呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

中国の月餅バブル崩壊?

2013年08月23日 | 日記

 ちまたでは中国バブル崩壊なる言葉がかれこれ10年近くは聞こえてきます。統計を見ても成長が鈍化しているのは明らかで、成熟しつつあるように思えますが、厳しい目で見る片田とバブル崩壊という言葉になるようです。マクロ的なことは別にして、小さい世界でついにバブル崩壊の時がやってきたかもしれません。月餅バブルの崩壊です。

 

 例年中秋節のころには月餅そのもの、あるいは月餅引換チケットが贈り物として配られる習慣があります。当然月餅需要が増えるわけなのですが、今年は例年よりもその需要が大きく落ち込んでいるようです。その理由として、今年の中秋節は時期が国慶節と少し離れている(年によって違いますが、国慶節とほぼ重なることがあります)という時期的要因、そしてもう一つがやはり政府が贅沢禁止を打ち出したことにあると言われております。いわゆる三公消費(中央省庁及び地方政府が、接待飲食、公用車、 旅行に使う費用)の制限ですね。とある月餅会社によるとこの時期だと月餅チケットは6割以上さばけているのが、今年は4割にも満たず、特に高級月餅チケットへの打撃が大きいとのことです。

 

 シャングリラホテル、ペニンシュラホテル、リッツカールトンホテルといった高級ホテルによりますと、こういった政府関係や国有企業からの注文が前年比50%以上下落しており、ホテルによってはほとんどなくなっているところもあるようです。この他、最近医薬会社の賄賂問題が話題ですが、医薬会社からの注文も激減しているそうです。今年は銀行や外資企業からの注文が多いそうです。

 

 リッツカールトンでは三公消費に対して制限されるようになったときからこのような動きをあらかじめ予想し、今年の2-3月には月餅販売計画を立て始め、ターゲットを外資企業や個人消費へのシフトを図っていたとのことです。そして、4-5月には2か月繰り上げて販売を開始し、それもあって月餅販売は順調とのことです。また、価格面でも昨年は318元と228元の二種類だったのを今年は198元、248元、328元と若干低めの価格帯のものも販売しました。大げさかもしれませんが、こういうのを見ていると時代の動きを見て先を読むというのはいかに大事かということがよくわかります。

 

 月餅チケットの場合、それを回収する業者がいます。要するにダフ屋ですね。今年は月餅チケットの流通数が少ないため、例年だとダフ屋が受け入れなかったような銘柄の月餅チケットでも受け入れるようになっており、また量が少ないこともあって例年より高値で引き取られているようです。

 

 たかが月餅、されど月餅、皆さんのお手元に届けられた月餅や月餅チケットは例年と比べて増えましたか?減りましたか?


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