国際金融危機の中国への影響をできるだけ回避するために国務院常務会議が十項目の措置を発表していたが、そのひとつである輸出税額還付率の引き上げについて明らかとなった。具体的には
2008年11月1日より一部の労働集約型及び高技術含量、高付加価値商品の輸出税額還付率が引き上げられることになった。
今回の輸出税額還付率の引き上げは3486品目と広範囲にわたっており、税関コード品目の25.8%に相当する。主に①紡織品、服装、玩具等の労働集約型商品の輸出税額還付率の適度な引き上げ、②抗エイズ薬物等の高技術含量、高付加価値品の輸出税額還付率の引き上げ、の二つの方面の内容が含まれている。これにより、調整後の輸出税額還付率は5%、9%、11%、13%、14%と17%の6つとなる。
主な調整品及びその還付率は次のとおりである。
紡織品、服装、玩具 |
14% |
日用及び技術陶磁 |
11% |
一部プラスチック製品 |
9% |
一部の家具 |
11% 13% |
エイズ薬物、遺伝子組換ヒトインスリンゼリーパウダー、キサンタンガム、強化安全ガラス、コンデンサー用タンタラムワイヤー、船用アンカーチェーン、ミシン、ファン、数値制御工作機械硬質合金刀等商品 |
9% 11% 13% |
しかしここ最近の紡織品に対する輸出税額還付率の調整頻度はあまりにも多いと言わざるを得ない。何か対策を立てるたびに輸出税額還付率の調整だ。これだけ頻繁に変わってしまうと企業側としてビジョンを立てるのが難しいといわざるを得ないだろう。逆に言うと輸出頼みの構造でいる限りはどうしても輸出税額還付率の調整の影響を受けざるを得ない。多くの企業が既に目指している方向であるが、結局のところは中国国内販売比率を引き上げて輸出税額還付率調整リスクを回避するのが企業運営として最も安定的な方策であるといえるだろう。 以前から中国国内販売注力してきた会社はともかく、これから中国国内販売の比率を大きく上げていく、国内販売のリスクをとっていくという方針でいる会社は国内販売のノウハウを蓄積していくことが従来以上に大事になってくる。今後はそういったニーズもますます増加してくると思われ、私としてもそういう方面の業務もどんどんやって行きたいと思う。