ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第154巻-4 サンクチュアリ

2010-08-14 23:19:00 | 第151巻~第155巻

■サンクチュアリ(第512話) 発表2003年8月

ゴルゴ13 154 (SPコミックス)

評価   ★★

依頼人 サウン連邦 ターキン将軍

ターゲット 亡命中のサウン連邦 サヤ・タン副主席 

報酬 不明

今回弾丸発射数     1/ 通算弾丸発射数 3,081

今回殺害人数     0/ 通算殺害人数   5,473

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   118

<ストーリー>
働く必要のない島『ナウトロ共和国』は、外貨獲得のため各国より亡命者を匿っていた。整形手術を施された亡命者は別人としてナウトロ共和国に登録されているという・・・・

<この一言>
いいからやれ・・・

<もう一言>
その分の、ボーナスは払う・・・

<解説>
オセアニアのナウトロ共和国は、島全体がリン鉱石でできており、外国人労働者にリン鉱石を採掘・輸出させることでナウトロ国民は労働する必要がない地上の楽園とされていた。しかし、リン鉱石が枯渇してからは、各国の亡命者を匿うことで外貨を獲得していた。亡命者に整形手術を施し全くの別人として国民登録を行い、外国からの渡航者をシャットアウトすることで、亡命者を完全に秘匿するシステムを確立したのである。

サウン連邦の『サヤ・タン副主席』もナウトロ共和国に亡命した一人。クーデターで国を追われてからは、アメリカ企業『オリザ穀物商社』の庇護を得、顔面整形に加え肌の色を変えて、ナウトロ共和国に隠匿していた。オリザ穀物商社は、サウン連邦に再び政変が起り、サヤ・タンが復権した暁には、サウン連邦の穀物利権を独占する狙いがあった。

クーデターによりサウン連邦を治める『ターキン将軍』はサヤ・タンの復権を恐れ、ゴルゴにサヤ・タンの抹殺を依頼する。ナウトロ共和国は外国人の入国を認めていないため、ゴルゴは洋上からナウトロ共和国の国民台帳データを管理するコンピューター・ルームをロケット弾で破壊する。国民台帳データには整形前後のサヤ・タンの個人データが記録されていたが、個人データが完全に抹消されたことで、サヤ・タンがサウン連邦の副主席であることを証明することが出来なくなり、”サヤ・タン副首相”の存在は抹殺されたのである。

ナウトロ共和国はナウル共和国、サウン連邦はミャンマー(旧ビルマ)がモデル。ナウル共和国についてはウィキペディアを参照されたい。ナウル共和国の没落を描きたい故に記された作品と思われるが、ミサイル一撃でことを済ますというのは、ゴルゴファンからすれば、少々いただけない展開だ。しかし、人間を物理的に抹殺するのではなく、個人台帳を抹消することで”存在亡き人”にするというのは、住民基本台帳カードに異議を唱えていると推測される。本作の発表は2003年8月、住基カードの配布開始も2003年8月である。

ズキューン

ゴルゴ13(154) 巻掲載
ゴルゴ13(157) 巻(最新刊)
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

IDEA online shop

<script type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript" src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js"> </script> <script src="http://www.google-analytics.com/urchin.js" type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript"> _uacct = "UA-792331-1"; urchinTracker(); </script>

ゴルゴ13第154巻-3 万能ベクター・VOGUE

2010-08-13 14:33:28 | 第151巻~第155巻

■万能ベクター・VOGUE(第511話) 発表2004年2月

ゴルゴ13 154 (SPコミックス)

評価   ★★★

依頼人 NIH(米国立衛生研究所)ジェーン所長

ターゲット シンガポール国立大学・ゲノム医学研究所にて生物テロ兵器開発を目論む者

報酬 不明

今回弾丸発射数     12/ 通算弾丸発射数 3,080

今回殺害人数     13/ 通算殺害人数   5,473

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   118

<ストーリー>
国を挙げて先端医療研究に取り組むシンガポール。水面下では、イスラム資金による生物兵器開発が進行していた・・・

<この一言>
依頼内容にうそがあったな?

<もう一言>
なら、どうして、その本音を言って依頼しなかった・・・?俺のルールは知っていたはずだ・・・

<解説>
国を挙げて先端医療研究研究に取り組むシンガポール。シンガポール国立大学・ゲノム医学研究所に所長として招かれた『マービン・リュー博士』は、スタンフォード大学医学部でゲノム研究の第一人者と目されている人物であった。

リュー博士はアメリカからスタッフを引き連れてシンガポールに帰国、多大な資金援助を受けて研究を進めていた。日本人研究者『クワハラ』もリュー博士の勧誘を受け、シンガポールに赴任してきた。しかし、背後にイスラム人脈が蠢いていること、研究内容が生物兵器に転用される懸念のあることに感づいたクワハラは、同僚のリサとともに逃亡を企てるも、拉致されてしまう。

NIH(米国立衛生研究所)所長の『ジェーン』は、ゴルゴに接触、シンガポールで生物兵器に転用される研究がなされており、関係者を抹殺して欲しいとの依頼を行う。ゴルゴは、金主であるイスラム起業家やリュー博士らを抹殺、ゲノム研究所も焼き払う。しかし、依頼遂行後、ゴルゴが向かったのはジェーン所長のもとであった。ジェーン所長は、テロの懸念を理由にリュー博士らの殺害を依頼したが、真の狙いはシンガポール勢に特許を独占されてはアメリカの権益が損なわれるとして、研究成果をつぶすことにあったのである。依頼内容の嘘を許さないゴルゴは、ジェーンに対しても容赦なく引き金を引く・・・

ウイルス研究が生物兵器に転用される可能性があることに警鐘を鳴らす作品。ゴルゴが”大量破壊”をやってのける内容であるにもかかわらず読後感がすっきりしないのは、ゲノムやベクターについての説明が過剰で、読者がストーリーに入り込めないからであろう。ジェーン女史がもう少し若ければ、違った展開になったかもしれないが・・・非常に印象の薄い作品。

ズキューン

ゴルゴ13(154) 巻掲載
ゴルゴ13(157) 巻(最新刊)
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

シマンテックストア

<script type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript" src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js"> </script> <script src="http://www.google-analytics.com/urchin.js" type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript"> _uacct = "UA-792331-1"; urchinTracker(); </script>

ゴルゴ13第154巻-2荒んだ大地

2010-08-08 13:38:03 | 第151巻~第155巻

■荒んだ大地(第510話) 発表2003年12月

ゴルゴ13 154 (SPコミックス)

評価   ★★★★

依頼人 パキスタン統合情報局 ラジーフ

ターゲット パシュトゥーン部族軍閥 セディック将軍

報酬 不明

今回弾丸発射数      推定100/ 通算弾丸発射数 3,068

今回殺害人数    推定100/ 通算殺害人数   5,460

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   118

<ストーリー>
戦禍の絶えないアフガニスタンで、ボランティアに励む日本人女性が。彼女の元を訪れたゴルゴの意図は・・・

<この一言>
出来る事は、あるか・・・?

<解説>
戦禍の絶えないアフガニスタンにて一人でボランティアに励む日本女性のもとに、NPO”戦争孤児と難民援助の会”から派遣された『東郷』が訪れる。

精力的にボランティア活動に励む東郷は、ある日『パシュトゥーン部族軍閥』の男達に取り囲まれる。軍閥の男達は、軍閥の長『セディック将軍』がマラリアに罹っており薬品を強奪に来たのであった。マラリアの治療を買って出た東郷は男達に銃を突きつけられながら、パシュトゥーン軍閥砦へ招き入れられる。

セディック将軍と対峙したゴルゴは、男達から武器を奪うやセディック将軍と取り巻きを殺害。さらには、砦に詰めていた軍閥兵士推定100名を抹殺する。東郷の身を案じて駆けつけた日本人女性ボランティアが見たものは、殺戮現場に佇むゴルゴであった。ゴルゴは日本人女性の最期の願いを聞いた後、女性に向かって引き金を引く。女性の最期の願いを聞き入れたゴルゴは、後日、国連難民弁務官事務所(UNHCR)に匿名で3000万ポンド(約40億円)の寄付を行うのであった・・・

ゴルゴのスーパー・ソルジャー振りが発揮される大殲滅劇。短編ゆえ、戦闘シーンは多くないが、兵士達の亡骸を見ながら佇むゴルゴの姿が印象的である。その姿を目撃してしまった日本人女性は悲運ではあるが、ゴルゴが彼女の夢を果たすべく巨額の寄付を行うエンディングは涙を誘う。巨額の寄付に纏わる話としては2兆円を寄付した第108巻-3『G資金異聞 潮流激る南沙』がある。

ズキューン

ゴルゴ13(154) 巻掲載
ゴルゴ13(157) 巻(最新刊)
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

ブックオフオンライン <script type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript" src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js"> </script> <script src="http://www.google-analytics.com/urchin.js" type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript"> _uacct = "UA-792331-1"; urchinTracker(); </script>