呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

中国はアニメに力を入れるといいますが、、、

2012年01月06日 | 日記
 2011年12月27日付で《財政部 国家税務総局:アニメ産業の発展を扶助する増値税営業税政策に関する通知》(財税[2011]119号)が公布され、施行期間はバックデートで2011年1月1日よりスタートし2012年12月31日までとされています。ちょっと内容を見てみましょう。
 

1.増値税

 増値税一般納税人に属するアニメ企業が自主開発生産したアニメソフトを販売する場合、17%の税率で増値税を徴収したのち、その増値税の実際の税負担が3%を超過する部分について、即時徴収即時還付が行われます。

 アニメソフト輸出については増値税の徴収が免除されます。

 
2.営業税

 アニメ企業がアニメ製品の開発のために提供するアニメ脚本編纂、イメージデザイン、背景デザイン、動画デザイン、カット分け、動画政策、撮影制作、トレース、着色、画面合成、吹き替え、音楽吹込み、音楽効果合成、編集、字幕制作、圧縮変換(オンラインアニメ、モバイルアニメフォーマット向けの適切な変換)役務、及びアニメ企業が国内でアニメ版権譲渡取引収入(アニメブランド、イメージまたはコンテンツの授権及び再授権を含む)について、3%の税率に減じて営業税を徴収します。

 

 アニメ産業の発展に関する通達はちょっと調べたところ、2006年4月に公布された《国務院弁公庁による財政部等部門への転送:我が国アニメ産業発展の推進の若干意見に関する通知》(国弁発[2006]32号)が一番初めかと思われます。色んな地域で投資誘致に当たりアニメ産業に力を入れると打ち出しているところがありますが、一方で中国でアニメなんてまだまだと言って積極的にならないところもあります。確かに2006年の通達からもうかれこれ6年近くになりますが、この6年近くでどれだけ中国のアニメが力をつけてきたかと思うと個人的には「?」です。日本からのアウトソーシングを受けて絵を描く技術等はそれなりに力をつけてきたかと思いますが、作品自体の魅力がまだまだといえるでしょう。確かに、『喜羊羊与灰太狼』という子供向けアニメは国産モノとしてかなりの大ヒットでしたが、これはしょせんチビっ子向けのものです。青年や成年が楽しむような、つまりストーリー自体を楽しめるようなものが果たして現れたかというとまだ現れていません。では、そのうち出てくるのでしょうか。そりゃあ時間がたてば出てくるでしょうが、まだまだ先の話になりそうです。まず、ストーリーを作り出すにはそれなりの空想力や想像力が必要になってきますが、これは生まれ育った背景や現在の生活背景に追うところが大きいと思うのです。例えば、日本の学校ではクラブ活動が当たり前のように行われていたり、高校生でもアルバイトしている人がいます。一方で中国ではクラブ活動はない、高校生は結構勉強に追いまくられている、つまり学校の授業時間以外の活動があまりにも違うというのが一つ要因として挙げられるでしょう。また、日本のアニメなんかでは不良役が主人公だったりするのがありますが、そんなアニメを果たして中国の審査で認められるかというとこれまた「?」でしょう。ところが実際はそんなアニメが面白かったりします。中国のアニオタ達もそう思っています。そうこう考えると、やっぱり中国のアニメはまだまだなのかなあと。工業は確かに発展してきましたが、アニメに関しては精神・風俗に関係してきますので、これが工業バリのスピードで果たして発展(ストーリーの面白さ)するかというとこれも「?」だと思うのであります。チビっ子向け作品は別として、ストーリー的にはしばらく「カタい」作品がこれからも続いていくように思います。

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