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クルマに関する妄想集(+その他のことも少し)

クラウンセダン

2010年12月19日 23時02分13秒 | Weblog



僕のように少々角度のずれたクルマ好きからすると、タクシーというのは言い知れぬ魅力を備えた存在である。

その理由にはいろいろだけれど、人や荷物を輸送するというクルマ本来の存在意義に対して、乗用車の衣をまとったクルマの中ではいちばん忠実な存在だからだろう。稼働4年あまりで50万kmを走破し、そこでエンジンを載せ換えてなお走り続ける車両も多いと聞く。10年10万kmなどというのんびりした話ではない。

画像のクルマはトヨタ・クラウンセダン。よく見ると、ルーフにいわゆる「アンドン」が載っていないこと、営業ナンバーではないことから、タクシー会社の連絡用のクルマと推測される。

いまやクラウンセダンはクラウンコンフォートの豪華版という成り立ちだ。1995年にクラウンコンフォートが街を走り始めて今年で15年が経つわけだけれど、このボディはもはやすっかり日本の風景の一部となった。デザイン不在といいたくなる外観ではあるが、15年間も日本のタクシーの雄を張ってきた実績の前では(ちなみにセドリックセダンはそれより8年も先輩だが)、いまさら言い立てても仕方のないことと思える。それによく見ると、これだけさまざまな車型が増えた現代にあっては、このザ・セダンというべきデザインも、これはこれで存在意義があるような気すらしてくるから不思議だ。

ちなみにこのクラウンコンフォート、ではなかったクラウンセダンに与えられたアルミホイールは、れっきとした純正アルミでありながら、実は1990年に発表されたカムリ・プロミネントが履いていたそれが、時空を飛び越えて流用されたものだ(光輝加工こそされてはいるが)。僕はカムリ・プロミネントを憎からず思っていたので、その痕跡が今日にも残っていることが楽しく思えるが、一方で「クラウン」名を与えられたクルマが、実はコンフォートのシャシー/ボディ(ということは、すなわち1988年の80系マークⅡのプラットフォームである)にカムリ系のアルミということで、「クラウン」の値打ちもだいぶ下がったとの見方もできるかも知れない。


コメント (4)
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