■戦場を漁る者(第523話) 発表2004年7月
評価 ★★★
依頼人 イギリスMI6、アメリカ、日本他イラク駐留軍派遣各国
ターゲット 反イラク駐留軍組織に武器供与を行っている『アリババ』
報酬 不明
今回弾丸発射数 4/ 通算弾丸発射数 3,187
今回殺害人数 10/ 通算殺害人数 5,594
今回まぐわい回数 0/ 通算まぐわい回数 120
<ストーリー>
旧独裁政権が崩壊後、イラクにはアメリカ・イギリスを始め各国の軍隊が駐留した。しかし、反駐留軍組織が武装を強化、しており駐留軍の安全が脅かされていた。反駐留軍組織の資金は古美術品の密売によってもたらされているという・・・
<この一言>
自分が相手に”裏”のにおいを感じた時は、相手も同じように感じている。と、思うべきだ・・・
<解説>
フランスの『イラク流出文化財調査センター』所長の『アッバス』は、イラクで生まれたがサダムフェダーインの圧政を逃れフランスに亡命し、現在は祖国イラクの散逸した文化財の回収にあたっていた。各方面より寄付を募り文化財を買い戻す交渉責任者として活動していたが、『アリババ』を名乗る男より高額の取引を持ちかけられる。主要なものだけで220万ユーロの買い取りを提示されたアッバスは、金策に奔走する。
そんな折、アッバスの元に120万ユーロの寄付の話がもたらされる。条件は一つ、取引現場に一人の男(=ゴルゴ)を同席させて欲しいという。アッバスは二つ返事で応諾、アリババの手下の運転する車に乗せられる。アッバスの協力者で裏の顔は武器商人である『シモーヌ』とゴルゴは、アッバスの乗る車を追う。シモーヌはゴルゴの正体を知り、ゴルゴの狙いがアリババ殺害であると睨み、ゴルゴに銃口を向けるが、あっけなくゴルゴにいなされ命を落とす。
アリババと対面するアッバスは、アリババの正体が実の弟であることを知る。アッバスはフランスに逃れたが、弟はイラクに残り、イラク民衆の為に闘ってきたのであった。イラクの為に文化財を買い戻す兄と、イラクのために文化財を売り武器を購入する弟。二人の溝は埋まらない。その刹那、ゴルゴの放った銃弾がアリババを捉える。イラク国内に最新兵器が流入しないよう、イラク駐留軍各国がゴルゴにアリババ殺害を依頼していたのであった。
イラクの複雑な統治形態と内乱を描く作品。兄弟の相克がドラマティックで、もの悲しいエンディングがやりきれない。金の亡者シモーヌが対照的に描かれていて、物語に深みを与えている。が、ゴルゴの関与が薄く、物足りなさを感じ得ない。ゴルゴに対し『毒にも薬にもなる』と皮肉を言うMI6の重鎮が非常に気になる。ヒュームの後釜になり得る重要バイプレイヤーだ・・・
ズキューン
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