ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第135巻-1ダブル・ミーニング

2009-04-26 23:59:20 | 第131巻~第135巻

■ダブル・ミーニング(第445話) 発表1999年9月

評価   ★★★

依頼人 CIA ホリック

ターゲット 大統領補佐官 フィル・ボイスコフ

報酬   不明

今回弾丸発射数       3/ 通算弾丸発射数 2,393

今回殺害人数      3/ 通算殺害人数   4,686

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   109

<ストーリー>
”ゴールデン・ピクチャーズ”配給の戦争映画はアメリカ政府高官が関与するプロパガンダ映画?映画のウラに潜む陰謀をCIA職員が・・・

<この一言>
俺は、依頼を引き受ける前に依頼人の事を調べるのが、常だ・・・

<もう一言>
ええ・・・いささか・・・

<解説>
”ゴールデン・ピクチャーズ”配給の映画『アメリカン・シップ』は、捕虜として捉えられたアメリカ兵がアメリカの正義のために命を捧げるという愛国心を刺激する内容。実はこの映画、ハト派として知られる『フィル・ボイスコフ大統領補佐官』がウラで手を引き、国防予算で作られた巧妙なプロパガンダ映画であった。

反戦運動にも積極的に参加するボイスコフは、ウラで軍産複合体のメンバーとして暗躍、大統領に積極的な軍事介入を進言し、軍産複合体の利益を肥やしていた。しかも、2000年問題で多くのハイテク兵器が誤動作する危惧があるため、2000年到来前に既存兵器を使い果たすべく武力行使を急いでいた。ボイスコフの動きを知ったCIA『ホリック』は、ゴルゴにボイスコフ抹殺の依頼を行う。ホリックはCIAの同僚であり恋人でもある『アニー・ミンスキー』をボイスコフ一派に殺されていた恨みもあり、ゴルゴへの依頼を行ったのであった。

ボイスコフはゴルゴに狙われていることを知るや、対策を練る。『アメリカン・シップ』の撮影現場にゴルゴが現れると予測したボイスコフは、ライフルに取り付けられたスコープのコーティングから相手を特定する”SADS”を準備し、撮影用に準備したヘリコプターに乗ったスナイパーに狙わせる。が、ゴルゴは『アメリカン・シップ』の脚本を入手、ボイスコフがSADSを用いて迎撃することを読み切り、M16を持たせたダミー人形により狙撃手をおびき出して狙い撃ち、逃走したボイスコフを仕留める。

アメリカが映画を政治的に利用してきたことはよく知られる。自国民に対しては愛国心を煽り、他国に対してはアメリカ消費文化とアメリカナイズされた民主主義を”輸出”している。そのアメリカ映画をテーマにした本作であるが、ストーリー展開もゴルゴの活躍も凡庸である。SADSを試すべくイスラエルの兵器製造メーカーを訪ね、射撃経験を聞かれた際「ええ・・・いささか・・・」と不敵な表情で答えるゴルゴの表情が唯一の見せ場か・・・。

ズキューン

ゴルゴ13 (135) 巻掲載
ゴルゴ13 (151) 巻(最新刊)
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

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ゴルゴ13第134巻-3 高度7000メートル

2009-04-18 23:55:34 | 第131巻~第135巻

■高度7000メートル(第444話) 発表1999年9月

評価   ★★★★

依頼人 なし

ターゲット ハイジャック犯殺害と爆弾に付けられたセンサーの無力化

報酬   なし

今回弾丸発射数       0/ 通算弾丸発射数 2,390

今回殺害人数       1/ 通算殺害人数   4,683

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   109

<ストーリー>
ゴルゴの乗った飛行機がハイジャックに遭遇。ハイジャック犯を殺害したゴルゴだが、飛行機に爆弾を取り付けられていたことを知るや・・・

<この一言>
俺は犠牲になる気はない・・・自分が生き抜くために、やるのだ・・・

<もう一言>
非常時に最も危険なものは、危険そのものよりもそれを恐れる人間が起こすパニックだ・・・

<解説>
海兵隊のコナー伍長、サンダーソン、ホイッカースは、コロンビアでの活動中、麻薬工場を襲撃した。しかし、麻薬工場と思われた建物は紡績工場であり、コナー伍長らは無実の女性工員を虐殺してしまった。証拠隠滅のために工場を焼き払い、事件を闇に葬り去ったコナー伍長らは、帰国後それぞれの道を歩む。

サンダーソンはコロンビアへ渡り”ミゲル牧師”と名乗り、踊る牧師としてロック・ゴスペルを歌いコロンビアを席巻していた。一方、コナー伍長は誇大妄想癖があるとして除隊を命じられていた。ホイッカースは次期司令官としてエリートコースを歩んでいた。ホイッカースはホイッカースが紡績工場の件を公にしないよう、カネを渡していたが内心は穏やかではなかった。ミゲル牧師ことサンダーソンがアメリカへ帰ってくることを知ったホイッカースは、コナー伍長にサンダーソンを殺害するよう仕向ける。コナー伍長とサンダーソンがこの世から消え去れば、紡績工場の件を永遠に封印できると考えたのである。

破壊工作のスペシャリストであるコナー伍長は、サンダーソンの乗る飛行機に爆弾をしかける。高度センサーを主翼の付け根部分に取り付け、機体が高度7000メートル以下に降下すると爆発するのだ。ゴルゴはコナー伍長の首を背後から捻り殺害するが、センサー付き爆弾の件を機長から聞かされ、咄嗟に対応策を練る。センサーを高圧状態に維持すべく、カバーをかぶせパテで固めてしまうというのだ。自らの体にロープを巻き付け飛行中のジェット機から機外に飛び出し、作業をするゴルゴ。さすがのゴルゴも『体が熱っぽく、目眩もするな・・・空気が薄いせいか・・・』とつぶやいている。無事に作業を終え、機内戻ったゴルゴは何もなかったかのように目を閉じて目的地への到着を待つのであった・・・

元海兵隊伍長の首を一ひねりして殺害してしまう格闘術も凄いが、やはり本作の白眉はゴルゴの機転と類い希なる行動力であろう。即席のカバーを作り、プラモデルのパテでセンサーを密閉してしまうとは、『アポロ13』ばりの奇跡である。プラモ・おたくの少年が飛行機に乗っていてよかった。しかし、ゴルゴはよくよくハイジャックに遭遇しやすい運命のようだ・・・。

ズキューン

ゴルゴ13 (134) 巻掲載
ゴルゴ13 (151) 巻(最新刊)
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ゴルゴ13第134巻-2 パッチワークの蜜蜂たち

2009-04-14 22:38:54 | 第131巻~第135巻

■パッチワークの蜜蜂たち(第443話) 発表2000年1月

評価   ★★★

依頼人 キャサリン・ノイマン

ターゲット 血染めのパッチワークの奪還

報酬   なし

今回弾丸発射数       7/ 通算弾丸発射数 2,390

今回殺害人数      2/ 通算殺害人数   4,682

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   109

<ストーリー>
現代文明を拒否するペンシルベニア州”ダッチ・カントリー”。閉鎖的なこの街で殺人事件が発生。現場に残された事件の証拠となるパッチワークを巡り蠢く面々が・・・

<この一言>
わかりました・・・そのキルトを取り返すよう、全力をつくします、ミズ・ノイマン・・・

<もう一言>
ドクター・ノイマンは・・・十五年前に私の命を救ってくれたのです・・・その時にお約束したのですよ、”私に出来ることがあったら、いつでも呼んでくれ”と・・・

<解説>
アメリカ・ペンシルベニア州”ダッチ・カントリー”は、現代文明を拒否し、昔ながらの生活様式を頑なに守ってきた。そんな閉鎖的な街で殺人事件が発生する。判事である『ウィングマン』は、妻『ルース』の不貞を疑いルースと弁護士を殺害する。遺体を隠した後、現場に戻ったウィングマンは、二人の血痕がついたパッチワークが何者かに奪われたことを知る。決定的な証拠を奪い返し隠蔽するために、ウィングマンは判事の立場を利用し、別件の容疑者にパッチワークを奪い返せば罪を軽減すると持ちかける。ウィングマンに言いくるめられた男は、街の若者がパッチワークを持っていることをつきとめ、車に乗った若者たちを拳銃で襲うべく身構えていた。

しかし霧が深く立ちこめ、車を狙うのもままならなくなり男達は途方に暮れる。その刹那、一発の銃弾が若者達の車を止め、車から若者達をあぶり出す。この機に乗じてパッチワーク奪還に向かう男達であるが、ゴルゴの銃弾に倒されてしまう。ゴルゴは若者たちからパッチワークを譲り受け、現場を去る。

殺害現場を目撃してしまったキャサリン・ノイマンは、ウィングマンに殺害されたルースを娘のようにかわいがっていた。キャサリン・ノイマンはルースの敵を討つべくゴルゴに接触、決定的な証拠となるパッチワークの奪還を依頼していたのだ。ゴルゴはかつてキャサリン・ノイマンの夫に命を助けられたことがあり、無償でキャサリン・ノイマンの依頼を引き受けたのであった・・・。

過去に受けた恩義について、その当人が故人となっても義理を果たすゴルゴが熱い。ミズ・ノイマンに対しては、普段の高圧的な態度からは想像できない、最上級の敬語を使っており、恩人に対する深い敬意が伝わってくる。これだけの敬意を払いながらも、ミズ・ノイマンの話を聞いている際は、ポケットに両手を突っ込んでいるのが可笑しい。なお、キャサリンの夫『ドクター・アーノルド・ノイマン』が、瀕死のゴルゴを助けるエピソードは第139巻-1『冥王の密約』で明らかにされる。

ズキューン

ゴルゴ13 (134) 巻掲載
ゴルゴ13 (151) 巻(最新刊)
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