易観智庫や易観国際が中国SNS市場に関するデータを発表している。
ユーザー数
2009年 |
2010年予測 |
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1.76億人 |
前年比+68.3% |
2.16億人 |
前年比+22.7% |
市場規模
2009年 |
2010年予測 |
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7.766億元 |
前年比+55.9% |
10億元以上 |
もっとも有名なSNSサイトである開心網のユーザーは現在8600万人、人人網というサイトで1.4億人が登録されている。これだけのユーザー数を抱えていながら、必ずしも儲けが出ているわけではない。開心網が自ら1億元の売り上げを達成したと発表している以外では、人人網を含むほかのSNSサイトの利益水準は明らかではない。結局産業規模としては大きくないといえる。その主な原因はやはりユーザーにサービスに対してフィーを支払うという意識を持つ段階にいたっていない、要するに課金を受け入れてくれないのだ。中国互聨網絡信息中心(CN-NIC)によると、SNSサイトの収入源の約80%は広告収入で、会員から得られる収入は15%、その他が5%という内訳になっている。会員からの収入をいかにして増やしていくかということになるが、数年以内に会員からの収入を増やすスキームに転換できるという見方は少ない。ネット系のビジネスは一見華やかできらびやかなのだが、利益を上げようとなるとなかなか難しい。SNSサイトでも既になくなってしまったものもいくつかある。ファンドの資金に頼っていたのが、ファンドのほうが回収を待ちきれずに資金注入をストップしたことにより閉鎖してしまったSNSサイトもいくつかある。中国での課金というのはなかなか難しい。上に書いたようにまだまだ時間がかかりそうだ。
でも事業戦略としてみると、現在のように市場が急速に拡大している時期においては、とにかくたくさん会員を集めシェアを確保するのが優先課題で会員数が伸びていれば資金調達や広告獲得でも有利ですから、会費や各種サービス無料という戦略が正しいといえます。でも、ある程度市場が飽和状態に達した段階で、多少課金されてもSNSなしに生活するのが不便な状態になっていれば、事業として出して過去の投資を回収し、また新たなサービスやセキュリティの強化のための絶えざる投資に必要な資金を捻出するため会費徴収という方向に進むのは事業戦略上避けられないと思います。