肉や乳製品などが多めの欧米型の食事をとる人は、そうでない人に比べて、死亡するリスクが約1割減ると、国立がん研究センターなどのチームが発表した。肉類は取り過ぎると死亡リスクを上げると報告されているが、日本人は欧米人に比べてもともと摂取量が少ないのに加え、コーヒーや乳製品などのプラスの効果が表れたと考えられるという。

 チームは1990年代に、全国9府県に住む40〜69歳の男女約8万人に、134種類の食品を取る頻度や量などを調査し、2012年まで追跡した。

 この結果、肉や加工肉、パン、コーヒー、乳製品などの「欧米型」の食事をとる傾向が強い人は、そうでない人に比べて、がんや心臓病、脳血管の病気で死亡するリスクが約1割低かった。

 日本人を対象とした研究で、コーヒーは肝臓がんや子宮体がんのリスクを下げるほか、乳製品からのカルシウム摂取が脳卒中などのリスクを下げることが分かっている。また、欧米型の食事の傾向が強い人は塩分をとる量が少なく、これも死亡リスクが減った理由とみられる。

 また、野菜や大豆製品、キノコや海藻類などが多めの「健康型」の食事をとる人は、そうでない人に比べて、死亡するリスクは約2割低く、中でも心臓病や脳血管の病気による死亡リスクは約3割低かった。

 国立国際医療研究センターの溝上哲也・疫学・予防研究部長は「欧米型の食事はリスクを上げると考えられがちだが、野菜や大豆など健康型の食事を第一に、たんぱく源である適量の肉や乳製品を取るのが望ましい」と話している。【下桐実雅子】