スポーツアパレルやカジュアル衣料の在庫がたまりにたまっていると報道されるようになってから2年近くになるでしょうか。そんな中で、ナイキ、李寧、波司登、羅賓漢などの中高級ブランドがスーパーで在庫処分を行うようになってきてます。スーパーの1階入り口の目立つ場所に特売スタイルで数百㎡の場所を用意し、そこでかなり割引して在庫を掃いて行っているというのです。在庫処分をネット販売で行うというのはよく聞きますが、スーパーでの特売スペースでの安売りと言うのはこれらのブランド絵は新しい動きでしょう。
最初にウォルマートでこのような動きを始めたのは波司登で、その後ナイキ、アディダス、李寧も続々とウォルマートで同じようなことを行うようになってきています。価格はだいたい定価の50-70%引きで、消費者にはなかなかの評判のようです。
ブランド側がスーパーに打診することもあれば、スーパーの方からブランド側に打診することもあり、この動きは一線都市だけでなく二・三線都市でも見られるようになってきています。上にあげたブランド以外ではjeanswestやディズニーもRT-MART(大潤発)で同じようなことをやり始めてます。
これらの処分品は基本的には2年以上経ってしまっているもので、種類も多く、品質も悪くありません。注目すべきは、在庫処分品は男性もの主体で、女性ものの比率が少ないという点です。女性ものの場合はいくら処分品として掃こうとしても、デザインが古くなるとやはり売れ行きが悪いようです。
さて、スーパーで特売するというのが果たしてブランドイメージにどれだけ影響するのかが気になるところでしょう。しかし、在庫を処分できるというのはそれを上回る魅力のようです。代理商(ディーラー)が在庫品を直接スーパーに売却してしまうと、その後は全く管理する必要がなくなるため、管理コストや賃料コストも発生しないですし、そもそもスーパーに出店するための入場料やバーコード費なんかも関係なくなり、人を派遣する必要もなくなります。この部分のコストを抑えることができるのはかなり大きなメリットです。そう考えると、売り場と代理商の双方がwin-winの関係になりますが、ブランド側は置いてけぼりのような感じになってしまってますね。ブランドイメージと言ってもしょせんは2年落ちなので、それほど影響も大きくないだろうということで放っているのかもしれないですね。