狸便乱亭ノート

抽刀断水水更流 挙杯消愁愁更愁
          (李白)

ある風景から

2009-08-18 21:01:25 | 怒ブログ


所用があって(実は急にサンマが食べたくなって、それを買いに来ただけの単純な用件である。) 燈刻、街に出かけてみた。
行きつけのショッピングセンター駐車場入口が、いつになく騒々しい。 近寄って見ると、「生活を守り抜く。」と 大書した幟が何本も建っていて、
数人の女性達が、「〝マニフェスト〟をお配りしています 。」を連呼しながら、派手なポーズで通行人に某政党の〝マニフェスト〟なる冊子を手渡し、さかんに有り難うございますを繰り返していた。
その振る舞いは、どう見ても選挙のため雇われた、にわか作りのアルバイト嬢ではなさそうである。
 かの有名な宗教団体の信者たち奉仕団に相違なかった。
 この度の衆院選で、ボクの住む町の選挙区では、この政党からの立候補者はいない。比例代表制という 選挙の仕組みはよく判らないけど、このマニフェスト配りは、比例区の投票依頼であろう。この宗教団体の政治活動は選挙が近くなったから急に始めたものでなく、日常が政治活動であることは、町中貼り巡らした立て看板、ポスターの数が抜群であることから見ても伺いしることができる。因みにわが町には同宗教の推薦所属政党の町議3名が上位当選の常連である。

 ところで話は変わるが、宗教団体の中には選挙の投票をボイコットしているところもある。
とある機会から、その信者の1人と懇意になった。
新聞代集金人として新聞店に勤めている既婚の女性である。彼女は、輸血を拒むことで知られる某宗教の熱心な信徒であった。
そこは、選挙はやらないという教義が徹底していた。ボクは懇意になったのを幸いに、
「貴女たちはどういう理由で投票に行かないの?」と訊ねてみた。
 彼女の答えは次第に熱を帯びてきた。聖書の言葉をしばしば引用した。理論整然(?)である。しかし、立て板に水を流す如く、滔々と引用する聖書の章、節を述べられても、こちらは困惑するばかりである。
「いろいろ言われても、さっぱり解らない。紙に書いてきて欲しい」ボクは彼女にそう頼んでおいた。
 翌月彼女が集金に見えた。
「このあいだ選挙をしない理由を、紙に書いてきてくれといわれましたが、書くということは大変容易なことでないので、ここにその根拠を書いてある本があります。これを差し上げますから、お読み下さい。」
彼女は、分厚い「新世界訳:聖書」と「聖書から論じるQ&A」というその教団の発行する本を、ボクに恵贈してくれたのである。
 ボクもタダで頂いたのでは恐縮だから、代金はお支払いしますといった。
「プレゼントします」彼女は、代金は受け取らなかった。
その宗教の教義を集約してあるテキストであった。

選挙をやらない理由
輸血を拒む理由
戦争・兵役に関する見解
そこに栞を入れてお帰りになった。
>定義:2者あるいはそれ以上の紛争当事者のどちらの味方もしない、あるいはどちらも支持しない者の立場。古代と現代とを問わず、真のクリスチャンがあらゆる国で、又あらゆる状況のもとで、世の党派間の紛争に関し徹底した中立を保持してきたことは、歴史上の事実です。真のクリスチャンは、愛国主義的儀式への参加、軍務に携わること、政党への加入、行政職に立候補すること、投票などに関して他の人々が行う事柄に干渉しません。しかし心のクリスチャンは聖書の神エホバだけを崇拝します。それらのクリスチャンは無条件で神に献身しており、神の王国を全面的に支持します。

一般の政府の権威に対するクリスチャンの態度と関係があるのはどんな聖句ですか。

この「聖書から論じる」ではローマ13:1、5‐7を引用している。小生にはちょっと馴染めない「新世界訳」なので、改訳(文語訳)を覗いてみたが、それでも抽象的語彙が次々に並び、ボクには全く理解出来なかった。
※この添付写真では、駐車場の喧噪音は聞こえて来ないが、メーン会場は道路を挟んだ左側の第二駐車場入り口でパノラマ写真の右端と思って下されば、ある程度の雰囲気が理解出来ると思う。