教育落書き帳

教育とは何か…子どもの視点を尊重し、親、伴走者、市民の立場から語ります。子どもを語ることは未来への信頼と希望を語ること。

親や教師は子どもの命の加害者になるな!文科省の言いなりになるな!

2011年05月06日 | 福島原発事故

▼「保育園と小中学校の校庭、独自に放射線量測定 那須町」─これは5月3日の新聞の記事の見出しです。
 「栃木県那須町の8保育園と17小中学校の校庭で2日、放射線量の測定が始まった」ことが書かれています。調査の結果、町長は「国の基準値よりかなり低いので、平常通りの活動で支障がないと考える」とのコメントを発表したようです。

▼「良かった!これで一安心。子どもたちにも喜んで伝えられる」。調査に加わった町の職員や教職員の中には、もしかすると自身の親族等にも大変な事態に巻き込まれた方があったかもしれません。少しでも子どもたちのためになりたい─そういう心がよく感じられます。本当にご苦労様、頭が下がります。
 しかし、同時になぜかとても情けない気持ちにもさせられます。教職員の複雑な心境を思うからでしょうか。

▼文科省は4月19日、校庭利用の放射線被曝限度を年間20ミリ・シーベルトと決めました。それに基づき、福島県やその近県では同様の調査が行われているようです。しかし、文科省が示した「学校の校舎・校庭等の放射線安全基準」なるものが、とてもずさんであることが明らかになっています。それに原子力安全委員会も文部科学省の言い分を「そのような話は聞いていない」と否定する始末。確か「原子力安全委員会」の助言をえて決定したと文科省は説明していたはずです。

▼測定は小学生は50センチで、中学生は1メートルの高さで行うようですが、中学生の場合には、3.8ではなく4.1マイクロシーベルト/時でもOKとか。なんというアバウトさ。根拠にまるで説得力がありません。そもそもこの基準は大人に適用される基準であって子どものためのものではないといいます。さらに、この基準はせいぜい2~3週間の非常事態時の基準であり、大人でも避難しなければならない「計画的避難区域」の基準線量、つまりは「これ以上は絶対に被ばくしてはいけない」上限値と示すものだというのです。

▼残念ながら、私は原子力関連のことには全くの素人の人間です。専門家の意見を聞くしかありません。しかし、少なくとも教育の分野に関しては誰よりも深い関心を持っているつもりです。今も学校を離れた不登校の子どもたちと日々接しています。そういう立場だからこそよく見えるというものもあります。
 例えば、現在の日本の学校教育には不登校を生み出す様々な要素がありますが、今はその問題は論じません。ただし、学校の教職員たちは今新たに、不登校を生み出した学校運営以上に取り返しのつかない愚を犯そうとしているのではないかと思えてなりません。

▼先に内閣官房参与を辞任された小佐古東大大学院教授が「(官邸関係者から)老婆心ながら、守秘義務があると言われた」と半ば脅された形で辞任の説明会を中止したと言われています。
 同じく、文科省が指示を出したとなれば学校の教職員はは数々の疑問を持ち、出来れば異議を表明したい、反対行動を取りたいと思いながらも、教育公務員として上意下達で降りてくる指示命令に唯々諾々と従うだけになっているということもあるのではないでしょうか。

▼それがあの新聞で報道された校庭の土砂を測定する職員の姿だとすれば、あまりにも惨めです。子どもたちや生徒たちのためと言いながら、その行為は学業半ばの学生たちを戦場に送り出し、海の藻屑と消えさせた行為と基本的に代わりはないように思えます。
 教育は一過性のその場限りの行為ではありません。文科省の指示に盲目的に従っていて、果たして子どもたちを救えるのでしょうか。確かに「直ちに」被害は見えないかもしれません。でも、将来様々な障害を持った人たちが大量に排出されるかもしれません。
 もしその責任の一端が今の教職員たちの行動如何にかかっているとしたら?もしかしたら今、自分は教員として子どもたちを救うのではなく、逆に生徒たちの命の加害者になろうとしているのではないか。そこを明確にする必要があるのではないでしょうか。

▼素人が見ても、放射能の測定の仕方がどうにもインチキ臭いのです。小中学の背丈による測定の違いもその一つです。でも、それ以上におかしいことがあります。子どもたちは校庭で遊び、走り、転げまわるのです。そこに時間の限り立ち尽くしているのではないのです。そう考えるなら、高さによる測定がマヤカシであるのは一目瞭然です。それに、しっかりと測定するつもりならば地面で計らなければならないということです。足はいつも地面についているのですから。
 その意味では、原子力安全委員会(何が安全なの?)の班目委員長が「放射線量の測定だけでなく、土壌や空気中の放射性物質の濃度も測定し、対策を示すよう」文科省に求めたのは当然といえば当然のことなのです。

▼お父さん・お母さん、そして教職員の方々、子どもたちの命を守ってやれるのは側にいるあなた方しかいないのです。子どもたちはあなた方に全幅の信頼を置いているのです。それを裏切るところにどんな子育てや教育があるというのでしょうか?行動するのは今しかないのです。被曝した子どもを前に後でいくら悔やんでも取り返しはつかないのです。

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