ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第91巻-2顔のない逃亡者

2007-08-21 23:40:42 | 第091巻~第095巻

■顔のない逃亡者(第308話) 発表1990年12月

評価   ★★★★

依頼人   全米一のドラッグ・ディーラー”トビイ・コロラド”

ターゲット ジョニー・ダッシュ

報酬    $1,000,000

今回弾丸発射数       1/ 通算弾丸発射数 1,711

今回殺害人数         1/ 通算殺害人数   3,861

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数    95

<ストーリー>
全米ナンバーワンのドラッグ・ディーラーから資金を持ち逃げした「ジョニー・ダッシュ」。整形して逃亡しているジョニーの殺害依頼を受け・・・

<この一言>
あんたから、ファースト・ネームで呼ばれる筋合いはない・・・

<解説>
全米ナンバー1ドラッグ・ディーラー「トビイ・コロラド」は、腹心の「ジョニー・ダッシュ」にカネを持ち逃げされる。ジョニーは整形手術を施し、南ノルウェーに逃れたという。コロラドはゴルゴにジョニーを探し出し殺害して欲しいと依頼する。

ゴルゴはジョニーが逃亡前に飼っていた犬を探し出してノルウェーに上陸、匂いを頼りに顔を変えたジョニーを特定し、狙撃する。

コロラドの何気ない一言「女房から飼い犬までが”蒸発”ってわけだ!!」が、見事な伏線になっている。短編ながらスパイスの効いた秀作で、海外翻訳ミステリーのような味わいがある。

コロラドがゴルゴに対し「景気はよさそうじゃねえか、デューク!」と馴れ馴れしく話しかけると、ゴルゴは「あんたから、ファースト・ネームで呼ばれる筋合いはない・・・」と礼節を欠いたコロラドを戒めているのが面白い。また、コロラドの情婦「ピンキー」も、知性ゼロ・肉感的フェロモン全開のバカっぷりを最大限に発揮。自慰にひたってゴルゴを誘惑しようとするが、見事にゴルゴに黙殺されているのが可笑しい。そんなピンキーのゴルゴに対する捨てゼリフ「なにが超一流の男よ!!あんたホモでしょ!!」が笑いを誘う・・・

ズキューン

ゴルゴ13 (91)巻掲載
ゴルゴ13 145巻(最新刊)
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

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ゴルゴ13第91巻-1黄色い害虫

2007-08-19 23:33:32 | 第091巻~第095巻

■黄色い害虫(第307話) 発表1989年12月

評価   ★★★

依頼人   CIA アーノルド

ターゲット 台湾の竹聯幇のボス「劉宗閔」

報酬    不明

今回弾丸発射数       1/ 通算弾丸発射数 1,710

今回殺害人数         2/ 通算殺害人数   3,860

今回まぐわい回数     1/  通算まぐわい回数    95

<ストーリー>
アメリカ大手コンピューターメーカー「PAL」のコピー商品が台湾で製造されていることが判明。コピー商品撲滅のためにPALとCIAは・・・

<この一言>
なんのまねだ・・・?

<解説>
アメリカ大手コンピューターメーカー「PAL」の台湾製コピー商品が大量に発見された。事態を重く見たPALの副社長「フランク・アイゼンバーグ」は、興信所を用いてコピー商品の背後を探らせる。コピー商品は台湾マフィア「竹聯幇」が大々的に作っており、ソ連にも輸出していることが判明する。

アイゼンバーグはこの情報をCIAに提供した見返りに、竹聯幇の密輸ルートを撲滅することを要求。CIA「アーノルド」はゴルゴに竹聯幇の頭領「劉宗閔」を”事故に見せかけて”殺害するよう依頼する。

ゴルゴは劉宗閔の屋敷に忍び込み、風呂場で転倒したようにみせかけて劉宗閔を殺害する。劉宗閔の足のウラに石鹸を塗りつけて偽装工作をしているあたり、芸が細かい。

本作は台湾を舞台にした違法コピー商品の実態を描いた作品。1989年発表作品であるが、台湾・香港・中国・韓国などアジア圏で作られる違法コピーの問題は本作発表当時よりも深刻化している。日本漫画の”海賊版”がアジア圏で流通しているようだが、ゴルゴシリーズの海賊版も存在するのだろうか・・・

ズキューン

ゴルゴ13 (91)巻掲載
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ゴルゴ13第90巻-3 F-1サーカス

2007-08-18 23:52:50 | 第086巻~第090巻

■F-1サーカス(第306話) 発表1991年4月

評価   ★★★

依頼人   澤田自動車 澤田社長

ターゲット フィリップス・サワダチーム「ベルナルド・レネ」のF-1マシン

報酬    不明

今回弾丸発射数       1/ 通算弾丸発射数 1,709

今回殺害人数         0/ 通算殺害人数   3,858

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数    94

<ストーリー>
1990年のF-1は澤田自動車がエンジンを提供する「フィリップス・サワダ」が席捲。しかし、F-1はヨーロッパの文化であるとして、サワダ・バッシングが巻き起こる・・・

<この一言>
ゆっくりだ・・・ケースからゆっくりと手を出してもらおう・・・

<解説>
1990年のF-1グランプリは、澤田自動車がエンジンを提供する「フィリップス・サワダ」が席捲、フィリップス・サワダのドライバー「ベルナルド・レネ」はドライバーズ・チャンピオンの座を狙っていた。

しかし、ヨーロッパの文化であるF-1で、日本製エンジンが活躍することを快く思わない勢力が台頭、「サワダ・バッシング」が巻き起こっていた。澤田自動車の社長は、これ以上フィリップス・サワダが勝ち続けるとヨーロッパでの澤田自動車の販売に影響が出ることを懸念し、鈴鹿サーキットでのレースでレネの乗るフィリップス・サワダ車をリタイアさせるよう、ゴルゴに接触する。

ゴルゴは時速300キロで走行するレネのマシンのホイールナットを狙撃、事故に見せかけてレネをリタイアさせる。

F-1を題材にした作品。作中の登場人物・組織名は下記の通り読み替えられる。
ベルナルド・レネ=アイルトン・セナ
フィリップス・サワダ=マクラーレン・ホンダ
澤田自動車=本田技研工業
澤田社長=本田宗一郎
ゴルゴは、F-1事情にも明るいらしく、「レネ」のドライバーズ・チャンピオン争いについてもしっかり把握している。

ズキューン

ゴルゴ13 (90)巻掲載
ゴルゴ13 145巻(最新刊)
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ゴルゴ13第90巻-2ワシントン秘密工作 大統領はお元気?

2007-08-17 23:48:10 | 第086巻~第090巻

■ワシントン秘密工作 大統領はお元気?(第305話) 発表1988年11月

評価   ★★★

依頼人   CIA DDO部長ウィリアムズ

ターゲット DDOコンピューター技師ハリー・ローゼンバーグ

報酬    不明

今回弾丸発射数       1/ 通算弾丸発射数 1,708

今回殺害人数         1/ 通算殺害人数   3,858

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数    94

<ストーリー>
部下の情報漏洩でCIAをクビになったウィリアムズ。ウィリアムズはソ連に情報を売り渡そうとした部下の狙撃をゴルゴに依頼する・・・

<この一言>
俺は、依頼人と二度会うことは、好まない・・・

<解説>
CIA・DDO部長「ウィリアムズ」は、部下の「ハリー・ローゼンバーグ」がアメリカの国家機密を盗み出した責任をとらされ、CIAをクビなった。ウィリアムズは”決着をつけるため”にゴルゴに接触、ローゼンバーグの狙撃を依頼する。

アメリカの国家機密を買い取りたいというニセのソ連大使館員をローゼンバーグに紹介し、情報の受け渡しをホワイトハウス前で行うとして、ローゼンバーグをおびき寄せるウィリアムズ。ゴルゴは、この機会にローゼンバーグを狙撃する。

再びゴルゴの前に現れたウィリアムズは、CIAをクビになったのはウソだと告白する。ゴルゴはウィリアムズのウソに気付いていたのだが、騙された振りをしている。依頼人のウソを許さないゴルゴにしては極めて稀な対応だ。さらに驚くべきは、ウィリアムズが「たまには笑えよ、デューク!」と軽口を叩いていることだ。ゴルゴへの依頼シーンでも、くだけた口調で「俺たちは友達だろ?」と語りかけ、缶ビールを投げて渡している。用心深いゴルゴであるが、缶ビールを飲んでいるのも意外な展開だ。
ウィリアムズはかつてゴルゴと接点があったようであるが、今まで発表された作品には登場していない。ゴルゴに対し、ここまで馴れ馴れしく接することのできるウィリアムズ、いったい何者だ?

ローゼンバーグが狙撃されるシーン、異常なまでにリアルに描かれているのが不気味である・・・

ズキューン

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ゴルゴ13第90巻-1 200年の輪廻

2007-08-16 23:53:15 | 第086巻~第090巻

■200年の輪廻(第304話) 発表1989年9月

評価   ★★★

依頼人  ①②ジャック・ルロワ③大統領府

ターゲット ①ミシェル・バロワン200年祭初代委員長②エドガー・フォール2代目委員長③ベルナール・エルデュー

報酬     ①②不明③1,000,000フラン(約22,000,000円)

今回弾丸発射数       3/ 通算弾丸発射数 1,707

今回殺害人数        3/ 通算殺害人数   3,857

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数    94

<ストーリー>
革命200年を迎えるフランスで、フランス革命史を塗り替えるような史実が明らかに・・・

<この一言>
俺は・・・依頼人に二度会うことは、好まない・・・

<もう一言>
あんたが、なにを考えようが・・・俺は、仕事の契約さえ、守ってくれれば、それでけっこうだ・・・

<解説>
革命200年を迎えるフランスでは、革命200年祭委員長が二人続けて殺される事件が発生した。ミッテラン大統領が任命した左派の委員長就任に反対の意を伝えるために、会社経営者で絵画コレクターでもある「ジャック・ルロワ」が、ゴルゴに2名の委員長の殺害を依頼したのであった。

一方、200年祭を前にフランス革命史を塗り替える日記が発見される。史実では、ルイ16世の死刑は一票差で賛成可決されたが、この時ルイ16世のいとこ「オルレアン公」は死刑に賛成したとされている。しかし、発見された日記にはオルレアン公は買収されてルイ16世の死刑に賛成されたことが記されていた。さらに、現在は行方不明になっているオルレアン公の肖像画の裏面には買収にからむ記述がなされているという。日記と行方不明のオルレアン公の肖像画を合わせて発表すれば、フランス革命史を塗り替える衝撃的な内容となる。しかし、大統領側近はフランス革命時の買収行為がミッテラン大統領の引き起こした不正蓄財や、政治腐敗を連想させるとして、この発表を阻止すべく真実を知る「ベルナール・エルデュー」の殺害をゴルゴに依頼する。

命の危険を感じたエルデューは、自分の身に万一のことがあったらアルレアン公の肖像画と真実を記したメモをパリ国家警察に送るよう、アルレアン公肖像画の所有者であるルロワに託す。しかし、エルデューの死後ルロワはアルレアン公の肖像画を国家警察に送ると見せかけて強奪、再び自身の手元に収めるのであった・・・

フランス革命200年にからめた歴史ミステリー。複雑にからむ人間関係と史実関係が、読者の知的興奮を呼び覚ます。”水切り”のような水面を利用した跳弾狙撃が新しい殺害方法として登場している。これまで幾度となく繰り返されてきた跳弾狙撃だが、水切りショットが登場するとは!ゴルフのミスショットからヒントを得たのだろうか・・・
なお、本作には第47巻-3『メスリーヌの猫』のエピソードが紹介されている。

ズキューン

ゴルゴ13 (90)巻掲載
ゴルゴ13 145巻(最新刊)
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