「えっ大阪に1ヶ月間出張?」
「そうなんですよ、チーフプランナーの人が体調崩してしまって人手が足りないから、1人東京からまわして欲しいってことなんです。丁度私がやっていた仕事が一段落ついて私が行くことになったんです」
「ふ~ん」
「今年の春はぶちょおと沢山花見がしたかったのにな」
「週末帰ってくればいいじゃないか」
「そんな余裕ありません」
「めんどくしゃいだけだろ?」
「(ギクッ)助っ人とはいえ仕事頑張りたいですから」
「じゃあ頑張っといで」
「はーい、ぶちょお~お暇でしたら、週末に大阪来ませんか?」
「俺も忙しいの」
なんで妻の出張先に俺が行かなきゃいかんのだ。←家事全般できる男でもそいうところは古風な昭和の男です。
*
「風邪ひかないように身体には気をつけるんだぞ」
「はい」
「忘れ物はないか」
「何度も確認しました、大丈夫です」
「じゃあ、行っておいで
(チュッ)」
「行ってきます
(チュッ)」
「ただいま~」 って今日から一ヶ月いないんだったな。3年や3ヶ月に比べれば一月なんてあっという間だけどな。
静かだな・・・今は蛍のいる生活が当たり前になってるからな。
ん?なんか今洗面所の下でなにか光ったような気が・・・
こっこれはーーー! けっ結婚指輪じゃないか! あの干物女め、こんな大事なものを落として気がつかないとは。
メールは・・・きてないか。指輪を無くしたとはなかなか言えないか。今頃落ち込んでいるかも知れない。
指輪を無くしたのはけしからんが、初めての職場で仕事するのも大変だろうし、怒らないで優しく指輪のことを言おう。
我ながら俺っていい旦那だよな~。
「もしもし 蛍」
「ハロー ダ~リン
」
「はっ?」
「早くも妻のことが恋しくなりました~? もう~可愛いんだから~ウィッと」
「飲んでるのか?」
「職場の人が歓迎会開いてくれたんです~ウ~ィッ」
「ご機嫌でよかったな、俺はてっきり君が必死で探し物をしているのかと思ってたよ」
「え~なにを探すんですか~忘れものなんてないですよ~」
「左手の薬指を見てみなさい」
「ん? ・・・・・? ぶっぶちょお~! 指輪がありません! 」
「今頃気づいたのか
洗面所の下に落ちてた。落ちたことに気づいてもらえなかったとは、可愛そうな指輪だな」
「すっすみません!」
「落としたことは仕方ないけど、もうちょっと早くだな・・・ まあいい、仕事忙しいんだろっ早く休みなさい」
「はい・・・本当にごめんなさい」
「もういいよ、おやすみ」
「おやすみなさい」
はぁ~なんてバカなんだろう~私って。凹むな~ガックシ。
それに指輪がないと思ったら急に寂しくなってきた。うわ~ん、ぶちょおに会いたいよ~東京に帰りたいよ~。
はっ! なにまたバカなこと言ってるんだろう、仕事はちゃんとやらなきゃ。
*
大阪・・・
たまたまというか、都合よくというか大阪に出張になった。蛍には言ってないが。。。
だって2週間の間、メールこないし、電話もかかってこないし~。まっ昔からそうだけどな。
つーか、なんでさっきから電話してもメールしても返信ないんだ、たくあの干物女は。
ここか、ホタルの住んでるレウパレスは。
ピンポーン・・・
「はい・・・」
誰だこの男? 推定年齢22~25歳、イケメン、動物に例えるとバンビ(みたいな眼)←佐藤健くんのイメージで(^^;
「あの~どちら様でしょうか?」
自分から名乗れよっ、たく今時の若いもんは。
「家族のものだが」
「あっお兄さんですか~」
誰がお兄さんなんだよ!
「私の妻の蛍はどうした? 君はなぜここにいるんだ」
「えーーーー! あっあわわ・・・あの、あの・・・すみません」
「ほぉ~なにか誤らなければいけないことでも?」
「いえ、とんでもないです。あっ申し送れましたが、私は雨宮蛍さんと同じプロジェクトチームで仕事している佐藤といいます」
「会社の同僚ってことか、明日は休みだし軽く飲もうということになって、帰りは皆でタクシーに乗ったんだけど蛍はすっかり寝てしまって、親切に部屋まで運んだってことだな」
「そっそうです、その通りです。それで鍵かけないで部屋出る訳にはいかないし、どうしようかなと思っていたら」
「叩き起こせばいいだろっ」
「えっ? あーそうですね」
「君は優しそうだもんな、だけど人妻とずっと同じ部屋にいるのもどうかと思うぞ」
「すっすみません、結婚してると思いませんでした!」
このバンビくんは表情がクルクル変わって面白いな。←若者をからかって遊んでるぶちょお。
「ちなみに雨宮蛍ではなく、高野蛍だ」
「あっあの~さっきから、どこかでお会いしたことがあるような気がして気になっていたんですが、もしかして高野部長ですか?」
「以前はそうだったが、SWはもう辞めたんだ」
「僕新人研修のときに高野部長のセミナーを受けたんです。凄く勉強になりました」
「そう?まあこれからも頑張りたまえ」
「はい! 今日は本当に失礼しました。じゃあ僕そろそろ帰ります」
はぁ~終わるの早かったな~ 俺の恋
いや早く知ってよかった。
傷は浅いほうがいい。高野部長なら蛍さんは間違いなく幸せだろうし。。。
なかなか爽やかな好青年じゃないか、きっと蛍にウッカリ一目惚れしたくちだろうが、ときどきいるんだよな~(遠い眼)
それにしても呆れるほど熟睡してるな、まっ慣れない職場で疲れていたんだろうけど。
男はみんな狼なんだぞ、あんなバンビ君みたいな・・・いや、最近は草食系男子が多いというからな。
男はみんな狼・・・という言葉も今に死後になったりして(^^;
「ホタル・・・ホタル・・・」
「あっぶちょだ~!ヤッター夢の中にぶちょおが出てきた~!」
「えっ?」
「夢が醒めないうちにいっぱいちゅうしちゃお~と、チュッ
チュッ
チュッ
」
「あ・・・はは、参ったな」 ←嬉しくてデレデレのぶちょお。
「あー声まで聞こえてきた」
「夢じゃないよ」
「えっ!?」
「仕事で大阪にきてたんだ、なかなか携帯が繋がらなくてね」
「すっすみません!」
「おこごとは後でするとして、今は君が欲しい
」
「はいっどうぞ食べてください! やだっなに恥ずかしいこと言ってんだろ(照)」
「うん」
「おこごとがなんなのか気になるんですけど~出来たら忘れて欲しいです~
」
「そうだな、終わってから考えよう」
「満足させまっせ~ご主人さま!」
「マイナス10点 色気が無さ過ぎ!」
「え~~~」
夫婦漫才しつつ、
な一時を過ごす二人なのでした。
*
「京都に来たのは大学のとき以来かな~」
「そんなに来てないのか?京都といったらOLの好きな街1位とかじゃないのか?」
「私は干物女ですから」
「そうだったな、まあ俺も仕事優先で何処かへ出かけるということは殆どなかったけどな(苦笑)これからはたまには二人で出かけような」
「はいっ!」
「ここが秀吉の愛した醍醐寺の桜なんですね」
「元々醍醐寺は桜の名所ではなく、秀吉がここで花見をしたいと言い出して700本の桜を移植して、北政所や淀君他総勢1200名を招いての盛大な花見をしたその数ヶ月後に他界している。秀吉の最後の我侭だったんだろうな。
露と落ち 露と消えにしわが身かな なにわのことは夢のまたゆめ 秀吉
「これは秀吉時世の句だ。歌を読んだときにここの桜が浮かんだりしたのかな? まっ全然わかんないけど」
「はぁ~(ぶちょおって凄いな~なんでも知ってるんだ)」
「本当に見事な枝振りのしだれ桜で・・・桜あんまり咲いてませんが(^^;」
「昨夜の雨で散ってしまったのかな(苦笑)」
「あっこっちの染井吉野は満開ですよ~! 綺麗ですね~。こうやって桜見ながら歩くのって最高に気持ちいいですね」
「ああ・・・桜は人の手を借りなくとも、南は沖縄から北は北海道まで春がくれば必ず咲く、どんなときでもどんな所でもな」
「凄く可憐なのに強い花ですね」
「人生いろいろあるから、桜を愛でる気持ちにならないときもあるけどな」
「ぶちょおにもそんな春がありました?」
「ああ・・・だけど庭に咲いた桜を見て綺麗だと思った、一瞬心が和んだ。桜にはそういう優しさがあるんだと思う」
「そうですね! うわぁ~大きなしだれ桜! こっちのしだれ桜はまだ散ってなくて綺麗です~ あっ花びらが・・・」
風に舞いはらはらと落ちる花びらを 両の手を広げて笑顔で受け止める君。。。
「ほらっ髪に花びらがついてたぞ(微笑)」
「ほんとだ~桜の花びらって小さくて可愛いですね」
「お母さん、見て見て~桜の花びらが落ちてくるよ~綺麗だね~」
「ほらっ誠一の頭に花びらがついてたわよ(微笑)」
「わぁ~桜の花びらって小さくて可愛いね!」
・・・遠い昔 温かいひだまりの中の 優しい記憶・・・
あなたみたいにたおやかな人ではないけれど とても元気で可愛い人と桜を見ています(微笑)
*
宇治・・・
「あー美味しかった~お抹茶と抹茶だんご! あっ抹茶のソフトクリーム!」
「まだ食べるの?」
「二人で食べましょうよ~」
「しょうがないな(笑)あっ忘れてた! 指輪持ってきたんだった。もう落とすなよ」
「はーい」
「悪い虫がつかないようにちゃんとはめとけよ」
「悪い虫?」
ん?悪い虫ってなんのことだろう?
「あっ舟ですよ!」
「桜を見ながら川下りか、乗ろうか?」
「はい!」
「いいお天気になって風が心地よいです。青い空と桜が水面に映って綺麗~」
桜よりもその輝くような笑顔に見入ってしまう。 来てよかったな~京都。
「あっ今、私の横顔に見惚れてたでしょ?」
「見てないもん」
「見てましたよ(笑)」
「こんなに可愛らしい奥さんなら見惚れて当然よね、私は映画俳優みたいなご主人につい見惚れてしまいましたけど(笑)」
「おまえは昔から面食いだからな」
「だからあなたと結婚したんでしょ」
「ご馳走様です」
「あらっまあどうしましょう~年甲斐もなく」
「いーえ、お二人とも品があってとても素敵なご夫婦で、私たちもお二人のような夫婦になりたいです」
「品はちょっと無理だと思うがな」
「もう~」
「でもお二人のようにずっと仲の良い夫婦でいたいです」
「嬉しいわ、そんなふうに言ってもらえると(微笑)」
*
「京都楽しかったですね~、マイナスイオンたっぷり浴びて凄くリフレッシュできました」
「うん、楽しかった。後半月頑張れよ」
「ぶちょおこそ、あと半月寂しいの我慢してくださいね」
「別に寂しくないし」
「はいはい」
「あのな~」
「ほらっ新幹線来ましたよ!」
「じゃあまたな」 (後編に続く)
「そうなんですよ、チーフプランナーの人が体調崩してしまって人手が足りないから、1人東京からまわして欲しいってことなんです。丁度私がやっていた仕事が一段落ついて私が行くことになったんです」
「ふ~ん」
「今年の春はぶちょおと沢山花見がしたかったのにな」
「週末帰ってくればいいじゃないか」
「そんな余裕ありません」
「めんどくしゃいだけだろ?」
「(ギクッ)助っ人とはいえ仕事頑張りたいですから」
「じゃあ頑張っといで」
「はーい、ぶちょお~お暇でしたら、週末に大阪来ませんか?」
「俺も忙しいの」
なんで妻の出張先に俺が行かなきゃいかんのだ。←家事全般できる男でもそいうところは古風な昭和の男です。
*
「風邪ひかないように身体には気をつけるんだぞ」
「はい」
「忘れ物はないか」
「何度も確認しました、大丈夫です」
「じゃあ、行っておいで

「行ってきます

「ただいま~」 って今日から一ヶ月いないんだったな。3年や3ヶ月に比べれば一月なんてあっという間だけどな。
静かだな・・・今は蛍のいる生活が当たり前になってるからな。
ん?なんか今洗面所の下でなにか光ったような気が・・・
こっこれはーーー! けっ結婚指輪じゃないか! あの干物女め、こんな大事なものを落として気がつかないとは。
メールは・・・きてないか。指輪を無くしたとはなかなか言えないか。今頃落ち込んでいるかも知れない。
指輪を無くしたのはけしからんが、初めての職場で仕事するのも大変だろうし、怒らないで優しく指輪のことを言おう。
我ながら俺っていい旦那だよな~。
「もしもし 蛍」
「ハロー ダ~リン

「はっ?」
「早くも妻のことが恋しくなりました~? もう~可愛いんだから~ウィッと」
「飲んでるのか?」
「職場の人が歓迎会開いてくれたんです~ウ~ィッ」
「ご機嫌でよかったな、俺はてっきり君が必死で探し物をしているのかと思ってたよ」
「え~なにを探すんですか~忘れものなんてないですよ~」
「左手の薬指を見てみなさい」
「ん? ・・・・・? ぶっぶちょお~! 指輪がありません! 」
「今頃気づいたのか

「すっすみません!」
「落としたことは仕方ないけど、もうちょっと早くだな・・・ まあいい、仕事忙しいんだろっ早く休みなさい」
「はい・・・本当にごめんなさい」
「もういいよ、おやすみ」
「おやすみなさい」
はぁ~なんてバカなんだろう~私って。凹むな~ガックシ。
それに指輪がないと思ったら急に寂しくなってきた。うわ~ん、ぶちょおに会いたいよ~東京に帰りたいよ~。
はっ! なにまたバカなこと言ってるんだろう、仕事はちゃんとやらなきゃ。
*
大阪・・・
たまたまというか、都合よくというか大阪に出張になった。蛍には言ってないが。。。
だって2週間の間、メールこないし、電話もかかってこないし~。まっ昔からそうだけどな。
つーか、なんでさっきから電話してもメールしても返信ないんだ、たくあの干物女は。
ここか、ホタルの住んでるレウパレスは。
ピンポーン・・・
「はい・・・」
誰だこの男? 推定年齢22~25歳、イケメン、動物に例えるとバンビ(みたいな眼)←佐藤健くんのイメージで(^^;
「あの~どちら様でしょうか?」
自分から名乗れよっ、たく今時の若いもんは。
「家族のものだが」
「あっお兄さんですか~」
誰がお兄さんなんだよ!
「私の妻の蛍はどうした? 君はなぜここにいるんだ」
「えーーーー! あっあわわ・・・あの、あの・・・すみません」
「ほぉ~なにか誤らなければいけないことでも?」
「いえ、とんでもないです。あっ申し送れましたが、私は雨宮蛍さんと同じプロジェクトチームで仕事している佐藤といいます」
「会社の同僚ってことか、明日は休みだし軽く飲もうということになって、帰りは皆でタクシーに乗ったんだけど蛍はすっかり寝てしまって、親切に部屋まで運んだってことだな」
「そっそうです、その通りです。それで鍵かけないで部屋出る訳にはいかないし、どうしようかなと思っていたら」
「叩き起こせばいいだろっ」
「えっ? あーそうですね」
「君は優しそうだもんな、だけど人妻とずっと同じ部屋にいるのもどうかと思うぞ」
「すっすみません、結婚してると思いませんでした!」
このバンビくんは表情がクルクル変わって面白いな。←若者をからかって遊んでるぶちょお。
「ちなみに雨宮蛍ではなく、高野蛍だ」
「あっあの~さっきから、どこかでお会いしたことがあるような気がして気になっていたんですが、もしかして高野部長ですか?」
「以前はそうだったが、SWはもう辞めたんだ」
「僕新人研修のときに高野部長のセミナーを受けたんです。凄く勉強になりました」
「そう?まあこれからも頑張りたまえ」
「はい! 今日は本当に失礼しました。じゃあ僕そろそろ帰ります」
はぁ~終わるの早かったな~ 俺の恋

傷は浅いほうがいい。高野部長なら蛍さんは間違いなく幸せだろうし。。。
なかなか爽やかな好青年じゃないか、きっと蛍にウッカリ一目惚れしたくちだろうが、ときどきいるんだよな~(遠い眼)
それにしても呆れるほど熟睡してるな、まっ慣れない職場で疲れていたんだろうけど。
男はみんな狼なんだぞ、あんなバンビ君みたいな・・・いや、最近は草食系男子が多いというからな。
男はみんな狼・・・という言葉も今に死後になったりして(^^;
「ホタル・・・ホタル・・・」
「あっぶちょだ~!ヤッター夢の中にぶちょおが出てきた~!」
「えっ?」
「夢が醒めないうちにいっぱいちゅうしちゃお~と、チュッ



「あ・・・はは、参ったな」 ←嬉しくてデレデレのぶちょお。
「あー声まで聞こえてきた」
「夢じゃないよ」
「えっ!?」
「仕事で大阪にきてたんだ、なかなか携帯が繋がらなくてね」
「すっすみません!」
「おこごとは後でするとして、今は君が欲しい

「はいっどうぞ食べてください! やだっなに恥ずかしいこと言ってんだろ(照)」
「うん」
「おこごとがなんなのか気になるんですけど~出来たら忘れて欲しいです~

「そうだな、終わってから考えよう」
「満足させまっせ~ご主人さま!」
「マイナス10点 色気が無さ過ぎ!」
「え~~~」
夫婦漫才しつつ、

*
「京都に来たのは大学のとき以来かな~」
「そんなに来てないのか?京都といったらOLの好きな街1位とかじゃないのか?」
「私は干物女ですから」
「そうだったな、まあ俺も仕事優先で何処かへ出かけるということは殆どなかったけどな(苦笑)これからはたまには二人で出かけような」
「はいっ!」
「ここが秀吉の愛した醍醐寺の桜なんですね」
「元々醍醐寺は桜の名所ではなく、秀吉がここで花見をしたいと言い出して700本の桜を移植して、北政所や淀君他総勢1200名を招いての盛大な花見をしたその数ヶ月後に他界している。秀吉の最後の我侭だったんだろうな。
露と落ち 露と消えにしわが身かな なにわのことは夢のまたゆめ 秀吉
「これは秀吉時世の句だ。歌を読んだときにここの桜が浮かんだりしたのかな? まっ全然わかんないけど」
「はぁ~(ぶちょおって凄いな~なんでも知ってるんだ)」
「本当に見事な枝振りのしだれ桜で・・・桜あんまり咲いてませんが(^^;」
「昨夜の雨で散ってしまったのかな(苦笑)」
「あっこっちの染井吉野は満開ですよ~! 綺麗ですね~。こうやって桜見ながら歩くのって最高に気持ちいいですね」
「ああ・・・桜は人の手を借りなくとも、南は沖縄から北は北海道まで春がくれば必ず咲く、どんなときでもどんな所でもな」
「凄く可憐なのに強い花ですね」
「人生いろいろあるから、桜を愛でる気持ちにならないときもあるけどな」
「ぶちょおにもそんな春がありました?」
「ああ・・・だけど庭に咲いた桜を見て綺麗だと思った、一瞬心が和んだ。桜にはそういう優しさがあるんだと思う」
「そうですね! うわぁ~大きなしだれ桜! こっちのしだれ桜はまだ散ってなくて綺麗です~ あっ花びらが・・・」
風に舞いはらはらと落ちる花びらを 両の手を広げて笑顔で受け止める君。。。
「ほらっ髪に花びらがついてたぞ(微笑)」
「ほんとだ~桜の花びらって小さくて可愛いですね」
「お母さん、見て見て~桜の花びらが落ちてくるよ~綺麗だね~」
「ほらっ誠一の頭に花びらがついてたわよ(微笑)」
「わぁ~桜の花びらって小さくて可愛いね!」
・・・遠い昔 温かいひだまりの中の 優しい記憶・・・
あなたみたいにたおやかな人ではないけれど とても元気で可愛い人と桜を見ています(微笑)
*
宇治・・・
「あー美味しかった~お抹茶と抹茶だんご! あっ抹茶のソフトクリーム!」
「まだ食べるの?」
「二人で食べましょうよ~」
「しょうがないな(笑)あっ忘れてた! 指輪持ってきたんだった。もう落とすなよ」
「はーい」
「悪い虫がつかないようにちゃんとはめとけよ」
「悪い虫?」
ん?悪い虫ってなんのことだろう?
「あっ舟ですよ!」
「桜を見ながら川下りか、乗ろうか?」
「はい!」
「いいお天気になって風が心地よいです。青い空と桜が水面に映って綺麗~」
桜よりもその輝くような笑顔に見入ってしまう。 来てよかったな~京都。
「あっ今、私の横顔に見惚れてたでしょ?」
「見てないもん」
「見てましたよ(笑)」
「こんなに可愛らしい奥さんなら見惚れて当然よね、私は映画俳優みたいなご主人につい見惚れてしまいましたけど(笑)」
「おまえは昔から面食いだからな」
「だからあなたと結婚したんでしょ」
「ご馳走様です」
「あらっまあどうしましょう~年甲斐もなく」
「いーえ、お二人とも品があってとても素敵なご夫婦で、私たちもお二人のような夫婦になりたいです」
「品はちょっと無理だと思うがな」
「もう~」
「でもお二人のようにずっと仲の良い夫婦でいたいです」
「嬉しいわ、そんなふうに言ってもらえると(微笑)」
*
「京都楽しかったですね~、マイナスイオンたっぷり浴びて凄くリフレッシュできました」
「うん、楽しかった。後半月頑張れよ」
「ぶちょおこそ、あと半月寂しいの我慢してくださいね」
「別に寂しくないし」
「はいはい」
「あのな~」
「ほらっ新幹線来ましたよ!」
「じゃあまたな」 (後編に続く)
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