倍さんは必死にインフレを起こそうとしている。確かにインフレになれば国の財政赤字も年金問題も技術的にはクリアーされる。しかし、インフレは政府の思惑でコントロールできるものではない。大戦後のハンガリーのように、パン一つ買うのに一万円札をボストンバッグに詰めて行かなくてはならないような事態が起こらないとも限らないのである。

で、今日の本題である。先日あるところで子供二人が次のような会話をしているのを耳にした。

  A : 「日本で一番高いお金知ってる?」
  B : 「一万円札でしょ。」
  A : 「ブッブー。昭和天皇の60年記念とかで、10万円金貨というのがあるよ。」
  B : 「へぇーっ。そうなんだ。」

大方の日本人の認識は上記の子供の会話と同じようなものだろう。しかし真実はそうではない。日本銀行は昭和22年に1億円紙幣を発行している。それが日本で今までに発行した最高額貨幣である。一般に知られていないのは、それが秘密裏に行われたからである。

なんでも当時皇室関係のトラブルで緊急に資金が必要になったらしいのだが、どうも公には予算化できないということなので、時の政府が何人かの政商に冥加金を募ったのだがなかなか思わしくなかった。それである知恵者が一計を案じたのだ。

日銀は一億円紙幣を発行し、それを現金一億円と交換する。ただし、一億円紙幣が現金としての効力を発揮するのは10年経過後とする。交付された側は原則として、それを10年間退蔵するわけである。ただし、その一億円紙幣は兌換券とし、いつでも日銀はその券と引き換えに200kgの純金を交換するものとしたのだ。

つまり、一億円紙幣はいつでも200kgの純金と交換できるし、10年経過すれば1億円の現金としても通用するというわけだ。

日銀は一枚の一億円紙幣につき200kgの準備金を手当てする。当時の金価格は1g当たり150円であるから、200,000g×150円=3000万円となる。つまり、一枚発行すれば約7000万円の金が融通できることになる。結局一億円紙幣を5枚発行して、3億5千万円の資金をねん出した。

長い年月このことが表ざたにならなかったのは、当事者の数が少なかったのと、なかなかありそうもない話でにわかに聞いても信じがたかったからだろう。なぜ私がこのことを知っているかというと、その政商の一人というのが私の友人の父親なのである。その友人が父親の遺産を引き継いだ後、その現物を見せてもらったことがある。今ここでそのことを明らかにするのは、その友人がその一億円札を来週早々オークションにかけることになったからである。近日中にメディアでも報道されて、このことは日本中に周知のこととなるだろう。

興味はその落札価格だが、兌換紙幣であるから金200kgの価値は最低あるわけで、最近の金価格は1g5000円近いので、10億円を下回ることは絶対ない。プレミアがついて40から50億くらいはするのではなかろうかと踏んでいる。

※ これは4月1日の記事ですが、前半のペンゲーについての話は本当のことです。

  確認=>「ペンゲー

コメント
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