あちこち美術展を巡っていて、やはり「風景」「風景画」が好きなんですが、そういえば・・・「空」「雲」「空をめぐる景色」を主眼にしたものが少ないですよね。
(例えば雲海とかも「山」が主体であって、雲そのものにスポットを当てたものではない気がします。)
そんな「空」にスポットをあてた美術展がおこなわれているので・・・さっそく。
井の頭線・神泉駅を降りてトコトコ歩いたところに渋谷区立松濤美術館があります。
けっして大規模ではないのですが、個性ある独自の美術展が年間を通じて行われており、日頃から“要チェック”の美術館として気にしています。
「空の発見 Discovering the Sky」展
西洋絵画・日本画問わず、空・雲・空の景色(朝景・夕景)というのは主体・主眼になる対象物に比べると
たしかに“お飾り”のような存在で、あまりそれらが主体になる事はめずらしいことだったようです。(富士山の夕景なんかは主体は富士山であり、それを際立たせるのが夕景ですからね)
あまりにも主眼が散漫になるし、刻々とその表情も変わってしまって(たとえば雲の形)捉えどころもないのが、そんな理由になるのかもしれません。
今回の美術展はそんな空の表情・芸術的な雲などのかたち、そして広大な空から想像される思想的な表現がどのようなものなのかを、クローズアップされたものになっています。
ただそれらを“どう読み取るか”“どう読み取れるか”は鑑賞する者にゆだねられているので、なかなか深読みするのもむずかしいもので、
「なんとなく、わかった」というイメージでおわってしまう作品も多くありました。
でも例えば「雲」なんかは色・かたち・躍動感など写実的で芸術的な面もあり、作品として成立する対象になると思います。
そんな「空」にスポットを当てた珍しい美術展を松濤美術館にて鑑賞しました。